◎ファウチ博士はCNNニュースのインタビューの中で「非常にイライラしている」と述べ、「現在のマスクガイドラインの見直しを協議する会議に参加した」と明らかにした。
2021年7月20日/ワシントンD.C.議会議事堂、上院保健教育労働年金委員会の公聴会、アンソニー・ファウチ博士(Pool/AP通信)

7月25日、米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はコロナワクチン未接種者の感染と死亡が急増していることに懸念を表明し、「私たちは間違った方向に進んでいる」と警告した。

ファウチ博士はCNNニュースのインタビューの中で「非常にイライラしている」と述べ、「現在のマスクガイドラインの見直しを協議する会議に参加した」と明らかにした。

疾病予防管理センター(CDC)はガイドラインの中に、「ワクチン接種を終えた人はマスクを着用せずに社会活動を再開できる」と書いている。

ファウチ博士はCNNに対し、「地方自治体は現在のCDCガイドラインの下で独自の規則を発効できる」と述べ、必要によってはワクチン接種を終えた人にもマスク着用を求めるべきと主張した。

またファウチ博士は、「一部の地方自治体はデルタ株を含む変異種に対応するために、屋内および公共スペースでのマスクルールを復活させている」と強調した。カリフォルニア州の最大都市ロサンゼルス郡は先日、全ての住民にワクチン接種の有無にかかわらず屋内の公共スペースではマスクを着用するよう命じた。

CDCの公式データによると、国内で少なくとも1回ワクチンを接種した人は7月25日時点で人口の56.8%、接種を終えた人は49.1%(約1億6,300万人)。

ファウチ博士は未接種者にワクチンを接種するよう強く訴えた。「ワクチンを接種していない人は保護されていません。今すぐワクチンを接種してください」

ファウチ博士によると、政府の専門家はワクチン接種を終えた個人に追加接種を勧めるかどうかを検討しており、「臓器移植を受けた患者や癌患者など、コロナの影響を受けやすい一部の人々へのブースターショット(3回目の接種)を推奨する可能性が高い」と示唆した。

アメリカの1日あたりのワクチン接種数は4月中頃から低下し始めた。現在、接種率の低い州で新規症例と死亡者が急増しており、アーカンソー州のアサ・ハッチンソン州知事(共和党)とフロリダ州のロン・デサンティス州知事(共和党)は先日、「州内の共和党員」にワクチンを接種するよう初めて呼びかけた。

ファウチ博士はインタビューの中で、「アーカンソー州とフロリダ州の州知事が予防接種を推奨したと聞き、非常に心強く思った」と述べた。トランプ前大統領の同盟国である両州知事はファウチ博士のサポートに批判的だった。

アメリカの7月24日のコロナウイルス新規症例は22,472件、死亡者は101人。直近7日間の平均症例は51,209件、平均死亡者は267人、累計感染者数は3,440万件、累計死亡者は61万人を超えた。

ビベック・マーシー医務総監は先週、「最近コロナで死亡した患者の99.5%がワクチン未接種者だった」と明らかにした。

2021年4月15日/ワシントンD.C.議会議事堂、下院小委員会の公聴会、アンソニー・ファウチ博士(プール/ロイター通信)
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