◎ボリス・ジョンソン首相はBBCニュースのインタビューの中で、「新規陽性者が増加傾向にあり、6月21日に予定していた制限の緩和は難しくなった」と述べた。
2020年3月3日/イギリス、ロンドンの首相官邸、ボリス・ジョンソン首相(AP通信/Frank Augstein/Pool)

英BBCニュースによると、ボリス・ジョンソン首相はインドで最初に検出されたデルタ変異種の蔓延に伴い、ロックダウンのさらなる緩和を予定していた6月21日から少なくとも4週間延長するという。

ジョンソン首相はBBCニュースのインタビューの中で、「新規陽性者が増加傾向にあり、6月21日に予定していた制限の緩和は難しくなった」と述べた。「ワクチンとコロナウイルスの戦いです。ワクチンは勝つでしょう。後は接種のペースの問題です」

一部の専門家は、デルタ変異種の感染力は従来種より60%高い可能性があると指摘している。BBCニュースによると、政府の諮問委員会はジョンソン首相に緩和は延長すべきと促したという。

政府は6月21日の緩和で2020年3月のロックダウン以来初となるナイトクラブの営業を許可し、社会的距離に関する規則も廃止する予定だった。

諮問委員会の委員、ロンドン大学ユニバーシティカレッジのアンドリュー・ヘイワード博士はBBCの取材に対し、「最後の制限を今解除すれば、感染再拡大を招く可能性がある」と指摘した。「油断すれば私たちは大きな第三波に直面するでしょう。新たな波は入院患者と死者の増加につながります...」

保健当局のまとめによると、イギリスの6月13日の新規陽性者数は2月末以来の水準となる7,490件まで増加したという。新規症例は過去数週間で約3倍に増加した。ただし、死亡者数は非常に少なく、13日は8人、12日は12人だった。

イギリスのワクチン展開は世界で最も迅速かつ一貫性があり、効果的に機能したと高く評価されている。Our World in Dataによると、少なくとも1回ワクチンを接種した人の割合は人口の約62%、完全に接種を終えた人は44%に達したという。

政府は7月末までに国内の全ての成人に少なくとも1回ワクチンを接種することを望んでいる。ウェールズ政府は先日、6月14日までにこの目標を達成できると発表した。

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの制限緩和のペースは多少異なるが、各政府はおおむねジョンソン首相の計画に近い形で緩和を進めている。

<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/6月14日時点
アメリカ:3億800万回/52%
イギリス:7,100万回/61%
ドイツ:6,000万回/48%
イタリア:4,200万回/48%
フランス:4,400万回/45%
カナダ:2,900万回/64%
日本:2,100万回/13%
中国:8億7,900万回/47~50%(推定)
インド:2億4,600万回/14%
イスラエル:1,100万回/63%

世界:23億6,000万回/13%
アジア:13億6,000万回/7%
北米:3億9,100万回/40%
ヨーロッパ:4億1,900万回/36%
EU:2億9,600万回/44%
南米:1億4,100万回/22%
アフリカ大陸:4,100万回/2%

2020年11月4日/イギリス、ロンドンのソーホーにあるレストラン(AP通信/Alberto Pezzali)

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