コロナウイルスの蔓延を防ぐため、ニューヨークでの検疫を検討中

 コロナウイルスの感染拡大が最も深刻なニューヨーク州に検疫が課されるかもしれない。27日、ドナルド・トランプ大統領は「ニューヨーク市がホットスポットになっている。検疫を実施したい」と語った。

 トランプ大統領はバージニア州の海軍病院船に出発する際、「ニュージャージー州とコネチカット州の特定の地域も検疫により隔離される可能性がある」と述べた。

 同日、プレス発表を開催していたクオモ州知事は、トランプ大統領の検疫発言に懸念を表明。「それはどのような法的拘束力を持つのか、また、それが本当に必要なことなのかは判断しかねる。確かなことは、州全土に検疫を課す考えには賛成しかねる、好きではない」と述べた。

他国の都市で実施されている検疫の例
広範囲に渡るエリアの完全封鎖
●封鎖エリア内への立ち入り制限、軍や警察の配備
●あらゆる施設の閉鎖、集会、外出の禁止など

 ニューヨーク州では主要な集会を禁止し、ウイルスの拡散を遅らせるために外出禁止令を発令している。しかしホワイトハウスは、ニューヨーク市を去る者は、14日間自己隔離すべきと指摘。近隣のロードアイランド州は、各地に州警部隊を配備、ニューヨークのナンバープレートをつけた車を止め、車内の状態をチェックしたという。

 強制的な国内検疫が実施される、という噂は以前からあったが、トランプ大統領がこの問題に言及したのは今回が初めてである。クオモ州知事は、連邦政府による強制的な州検疫の試みには問題があることを示唆している。

 大統領は強大な権限を持っている。しかし、コロナウイルス感染拡大を防ぐために率先して動くのは州政府、州知事の役目である。トランプ大統領が「先を急ぐ」命令を指示すれば、州政府は異議を唱えることも可能だ。

アメリカ国内におけるコロナウイルスの最新情報
27日時点の感染者数は112,100人、死者は1,800人以上
●ニューヨーク州での民主党大統領予備選挙を延期
●人工呼吸器の価格が急騰
●トランプ大統領、民間企業に人工呼吸器生産を指示
●トランプ大統領、2.2兆ドル(237兆円)の救済支援法案に署名

世界のコロナウイルス最新情報
●世界の感染者数が600,000人を突破、死者は30,000人(ジョンホプキンス大学による照会
●中國武漢の隔離措置が部分解除
イタリアの死者数が10,000人を突破
●スペインの死者数が5,000人を突破
●韓国の感染者数が増加傾向
●ロシア政府の指示により、国内のショッピングセンター、レストラン、カフェなどの施設が閉鎖

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