船内でコロナウイルスが蔓延しているにも関わらず、虚偽の報告を行った疑い

 3月19日、ルビー・プリンセス号はニューサウスウェールズ州のシドニー港に寄港。約2,700人の乗客は検疫を受けることなく開放された。
コロナショック/オーストラリア政府が犯した大失態

 コロナウイルスに感染、死亡したルビー・プリンセス号の乗客は4月9日時点で計15人。同船に関連する感染者数は600人を超え、今なお拡大を続けており、国内最大のクラスター案件になってしまった。下船許可を出した州政府に批判が相次ぎ、スコット・モリソン首相も州の対応を批判、責任は全て彼らにあると述べた。

 3月20日、ニューサウスウェールズ州政府はルビー・プリンセス号の事象を公表。船内でコロナウイルスが蔓延しているにも関わらず、乗客2,700人を下船させたと説明した。なお、この時点で海外から入国(帰国)した者には、「14日間の隔離措置」が義務付けられていた。

 国民の怒りと不満が高まり、政府とニューサウスウェールズ州政府は責任の所在を明確にすべく議論を開始する。寄港から10日後の3月29日、ルビー・プリンセス号に関連するコロナウイルス感染者は200人を突破。同時期に感染経路不明の感染者が増大し、それらに対しても同船の関連が疑われている。

 4月5日、ルビー・プリンセス号に関連する感染者数は600人を突破し、13人の死亡が確認された。オーストラリア警察は、同船を運行管理する「プリンセスクルーズ」がニューサウスウェールズ州に虚偽の報告を行い、無理やりシドニー港に寄港した疑いがあると発表、事態は一変する。

 現在、同船内はポートケンブラ港に寄港中。約200人のコロナウイルス患者が今なお船内に収容(隔離)されている。オーストラリアの医療従事者などが治療にあたっているが、感染者の下船は許可されていない。

 4月8日、オーストラリア警察(刑事部殺人課)は、ルビー・プリンセス号のブラックボックスを押収。虚偽の報告を行った証拠が残っていれば、プリンセスクルーズは罪に問われる可能性が高い。

コロナウイルス、世界の情勢
・4月9日、世界のコロナウイルス感染者数はまもなく150万人に到達、約90,000人が死亡した
・4月9日時点の各国の感染者数(ジョンズ・ホプキンズ大学集計)
アメリカ 432,132人
スペイン 148,220人
イタリア 139,422人
ドイツ 113,296人
フランス 83,080人
中国 82,867人
イラン 64,586人
イギリス 61,474人
トルコ 38,226人
ベルギー 23,403人
日本 4,257人

・アメリカの死者数は14,600人超。ニューヨーク州の1日の死者数が最多を更新
・中国武漢の封鎖が約3カ月ぶりに解除
・トランプ大統領がWHOへの拠出金停止を明言
・イギリス、ボリス・ジョンソン首相は引き続き集中治療を受けているが、人工呼吸は使わず。改善の傾向にあるという

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