◎ラホールの人口は約1400万人。パキスタン第2の都市であり、世界で最も大気汚染がひどい都市のひとつにランクされている。
2024年11月5日/パキスタン、東部パンジャブ州ラホールの通り(AP通信)

パキスタン東部パンジャブ州ラホールの大気質が前例のないレベルに悪化し、数百人が呼吸器系の疾患で入院し、学校が閉鎖され、自宅待機命令が出ている。

ラホールの人口は約1400万人。パキスタン第2の都市であり、世界で最も大気汚染がひどい都市のひとつにランクされている。

スイスに拠点を置く企業「IQAir」のデータによると、ラホール郊外の大気質指数は2日に1900まで上昇。危険とされる300を大きく上回った。

パンジャブ州首相室の報道官は7日、この2日間で子供や高齢者を含む900人以上が呼吸器の不調を訴え入院したと明らかにした。

同州政府は6日、州内の全ての小中学校に10日間の対面授業禁止令を出し、オンラインに移行するよう命じた。

また同州政府は医療従事者など、特定の分野で働く労働者以外に自宅待機を要請。企業にもオンラインで仕事を行うよう求めた。

州内では現在、マスクの着用が義務付けられている。

大気質悪化の原因は車やバイクの排気ガス、焼き畑、野焼きなど。大気汚染は冬に深刻化することが多く、気象条件などの影響により大気がよどみやすい。

報道官は声明で、「危機的な状況だ。神の名のもとに、家から出ないでください」と警告した。

当局はこの事態を受け、道路への散水、環境に有害なレンガ窯の取り壊し、ディーゼル燃料で走行するボロボロの車の使用禁止など、汚染に対処する方策を立案する「スモッグ対策室」を設置した。

報道官は隣国インドからも「汚染されたスモッグ」が流れ込んでいると指摘。インド政府に書簡を送り、大気汚染に連携して対処するよう求めると明らかにした。

国連環境計画(UNEP)は大気汚染により、毎年800万人が呼吸器系の疾患で亡くなっていると推定。微小粒子状物質(PM2.5)を世界の公衆衛生を脅かす最大級の脅威のひとつと評している。

冬の間、冷たい空気はPM2.5を閉じ込め、スモッグをより濃く、長持ちさせる。

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