◎オミクロン株が南アフリカで誕生したかどうかは不明。
2021年11月27日/イギリス、ロンドンの首相官邸、ボリス・ジョンソン首相(Hollie Adams/Pool/AP通信)

11月27日、イギリスは新しいコロナ変異ウイルス「オミクロン株」が国内で2例確認されたことを受け、マスク着用ルールと入国規則を強化した。

「懸念される変異株」に指定されたオミクロン株の登場で、「封鎖制限は予想より長く続く可能性がある」という懸念が世界中で急速に高まった。多くの国がオミクロン株を最初に確認した南アフリカからのフライトを停止している。

オミクロン株が南アフリカで誕生したかどうかは不明。

ボリス・ジョンソン首相は記者会見で、「的を絞った予防措置を講じる必要がある」と述べた。「今、私たちに求められていることは、新しい変異株の拡散を遅らせ、防御を最大化(ワクチンを接種)することです...」

BBCニュースによると、陽性と診断された2人はアフリカ南部に旅行していたという。2人と濃厚接触者の家族は隔離された。

規則の強化に伴い、イギリスに入国した個人は到着から2日以内にPCR検査を受けるよう求められ、陰性と診断されるまで「自己隔離」を維持する必要がある。オミクロン株に感染していた場合はワクチン接種の有無にかかわらず、10日間の自己隔離もしくは入院。

またジョンソン首相は、政府にコロナ対策を助言する諮問委員会の勧告に基づき、イングランドの飲食店と公共交通機関ではマスク着用が求められると述べた。罰則の有無についてはまだ明らかにされていない。

ジョンソン首相は記者団に、「ブースターキャンペーンを後押しする」と述べ、近いうちに児童の2回目接種を許可すると示唆した。

イギリスは入国制限のレッドリストにアンゴラ、マラウイ、モザンピーク、ザンビアの4カ国を追加し、入国を制限された国は合わせて10カ国になった。

米国、EU、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、タイなども世界保健機関(WHO)の勧告に基づき、アフリカ南部に対する渡航制限を強化した。

しかし、オミクロン株はすでに多くの国に拡散しているという懸念が高まっている。ワクチンの展開に成功したイスラエルでも陽性者が確認され、ベルギーと香港でも見つかった。ドイツ政府は疑わしいケースを確認したと報告し、オランダは南アフリカから到着した便の検査を進めている。

オランダの現地メディアによると、南アフリカから帰国した61人は空港近くのホテルに隔離されたという。

一方、南アフリカの外務省は各国の渡航禁止令を強く非難した。外務省は声明の中で、「世界はオミクロン株を特定した科学者を称賛しなければならず、罰してはならない」と述べた。

「現在起こっていることはワクチンの不平等を加速させた裕福な国の責任です。オミクロン株は裕福な国のワクチン買いだめの結果です。渡航禁止令は到底受け入れられません」

「渡航禁止令は科学ではなく政治に基づいています。それは大きな間違いです。オミクロン株はすでに3つの大陸で確認されています。なぜアフリカだけ封鎖するのですか?」

スポンサーリンク