◎NZL政府は12歳以上のワクチン完全接種率90%を制限解除の目安としている。
2021年12月3日/ニュージーランド、オークランドの中心部にあるカフェ(Alex Burton/NZL Herald/AP通信)

12月4日、ニュージーランドの最大都市オークランドは100日以上続いたコロナ制限からようやく解放され、ワクチン接種を終えた市民がカフェやレストランに足を運んだ。

NZL政府は10月にゼロコロナ戦略を見直し、封鎖の解除に向けた計画を発表した。オークランドの主要な制限は3日に解除されたが、市内の施設や飲食店を利用する際はワクチンパスポートの提示が必要。また政府は10月末に顧客と接する機会の多い労働者にワクチン接種を義務付けている。対象は飲食店、ジム、美容院など。

政府は12歳以上のワクチン完全接種率90%を制限解除の目安としている。全国平均は3日時点で87%に達し、最も人口の多いオークランドは90%を超えた。

オークランドの保健当局は3日の声明で接種率90%超えを祝ったが、一部の制限は維持されていると注意を呼びかけた。オークランドと近隣地域の往来禁止制限は12月中旬まで維持される予定。

一方、政府は新たなコロナ変異ウイルス「オミクロン株」の世界的な感染拡大を受け、11月28日にアフリカ南部9カ国との往来を制限した。

保健当局によると、国内でオミクロン株は確認されていないという。ニュージーランド・ヘラルドなどによると、当局は現在の空港検疫システムを当面維持する予定。

オークランドのバーやナイトクラブは常連客で賑わったと伝えられている。オークランド商工会議所のマイケル・バーネット事務局長はNZLへラルドに、「多くの事業者がクリスマスの数週間前の営業再開を歓迎した」と述べた。

またバーネット氏は多くの事業者がワクチンパスポートに賛成していると述べたうえで、システムに関する問い合わせが相次いでいると明らかにした。「スマートフォンを使いこなす若い事業者は政府のシステムに対応できているようですが、高齢者やスマートフォンが苦手な人は苦労しています...」

政府の新しいコロナ政策(通称 信号機システム)は、地域の医療機関におけるコロナ患者の占有率でランク分けされる。緑色の地域は制限なし、黄色になるとマスクの着用義務化と社会的距離のルールが再導入される。赤色の地域に課される制限はマスクと距離と収容制限。なお、オークランドは現在、赤色である。

保健当局によると、12月3日の新規陽性者数は95件、死亡者はゼロ、直近1週間の陽性数は1日あたり約140件。ワクチン完全接種率は3日時点で人口の約71%。

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