◎過去7日間の世界の新規陽性は前週から約71%増加し、950万件に達した。
2020年4月15日/スイス、ジュネーブにある世界保健機関(WHO)の本部(Martial Trezzini/Keystone/AP通信)

1月6日、世界保健機関(WHO)はコロナ変異ウイルス「オミクロン株」の感染爆発に深刻な懸念を表明し、重症化リスクが低いという理由でオミクロン株を軽視すべきではないと警告した。

WHOによると、過去7日間の世界の新規陽性は前週から約71%増加し、950万件に達したという。WHOは感染爆発を津波に例え、各国に必要な措置を講じるよう求めた。なお、1週間の死亡者数は減少している。

オミクロン株の重症化リスクは世界で猛威を振るっているデルタ株に比べると低いと考えられているが、感染力は極めて強く、感染爆発に見舞われた国の医療機関は圧力にさらされている。

テドロス・アダノム事務局長は会見の中で、「オミクロン株の重症化リスクはデルタ株に比べると低く見えるが、ワクチン接種を終えれば大丈夫、軽度に分類されるということではない」と警告した。「オミクロン株は他の変異株と同じように人々を入院させ、殺しています。現在の津波は非常に大きく、そして早いため、世界中の医療機関を圧倒しています...」

WHOはコロナの感染拡大が始まった頃から、陽性数と死亡者数にはタイムラグがあると警告していた。死亡者の値は陽性数の変化から2週間ほど遅れて変動することが多い。

ただし、WHOは世界中でワクチン接種が進んでいることと、オミクロン株の重症化リスクが低く見えることを考慮すると、デルタ株のような勢いで死亡者数が急増する可能性は低いと指摘した。

WHOのデータによると、過去7日間の陽性数の変化は地域によって大きく異なり、アメリカ大陸では前週から約2倍に急増したという。オミクロン株の震源地と考えられているアフリカ大陸も7%増加したが、欧米ほどの勢いはない。

WHOのマイク・ライアン博士は記者団に、オミクロン株が最後の変異株だという憶測は「希望的観測」であり、「コロナウイルスはまだ余力を残していると考えるべきである」と警告した。

またライアン博士は基本的な感染予防対策の徹底をあらためて呼びかけた。「あごにマスクをつけないでください。意味がありません。そして、ワクチンを接種したから大丈夫と安心しないでください。WHOは世界のすべての人々にこの考えを理解し行動してほしいと思っています...」

米国の直近1週間の平均陽性数は60万件近くに達した。死亡者はほとんど変化しておらず、1,300人前後を維持している。

イギリスの6日の新規は179,756件、死者は231人だった。政府は医療機関の職員の間で感染が拡大していることを受け、警戒レベルを引き上げると発表した。

フランスの保健相も6日の会見で、「医療機関は厳しい戦いを強いられている」と警告した。フランスの6日の新規は速報値で26万件。

セルビア政府も医療機関に圧力がかかっていると警告した。地元メディアによると、6日の新規は9,000件を超え、過去最多に迫る勢いだという。セルビアの人口は埼玉県とほぼ同じ。

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