◎ルーマニアのワクチン接種率はEU加盟国の中で2番目に低く、接種を終えた人は11月2日の時点で約37%にとどまっている。
2021年11月2日/ルーマニア、首都ブカレストの大学病院(Andreea Alexandru/AP通信)

11月3日、コロナワクチンの展開に失敗したルーマニアの死亡者数は再び過去最多を更新した。

保健当局のまとめによると、2日の死亡者数は591人に達し、10月末の記録を大きく更新したという。新規陽性者数は先月中頃のピークから減少しつつあるが、それでも直近1週間の陽性者は1日あたり約12,000件を維持している。ルーマニアの人口は約1,900万人、累計感染者数は2日の時点で約167万件、累計死亡者は約48,000人。

ルーマニアのワクチン接種率はEU加盟国の中で2番目に低く、接種を終えた人は11月2日の時点で約37%にとどまっている。

保健当局は2日遅くの声明で、死亡した591人のうち541人がワクチン未接種者だったと明らかにした。

政府は医療システムの崩壊を防ぐために、先週からより厳しい制限を導入し、午後10時以降の外出を禁止した。営業を許可されている一部の店舗はワクチン接種証明書の提示を利用客に求めている。

<ルーマニアの制限 期間:10月25日~11月末>
・午後10時以降の外出禁止
・小売店の営業時間は午後9時まで
・すべての飲食店は30日間営業停止
・国内の学校は全て閉鎖
・公共の場でのマスク着用義務化

健康統計学者のオクタビアン・ジャーマ博士はAP通信の取材に対し、「ルーマニアの死亡率の高さは、ワクチンの展開失敗、コロナに対する政府の認識の甘さ、そしてワクチンとマスクを拒否した一部の国民がもたらした」と指摘した。「政府はコロナの危険性を国民に正しく発信せず、危機管理能力もゼロでした。効果的にコミュニケーションを取っているのは反ワクチン組織と反政府団体だけです...」

ジャーマ博士は、医療システムの崩壊を防ぐためにはワクチン展開の加速と基本的な感染予防対策の徹底が必要不可欠と述べ、国民に袖をまくり上げるよう呼びかけた。「私たちは病院が危機的な状況に置かれていることを認識しなければなりません。私たちの怠慢は医師と看護師に絶望的な圧力をかけています...」

保健当局によると、1日あたりのワクチン接種数は10月末に約15万回を記録したが、先週から減少に転じ、11月1日は約7.5万回だったという。

ワクチン接種率の低い他の中東欧諸国も陽性者と死亡者の増加に直面している。

EU加盟国で最も接種率の低いブルガリアの死亡者も過去最多を更新した。保健当局によると、直近24時間の死亡者310人の90%以上がワクチン未接種者だったという。ブルガリアの人口は約690万人、累計感染者数は2日の時点で約61万件、累計死亡者は約24,000人、ワクチン接種完了者は人口の約25%。

ブルガリアのストイチョ・カツァロフ保険証は3日の声明で、現在の感染状況を「国家災害」と呼んだ。

人口約420万人のクロアチアの死亡者もゆっくりと上昇しており、保健当局は首都ザグレブに新たなワクチン接種センターを開設した。ワクチン接種完了者は人口の約47%。

人口約200万人のスロベニアの直近1週間の陽性者は1日あたり約2,200件まで上昇した。地元メディアによると、主要都市の医療機関は不急の手術を全て停止し、コロナ患者用のスペースを増設したという。

スロベニア政府にコロナ対策を助言するロベルト・カロッタ博士は地元メディアのインタビューの中で、「陽性者と入院患者は過去に類を見ないペースで増加しており、この勢いが続けば医療機関は圧倒されるだろう」と語った。

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