◎現地メディアによると、議会はパスポートの適用範囲を8月中に拡大する方針で、レストラン、カフェ、バー、ショッピングモール、公共交通機関、空港などが追加される予定だという。
2021年7月18日/フランス、パリ、コロナワクチン接種を促す政府の措置に反対する抗議(ロイター通信)

7月20日、フランス政府は新たなコロナウイルス対策のひとつであるコロナパスポート規則を発効した。

これにより、21日から国内のほとんどの美術館や映画館などを利用する際にはパスポートの提示が必要になる。

現地メディアによると、議会はパスポートの適用範囲を8月中に拡大する方針で、レストラン、カフェ、バー、ショッピングモール、公共交通機関、空港などが追加される予定だという。

<コロナパスポートの取得条件>
・ワクチン接種を終えた人。
・最近コロナから回復したことを証明できる人。
・検査で陰性と診断され、検査結果を証明できる人。

フランスの新規陽性者数は増加傾向にあり、20日は約2か月ぶりに18,000件を超えたが、死亡者数は3月以来、減少傾向が続いている。

オリビエ・ベラン保健省は20日、インドで最初に確認されたデルタ株の感染拡大が続いており、経験したことのない大きな波に直面する可能性があると警告した。「デルタ株は他国で確認されたその他の変異種よりはるかに凶悪な感染拡大を引き起こす可能性があります...」

エマニュエル・マクロン大統領は今月初めの声明でコロナパスポート計画を発表し、全ての医療従事者に9月15日までにワクチンを接種するよう命じた。

現地メディアによると、フランス国内ではワクチンに対する不信感と接種を躊躇する傾向が広がっているという。

マクロン大統領のワクチン推進キャンペーンは広範な抗議を引き起こし、首都パリを含む各都市には数万人規模の抗議者が集まり、政策に反対した。

先週末には何者かが南部のワクチン接種センター2カ所を破壊し、少なくとも数千回分のワクチンが無駄になったと伝えられている。犯人はまだ捕まっていない。

抗議者たちはマクロン大統領の政策を「健康独裁」と呼び、政府は国民の選択する権利を侵害していると主張した。

パスポートの適用範囲を拡大する日はまだ明らかにされていないが、恐らく数週間以内にパリのカフェや公共交通機関を利用する際にはパスポートの提示が必須になると思われる。

抗議者たちは日常的に利用する公共の施設(主にカフェ、ショッピングセンター、公共交通機関)への適用拡大に強く反対しており、一部の議員は規則の審議前に「殺害予告」を受けたと明らかにした。

一部の抗議者は先週、「政府の規則はワクチンを選択しなかった人をナチスの支配下に置かれたユダヤ人のように扱う」と述べ、広範な怒りを引き起こした。

AFP通信によると、フランス人の大多数は政府の規則を支持しているようで、パスポートは新たなロックダウンを回避する唯一の方法と信じられているという。

2021年7月18日/フランス、パリ、コロナワクチン接種を促す政府の措置に反対する抗議(Getty Images/AFP通信)
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