◎ワシントン・ポスト紙によると、ファイザーワクチンの共有計画はこの問題に詳しい人物が匿名を条件にリークしたという。
2021年6月9日/メリーランド州のアンドリュース空軍基地、記者団の取材に応じるジョー・バイデン大統領(パトリック・セマンスキー/AP通信)

米主要メディアによると、ホワイトハウスはファイザー社のコロナワクチン5億回分を追加購入し、国連や世界保健機関(WHO)などが主導しているCOVAXイニシアティブを通じて世界に寄付する予定だという。

COVAXイニシアティブが取り扱うワクチンの大多数を供給しているセラム・インスティチュート・オブ・インディア(SII)は、3月以来アストラゼネカワクチンを国外に出荷していない。

AP通信によると、ジョー・バイデン大統領はG7首脳サミット開始前の演説でこの決定を発表する予定だったという。年内に寄付される線量は2億回分。残り3億回分は2022年上半期中に寄付される予定。対象は92の低所得国とアフリカ連合(AU)。

国家安全保障顧問のジェイク・サリバン氏は以前の会見で、バイデン大統領はワクチンを世界と共有することにコミットしていると語っていた。「バイデン大統領は以前の演説で、アメリカは第二次世界大戦下における民族主義の兵器庫だったと言いました。アメリカはコロナ禍におけるワクチンの兵器庫になるつもりです」

ワシントン・ポスト紙によると、ファイザーワクチンの共有計画はこの問題に詳しい人物が匿名を条件にリークしたという。

アメリカはコロナワクチンの供給をめぐる様々な圧力に直面している。人口12億人のアフリカ大陸は圧倒的なワクチン不足に悩まされ、台湾でも同様の問題が発生し対処を迫られた。WHOは健康な若者への接種を停止し、アフリカを含む低所得国にワクチンを寄付しなければ、パンデミックは次のレベルに移行する可能性があると警告していた。

ホワイトハウスは6月末までに8,000万回分のファイザーワクチンを世界と共有するとすでに発表しており、この線量の大半はCOVAXを通じて寄付される。政府当局者によると、国の余剰の25%は緊急事態および同盟国やパートナー(UN、WHO、AUなど)と直接共有するために確保しておくという。

<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/6月10日時点
アメリカ:3億400万回/51%
イギリス:6,900万回/60%
ドイツ:5,600万回/46%
イタリア:3,900万回/45%
フランス:4,100万回/42%
カナダ:2,700万回/63%
日本:1,900万回/11%
中国:8億900万回/45~48%(推定)
インド:2億3,400万回/14%
イスラエル:1,100万回/63%

世界:22億2,000万回/12%
アジア:12億6,000万回/7%
北米:3億8,200万回/39%
ヨーロッパ:3億9,500万回/34%
EU:2億7,700万回/42%
南米:1億3,700万回/22%
アフリカ大陸:3,900万回/2%

2021年1月4日/ベルギー、リエージュの病院、解凍中のファイザーワクチン(AP通信/Francisco Seco)
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