◎FDAのデータによると、免疫不全患者への3回目の接種は、2回目の接種から4週間後以降に実施できるという。
2021年1月15日/ニューヨーク州、イーストハーレム地区のコロナワクチン接種センター(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

8月12日、米食品医薬品局(FDA)は免疫不全患者に対するファイザーまたはモデルナワクチンのブースターショット(3回目の接種)を許可すると発表した。

FDAは声明の中で、「臓器移植、特定の癌、またはその他の障害の影響で免疫に問題を抱えている人への3回目の接種を許可する」と述べた。

フランスやイスラエルなどの医療当局もブースターショットを許可しているが、FDAの承認はさらに多くの国々の許可を後押しすると期待されている。疾病予防管理センター(CDC)は先日、FDAにブースターショットの研究を急ぐよう指示していた。

FDAのジャネット・ウッドコック長官代理は、「医師は追加の保護を必要とする免疫不全患者にブースターショットを提供できます」と述べた。

FDAのデータによると、免疫不全患者への3回目の接種は、2回目の接種から4週間後以降に実施できるという。なお、対象のワクチンは2回接種型のファイザーとモデルナで、単発型のジョンソン・エンド・ジョンソンについては言及していない。

アメリカの免疫不全患者数は人口の3%以下と推定されている。FDAは、「現時点でその他のワクチン接種を終えた12歳以上の個人にブースターショットは必要ない」と強調した。

免疫不全患者へのブースターショットを許可した国はアメリカだけではない。

フランスは4月、2回目の接種から4週間後のブースターを許可した。イスラエルとドイツも最近、同様の条件で3回目の接種を奨励すると発表した。

FDAは免疫不全患者以外の個人のコロナウイルスに対する免疫力が低下する時期や、どの程度低下するかなどを監視・研究しているが、今のところ接種を終えた個人はウイルスから保護されているという。

650人以上の免疫不全患者に対して行われた最近の研究によると、ファイザーまたはモデルナワクチンを2回接種した対象者の抗体量はその他の個人の約半分だったという。また、関節リウマチなどの自己免疫疾患を持つ人々を対象とした別のワクチン研究では、「特定の薬」を使用している患者の反応が非常に悪いことも判明した。

免疫不全の患者にブースターショットがどの程度機能するか、接種後抗体量がどの程度増えるか、何かしらの拒絶反応が出る可能性などはまだ分かっておらず、データもほとんどない。

カナダの研究機関は11日、臓器移植を行った免疫不全患者は3回目の接種でより多くの抗体を獲得できる可能性が高いと発表した。研究者たちは、プラセボ(偽薬)を接種したグループとブースターショットグループを比較し、良い結果が得られたと判断した。

他の小規模な研究でも同様の結果が示されているが、特定の臓器移植患者はブースターを接種しても抗体量は他の個人より明らかに低いことが分かっている。

2021年3月/ファイザー・BioNTechのコロナワクチン(Getty Images/AFP通信/ファイザー社)

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