◎疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は23日の声明で、「最優先事項は健康と安全を守ることです」と述べた。
2021年4月22日/スペイン、ナバラのワクチン接種サイト(ゲッティイメージズ/ヨーロッパプレスニュース/EP)

米主要メディアによると、疾病予防管理センター(CDC)と食品医薬品局(FDA)は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコロナワクチンの接種停止を解除したという。

FDAは4月13日、J&Jワクチンの接種を受けた6人が血栓症を発症したため、展開の一時停止を勧告した。同ワクチンはアメリカ国内で約800万人に投与されている。

CDCのロシェル・ワレンスキー所長は23日の声明で、「最優先事項は健康と安全を守ることです」と述べた。「アメリカのワクチン供給・安全・監視システムは正常に機能しています。CDCは先日、J&Jワクチンを接種した数人が血栓症を発症したため、展開の一時停止を決めましたが、本日付けで解除します。CDCはこれからも全てのワクチンを注意深く監視し続けます...」

CDCの諮問委員会は23日の午前中にJ&Jワクチンの停止解除を承認していた。委員投票の結果は賛成10ー反対4,棄権1。

諮問委員会の議長を務めるアーカンソー州保健局のホセ・ロメロ博士は声明で、「1回投与で大きな効果を発揮するJ&Jの停止は、地域社会に悪影響を与える」と述べた。

CDCの最新の報告によると、脳静脈洞血栓症(CVST)を発症した15人(13日から9人増)のうち3人が死亡し、少なくとも5人は重篤な症状で入院したという。発症者はほとんど女性で年齢は18歳~59歳、30歳代が最も多かった。

・血栓症の発症率;0.0002%(15人/800万人)
・死亡率:0.00004%(3人/800万人)

J&J社は声明で、「CDCおよび連邦規制当局と協力して、血栓症への対処方法を早期に確立する」と述べた。「私たちは世界中の人々の健康と安全を守る取り組みを継続していきます」

2021年4月11日/ジョンソン・エンド・ジョンソン社のコロナワクチン(ロイター通信)

国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は、諮問委員会がJ&Jワクチンの再開を承認した時点で、ワレンスキー所長は接種停止を速やかに取り消すだろうと述べていた。「脳静脈洞血栓症(CVST)の症状を確認した場合、すぐに対処することが重要です。CVSTは治療可能な症状だと誰もが理解しなければなりません」

J&Jワクチンが血栓症を引き起こしたかどうかはまだ分かっていない。

ABCニュースによると、諮問委員会は「50歳未満の女性にJ&Jワクチンの接種を推奨しない」という警告を出すべきではないと主張したという。ワクチンの選択は接種の遅れにつながる可能性がある。また、J&Jを男性限定とする提案も却下されたと伝えられている。

諮問委員会のジェイソン・ゴールドマン博士は、「接種の再開を強く支持する」と述べた。「J&Jの利点はリスクをはるかに上回っています。J&Jワクチンはコロナウイルスとの戦いで途方もない大きな成果を上げるでしょう」

一方、諮問委員会はFDAの提案(血栓症の治療のガイドラインとファクトシートを公開する)を承認したが、一部の委員は「ワクチン接種前にガイドラインを読む人は少ない」と懸念を表明した。

賛成票を投じたベス・ベル博士は、「CDCと連邦規制当局はワクチンの情報を国民に正しく伝えなければならない」と指摘した。「J&Jワクチンの接種を心配している女性たちに、正確な情報を提供する必要があります」

ヤンセンファーマの研究開発のグローバル責任者、マタイ・マメン博士は声明で、「ワクチンの入手を制限する試みは、集団免疫の確立に大きな影響を与える」と警告した。

J&Jワクチンは標準的な冷蔵庫で数カ月間保管できるため、インフラや医療設備の整っていない開発途上国での接種を期待されている。日本政府は治験を実施中。

J&Jのワクチンについて

・1回投与。

・冷蔵庫で保存できる。

超低温保存を必要としないため、輸送しやすい

・18歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。

種類保護率
接種回数
試験数
(公表数)
保管条件
期間
費用
ファイザー95%
2回
43,538人-75℃
解凍後5日
20ドル
モデルナ94.5%
2回
30,000人-20℃
6カ月
33ドル
オックスフォード62-90%
2回
24,000人冷蔵庫
4ドル
スプトーニクV91.6%
2回
19,866人冷蔵庫
10ドル
ノババックス89.3%
2回
15,000人冷蔵庫
J&J重85%
中66%
1回
44,000人冷蔵庫
3か月

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