◎同国は先月にも大規模な洪水に見舞われたばかり。
アフリカ東部・南スーダンの複数の地域で大雨による洪水が発生し、38万人が避難を余儀なくされている。国連が8日、明らかにした。死傷者の情報はない。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は声明で、「43の郡と係争地アビエイで大洪水が発生し、少なくとも140万人が影響を受けている」と明らかにした。
またOCHAは「22の郡とアビエイで37万9000人以上が避難を余儀なくされ、その多くが住居を失ったとみられる」と述べた。
アビエイはスーダンと南スーダンの国境に位置し、両国が領有権を主張。南スーダン政府が昨年3月にこの地域に軍隊を派遣して以来、民間人を巻き込む部族間抗争が相次いている。
OCHAは洪水被災地でマラリアが流行していると警告。今回の洪水を「過去数十年で最悪」と評した。
同国は先月にも大規模な洪水に見舞われたばかり。国連南スーダン派遣団(UNMISS)によると、4つの地域で少なくとも375万世帯が避難を余儀なくされ、その多くが住居を失ったとみられる。
南スーダンは2011年に独立。2年後の2013年、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は40万人以上と推定されている。
政府は9月、今年12月に予定していた同国初の国政選挙を2年延期すると発表した。
被災地では政府への不満が高まっている。自治体は政府や国連に緊急の人道支援を求めているが、避難民キャンプの衛生環境は劣悪で、マラリアだけでなくデング熱、肺炎、コロナウイルスなどの感染症が蔓延しているという情報もある。