◎3月8日の新規陽性は24,000件近くに達し、750人以上が医療機関に入院した。
2022年3月8日/ニュージーランド、オークランドのドライブスルー検査所(Brett Phibbs/New Zealand Herald)

ニュージーランド政府は8日、コロナウイルスに感染した医療従事者に対し、軽症であれば人出の足りないコロナ病棟を支援するよう要請した。

保健当局のまとめによると、8日の新規陽性は24,000件近くに達し、750人以上が医療機関に入院したという。NZLの人口は福岡県とほぼ同じ。

NZL政府はパンデミックの初期に厳格な国境封鎖を導入し、コロナをほぼ完ぺきに抑え込んだ。専門家によると、初期の国境封鎖はワクチン接種の時間を稼ぎ、結果、多くの高齢者の命を救うことにつながったという。

NZLの死亡者は先進国の中で最も少なく、7日時点でわずか65人にとどまっている。

しかし、オミクロン株の急拡大は医療機関を驚かせ、多くの病院で医療従事者の感染が相次ぎ、医療システムに大きな負荷をかけている。

爆発的な感染拡大はNZL国民を唖然とさせている。1ヶ月前の新規陽性は200件程度、イベントの多い年末年始は100件を大きく下回っていた。

オミクロン株の流行は第一線で働く人々から国会議員まで、すべての人に影響を与えている。

野党国民党のラクソン党首は7日にコロナに感染したと明らかにした。テレビジョンNZLによると、ラクソン党首は自宅で仕事を続ける予定だという。

一部の医療専門家は、数千人の大学生が先月キャンパスに戻ったことが感染拡大を早める一因になったと指摘している。

ビクトリア大学ウェリントン校の学生会長であるザンブラノ氏はNZLヘラルドの取材に対し、「コロナは学生寮にいる数百人の間で急速に広がり、私たちの身体と心に打撃を与えた」と語った。「この時期、キャンパスはとても賑やかなはずですが、今はとても静かです...」

ビクトリア大学の学生は対面授業とオンライン授業を選択できる。

ザンブラノ氏は、「ほとんどの学生がオンライン授業を選んでいる」と述べた。

別の学生はソーシャルメディアに、「朝食にプロテインドリンクが出た」「夕食に冷たい肉と豆が出た」などの不満を表明している。

オタゴ大学の疫学者であるマイケル・ベーカー教授は8日、ウェブサイトに「NZLでも他の国と同じことが起きている」と投稿した。

保健当局によると、最大都市オークランドの新規陽性は減少傾向にあるものの、他の都市のピークは数週間先になる見通しだという。

ベーカー教授以外の専門家も、「NZLはコロナを受け入れる段階に入った」と述べている。

ベーカー教授は投稿の中で、「保健当局は陽性者と濃厚接触者を注意深く監視する以前システムから、迅速抗原検査による何千もの陽性者に対処する現在のシステムへの移行に苦労している」と述べ、懸念を表明した。「私たちは”慣れる”必要があります...」

厚生省の公衆衛生局長であるマケルネイ博士は8日、「入院患者は増えるだろうが、オミクロン株の重症化リスクはデルタ株より低く、対処できる」と語った。

またマケルネイ博士は、医療従事者の感染が増加していることを受け、医療従事者の復帰に関するルールを緩和すると発表した。

コロナに感染した医療従事者は他に選択肢がない場合のみ、コロナ病棟の患者の治療にあたることができる。

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