◎中国共産党は来月開幕する北京冬季五輪に先立ち、厳格なゼロコロナ政策を推進している。
2022年1月3日/中国、陝西省西安市の食糧配給所(Chinatopix/AP通信)

1月4日、中国共産党は無症状のコロナウイルス陽性者3人を新たに報告した東部河南省の禹州市(うしゅうし)を完全に封鎖した。

国営メディアによると、人口120万人の都市の輸送システムは遮断され、食料品店を除くすべての店舗および企業も閉鎖したという。

この規模の都市封鎖は12月23日以来厳格な管理下に置かれている人口約1,300万人の西安市(陝西省)に次いで2件目。

中国共産党は来月開幕する北京冬季五輪に先立ち、厳格なゼロコロナ政策を推進している。外務省の報道官は4日の会見で、「当局は非常に効率的かつ効果的なコロナ防衛システムを構築した」と述べた。

報道によると、大会に先立ち、数千人のスタッフとボランティアが北京の会場に入ったという。現地入りしたスタッフらは大会まで外界から完全に遮断されることになる。各国の選手とメディア関係者も現地入りする前に厳しい検査をクリアしなければならず、入った後は外界から完全に遮断される。

禹州市の住民は自宅にとどまるよう命じられ、当局の封鎖に関与する一部の公務員のみ外出を許可された。

陝西省(せんせいしょう)西安市も同様の封鎖を約2週間維持している。ロイター通信などによると、1月3日の新規陽性は95件で、ピーク時に比べると減少したという。

しかし、厳格な封鎖は住民の生活に深刻な影響を与え、様々な問題を引き起こした。中国版ツイッターのWeiboには食料が足りないという投稿が相次いで寄せられ、一部の住民は物々交換を余儀なくされていると窮状を訴えている。

ラジオ・フリー・アジアの取材に応じた西安市の住民は、「マンション内で物々交換をして何とか食料を確保している」と語った。ある男性は報道機関に、「スマートフォンとタブレットを米と交換したい」と述べた。

共産党指導部はゼロコロナ政策に固執しているが、多くの専門家が人口13億人以上の国でこの政策を維持することは極めて困難と指摘している。

しかし、指導部は2020年の早い時点で何とか封じ込めに成功し、国民から多くの信頼を獲得した。指導部は今ゼロコロナ政策を見直せば「世界一の感染予防対策」と「国民の信頼」を失うと恐れている。

中国人はこの2年間、厳しい制限をほぼ遵守してきたが、一部の市民は不満を募らせている。

西安市の住民はWeiboに「オンラインで食料を購入しても自宅に届かない」と投稿した。

西安市の流行予防および管理チームの専門家は国営メディアに、「地域の食料供給に圧力がかかっている可能性がある」と述べ、これ以上封鎖を維持するのは難しいと示唆した。

西安市は当初、食料を購入するという理由であれば2日ごとに外出を許可していたが、その後、陽性者が複数確認された地域の制限を強化した。一部の住民は外出を完全に禁じられているため、配給所で食料を確保している。

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