国連に加盟する193か国中、発症が確認されていない国は19か国

 1月12日以前、コロナウイルスは中国に限定された問題だった。しかし、1月13日にタイで初めて感染が確認されて以降、その波は世界中を覆い尽くし、大洪水/大パニックを引き起こした。

 4月3日、世界のコロナウイルス感染者数は100万人を突破、53,000人以上が死亡した。ウイルスは世界中で猛威を振るい、欧米は甚大な被害を受け、今なお被害は拡大しつつある。しかし、感染者、死者が増加していく中にあっても、まだ、コロナウイルスの発症が確認されていない国もある。

国連加盟国の中でコロナウイルスの発症を確認していない国は以下の19か国
コモロ連合、キリバス、レソト王国、マラウイ共和国、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、ナウル共和国、北朝鮮、パラオ、サモア独立国、サントメ・プリンシペ、ソロモン諸島、南スーダン共和国、タジキスタン共和国、トンガ、トルクメニスタン、ツバル、バヌアツ共和国、イエメン

 一部の国は、政府が情報を公にしていない、もしくは情報を統制できていない可能性も指摘されている。北朝鮮、長引く戦争で疲弊するイエメンがそうだ。

 訪問者の少ない島国には、コロナウイルスもまだ到達できていない。しかし、各国のリーダーは対策を怠っておらず、非常事態を宣言している国もある。

 太平洋上の島国、ナウル共和国は、キリバスの一部、バナバ島が最寄エリアである。間には320kmの太平洋が横たわっているので、空港を閉鎖すれば、外界からウィルスが持ち込まれることはまずない。なお、ナウル共和国のツアー関係者によると、年間の観光客数は約160人とのこと。

 ナウル共和国との直行便を結ぶ主要都市は、約4,000km離れたブリスベン(オーストラリア)のみ。3月中旬、ナウル航空はフィジー、キリバス、マーシャル諸島へのフライトを停止し、ブリスベン行きの便は2週間に1本に減便。ブリスベンから訪れた全ての人に14日間の検疫(隔離)が義務付けられている。

 ナウル共和国ライノル・エニミア大統領は、世界の情勢を踏まえたうえで、コロナウイルスの上陸を防ぐと語った。また、島国だから大丈夫と過信することなく、対策を継続すると明言した。

 キリバス、トンガ、バヌアツ共和国などの島国も、ナウル共和国と同じように非常事態宣言を発令し、コロナウイルスの上陸を防いでいる。危機が訪れる前から対策を打つ理由は、脆弱な医療システムを守るためだと、医療関係者は言う。一度島内にウイルスが入ってしまえば、先進国のように医療システムが整備されていないため、より悲惨な結果を招く可能性が高い。

 東アフリカ、内陸国のマラウイ共和国もウイルスの侵入を防ぎ続けている。政府はアフリカ大陸で発症が確認され始めた段階で非常事態を宣言。学校を閉鎖し、3月20日以前に発効したビザも無効とした。

 紹介した19か国は、先進国のように医療システムが確立されていない。これらの国々にコロナウイルスが侵入すれば、甚大な被害を受けることは明白である。しかし、外界とのネットワークを遮断/封鎖すれば、貿易も滞る。自国の商品を輸出している国、観光が産業を支えている国、条件は違えど、いずれ必ず封鎖を解除しなければならない日がくる。

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