Ｊ＆Ｊコロナワクチンは変異種にも一定の効果を期待できる

2021年2月25日 2021年2月26日 5分25秒

米食品医薬品局（FDA）によると、ジョンソン・エンド・ジョンソン社のコロナワクチン（1回投与）は重症と中等症の予防に効果を発揮するという。

Ｊ＆ＪとFDAは2月24日に同ワクチンの臨床試験データを公表した。報告によると、重症化を防ぐ確率は85％、中等症は66％で、安全を保証できるという。また、現在確認されている変異種に対しても一定の効果を期待できることが示された。

独立した機関に所属する顧問らはＪ＆Ｊワクチンが試験通りに機能するかどうかを議論しており、その結果に基づきFDAは数日以内に緊急使用の許可を出すことが期待されている。

フィラデルフィア小児病院のワクチン専門家であるポール・オフィット博士は、「流通しているワクチンは直接比較されていないため、試験で示された保護率だけでワクチンの良し悪しを判断することはできない」と警告した。オフィット博士はFDA諮問委員会の委員のひとりである。

ポール・オフィット博士：
「Ｊ＆Ｊワクチンの単発投与は他社の2回投与と同じくらいコロナウイルスを予防するように見えます」

「試験で判明した保護率だけでワクチンの良し悪しを決めることはできません。Ｊ＆Ｊは、ファイザーやモデルナのワクチンに匹敵するレベルで死を防ぐことができます」

Ｊ＆Ｊ社はアメリカ、ラテンアメリカ、南アフリカの44,000人の成人に単発ワクチンを接種し、効果をテストした。なお、FDAによると、「Ｊ＆Ｊワクチンは他のワクチンよりは変異種に効果を発揮するが、どの程度機能するかは明らかではない」という。

＜Ｊ＆Ｊ臨床試験結果の要点＞
・接種者の重症化を防ぐ確率は85％。
・接種者の中等症を防ぐ確率は66％。
・接種可能年齢は18歳以上。
・接種者は接種後約14日後に保護された。
・プラセボ接種群で入院した人は16人。7人が死亡。
・Ｊ＆Ｊ接種群の入院および死亡はゼロ。

南アフリカはアルトラゼネカワクチンが十分な研究結果を示していないと判断し、最前線の医療従事者にＪ＆Ｊワクチンの臨床試験に参加するよう促している。

FDAは報告の中で、「人種（白人、黒人、ラテン系など）に関係なく有効性と安全性を保証できる」と述べた。

世界のコロナワクチンは全て異なる方法でテストされているため、比較はほぼ不可能である。検査機関は1回投与が2回投与より弱いと分かった場合も、「安全かつ効果が許容できるレベルであれば」接種を許可する。なお、Ｊ＆Ｊ社によると、同ワクチンを2回接種する研究も進めているという。

臨床試験の中で確認された主な副反応は注射部位の痛み、インフルエンザのような発熱、倦怠感、頭痛。アナフィラキシーショック（重度のアレルギー反応）を示した人は参加者の中にはいなかった。

FDAは報告の中でさらなるモニタリングを推奨しているものの、これまでのところワクチンに関連する深刻な副反応は報告されていないと述べた。なお、Ｊ＆Ｊ接種群の副反応報告は15人、プラセボ接種群は10人だった。

Ｊ＆Ｊ社によると、供給できるワクチンの量は承認直後が約400万回分、3月までに約2,000万回、6月末までに約1億回を予定しているという。

欧州の規制当局と世界保健機関（WHO）もＪ＆Ｊワクチンの使用を検討しており、同社は以前の発表で年末までに約10億回分の供給を目指していると述べた。

・1回投与。

・冷蔵庫で保存できる。

・超低温保存を必要としないため、輸送しやすい。

・18歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。