◎デルタ亜種はアフリカの16ヵ国で確認されており、南アフリカの新規陽性者の50%以上を占めている。
2021年6月17日/ケニア、マチャコスの病院の集中治療室(Brian Inganga/AP通信)

7月2日、世界保健機関(WHO)はインドで最初に確認されたデルタ株の亜種がアフリカ大陸全体に広がり、新規陽性者数と死亡者数を押し上げていると警告した。

WHOのアフリカ地域ディレクター、マチディソ・モティ博士は声明で、「アフリカの第三波の速度と規模は第二波とは全く異なる」と述べた。

WHOのデータによると、最も深刻な状況にある南アフリカのコロナウイルスはデルタ亜種に置きかわりつつあり、症例数は3週間間隔でほぼ2倍に増加しているという。

デルタ亜種はアフリカの16ヵ国で確認されており、南アフリカの新規陽性者の50%以上を占めている。またWHOによると、ウガンダのサンプルの97%、コンゴ民主共和国のサンプルの79%がデルタ亜種だったという。

モティ博士は、「感染力の強いデルタ亜種の蔓延は、極めて深刻なアフリカの感染状況を新しいレベルに押し上げる」と述べた。「感染者の増加は死者の増加を意味します。また、感染拡大がより強力な変異種を生み出す可能性も否定できません。私たちは速やかに行動しなければなりません...」

アフリカ大陸のワクチン接種は遅れており、人口13億人のうち少なくとも1回接種した人は3%未満にとどまっている。

アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)によると、南アフリカの7月1日と2日の新規陽性者数は約半年ぶりに2万件を超えたという。累計感染者数は200万件を超え、アフリカ大陸全体(約550万件)の30%以上を占めている。

最大都市ヨハネスブルグの保健局は2日、医療従事者5,500人が追加派遣されたと述べた。ヨハネスブルグの病院の占有率は91%を超えている。

デルタ株およびデルタ亜種は世界中で猛威を振るっており、ワクチン接種率で世界をリードしているイギリスでも感染者が急増している。

<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/7月3日時点
アメリカ:3億2,800万回/54%
イギリス:7,800万回/66%
ドイツ:7,500万回/55%
イタリア:5,200万回/57%
フランス:5,400万回/50%
カナダ:3,700万回/68%
日本:4,600万回/24%
中国:12億6,000万回/45~50%(推定)
インド:3億3,500万回/20%
イスラエル:1,100万回/65%

世界:31億3,000万回/24%
アジア:19億4,000万回/24%
北米:4億3,600万回/43%
ヨーロッパ:5億1,100万回/41%
EU:3億6,700万回/51%
南米:1億8,600万回/30%
アフリカ大陸:5,100万回/3%

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