2020年8月13日 AP通信/リモコンのNetflixロゴ

Netflixの加入者数は2020年春のロックダウン以降、急速に増加。その後、世界が”多少”落ち着きを取り戻すと、伸びは勢いを失った。

夏の不振の原因は、市民の多くがロックダウン(屋内)から屋外に脱出したためである。しかし、コロナウイルスは再び勢いを増し、オンラインエンターテイメント業界の背中を押している。

新規加入者の急増

20日、Netflixは2020年第3四半期の財務諸表を公開。経営陣の予想通り、伸びは低下した。

同社は7月~9月の間に220万人の新規顧客を獲得、累計加入者は1億9,520万人に達した。なお、以前に発表された予想は250万人だった。

PPForesightのアナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏はBBCニュースの取材に対し、「パンデミックストリーミングパーティは終了した」と述べた。

第3四半期の結果は予想を下回った。しかし、2020年の新規加入者数は2,800万人を超え、過去最高を大きく更新している。

シャーリーズ・セロン主演「オールド・ガード」

Netflixによると、同社のオリジナルタイトル、シャーリーズ・セロン主演の「オールド・ガード(原題:The Old Guard)」が第3四半期で最も多くの視聴者を獲得したという。

【Netflix/第3四半期販売実績(抜粋)】
・オールド・ガード:7,800万世帯
・エノーラ・ホームズの事件簿:7,600万世帯
・プロジェクト・パワー:7,500万世帯
・キスから始まるものがたり2:6,600万世帯

ロイター通信/映画「オールド・ガード」に主演したシャーリーズ・セロン

海外の加入者数

Netflixの海外加入者数は、既にアメリカを上回っている。海外での成功は、成長に欠かすことのできない最重要要素のひとつである。

第3四半期で最も多くの新規加入者をもたらした地域は、アジア太平洋地域だった。同地域の加入者数は100万人を超え、実績のほぼ半分を占めた。同社は日本と韓国のブロードバンド接続世帯の「2桁」のシェア獲得を目指しているという。

ただし、収益に大きな影響を与えるのは今も変わらずアメリカのユーザーである。ディズニープラスやHBOなどのライバルとの競争を勝ち抜き、国内市場も維持しなければならない。

コンテンツの充実

Netflixと競合他社は加入者数を維持、増加させるために、新しいサービスとコンテンツを提供しなければならない。

春のロックダウンで映画やドラマの制作は軒並み停止し、新たな作品の入手は昨年以前とは比べ物にならないほど困難になった

同社のレポートによると、「制作は順調に進んでおり、来年発売される作品の制作数は2020年を超える」という。

ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ソフィー・ルンド・イェーツ氏はBBCニュースの取材に対し、「Netflixは映画運営者の激しい競争から恩恵を受ける立場にある」と語った。

ソフィー・ルンド・イェーツ氏:
「視聴者は猛スピードで作品を消費する。しかし、得られる収益は全世界で劇場公開される場合とは比べものにならないほど小さい。制作コストは増加傾向にあるため、作品の販売価格が引き上げられる可能性もある

「オリジナルのコンテンツは視聴者を満足させる。しかし、費用がかかり、それを回収することはとても難しい」

Netflix/ドラマ「グッド・プレイス」より

コロナ利益

同社の第3四半期利益は7億9000万ドル(831億円/1株あたり1.74ドル)、前年同期6億6500万ドルから19%増加した。

収益は52.4億ドルから22.5%増加して64億4000万ドルだった。なお、アナリストは1株あたり2.13ドルの収益、結果を63.9億ドルと予想していた。

Netflixは報告の中で、「世界がコロナウイルスから回復することを願っている」と述べ、2021年の加入者の伸びはパンデミック前の水準に戻ると予想した。

The Old Guard | Official Trailer | Netflix

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