◎米国で最初の陽性者が確認されてから650日以上経過したが、コロナの勢いは全く衰えておらず、特に欧米の感染状況は深刻である。
2021年12月10日/ミネソタ州ミネアポリスの医療機関(Charlie Neibergall/AP通信)

12月14日、米ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、米国のコロナウイルス累計死亡者数は80万人を超えたという。累計陽性者数は13日に5,000万件を超えた。

疾病予防管理センター(CDC)によると、米国の1日あたりの死亡者数は9月末のピーク時に比べると減少したが、それでも1,200~1,400人台を維持している。

累計死亡者が70万人を超えたのは10月1日、この2か月半の間に10万人が死亡した。これは昨年冬のピーク時を除けば、どの時期よりも早いペースである。

米国で最初の陽性者が確認されてから650日以上経過したが、コロナの勢いは全く衰えておらず、特に欧米の感染状況は深刻である。

米国は2020年12月にファイザーワクチンの緊急使用を承認し、展開を開始した。CDCと州政府の保健当局によると、最近の死者の大半がワクチン未接種者だという。

米食品医薬品局(FDA)とCDCはモデルナとJ&Jワクチンの緊急使用も承認し、米国のワクチン展開は急加速した。ファイザーワクチンは8月に正式に認可され、11月には5歳以上への接種を許可されている。

80万人はワシントンD.C.やボストンの人口より多い。米国の第二次世界大戦の死者数はこの約半分である。またコロナは、1918年から1919年の間に大流行したスペイン風邪を上回った。スペイン風邪で死亡した米国人は約67.5万人と推定されている。

米国は世界で最も早くワクチンを承認した国のひとつだが、完全接種率はようやく60%を超えたところである。米国の後にゆっくり展開を開始した日本の接種率は約77%、EU27カ国の平均は68%を超えた。

米国で初めて感染爆発を経験したニューヨーク州の陽性者と死亡者は2020年4月にピークに達し、その後ゆっくり減少した。

2020年11月頃から始まった第三波はさらに強力で、10万人が死亡するのに1か月かからなかった。2021年1月のピーク時の1週間当たり死亡者(平均)は世界で初めて3,000人を超えた。

第三波を超えると陽性者と死亡者は大きく減少し、6月末の1日当たり陽性者は4,000件台まで減少したが、デルタ株の感染拡大に伴い陽性者と死亡者は再び急増した。ジョー・バイデン大統領はデルタ株の波を「ワクチン未接種者のパンデミック」と呼び、国民にワクチンを接種するよう呼びかけたが、それでも接種率は伸びなかった。

国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士を含む米国の医療専門家は、オミクロン株の感染拡大が新たな波を引き起こす可能性があると懸念を表明し、速やかにブースターを接種するよう呼びかけている。

<アメリカCOVID-19タイムライン>
・2020年1月20日:最初の陽性者(ワシントン州)

・2020年2月6日:最初の犠牲者(カリフォルニア州)

・2020年5月27日:累計死亡者 10万人

・2020年8月8日:累計陽性 500万件

・2020年9月22日:累計死亡者 20万人

・2020年10月2日:ドナルド・トランプ大統領コロナに感染

・2020年11月9日:累計陽性 1,000万件

・2020年12月8日:累計陽性 1,500万件

・2020年12月14日:累計死亡者 30万人

・2021年1月1日:累計陽性 2,000万件

・2021年1月19日:累計死亡者 40万人

・2021年1月20日:ジョー・バイデン大統領就任

・2021年1月22日:累計陽性 2,500万件

・2021年2月2日:累計死亡者 50万人

・2021年3月24日:累計陽性 3,000万件

・2021年6月15日:累計死亡者 60万人

・2021年8月1日:累計陽性 3,500万件

・2021年9月7日:累計陽性 4,000万件

・2021年10月1日:累計死亡者 70万人

・2021年12月13日:累計陽性 5,000万件

・2021年12月14日:累計死亡者 80万人

2021年12月14日/ワシントンD.C.議会議事堂前、コロナの犠牲者に祈りをささげる議員団(Getty Images/AFP通信)
スポンサーリンク