学校の感染予防対策

コロナウイルスと戦うアメリカでは、「学校を再開させる」という話題が議論の的になっている。

しかし、感染をある程度抑え込み、感染予防対策を徹底している国にとって、子供を教室に戻すことはそこまで物議を醸すような話題ではない、のかもしれない。

ワシントン大学の子・学校・コロナウイルスに関する新しいレポートによると、カンボジア、アフガニスタン、ガーナ、中国などの国々がパンデミックの早い段階で学校を再開させ、その後、「再開が地域の感染拡大につながった」という証拠はほとんどなかったという。

多くの学校は対面従業の再開に伴い、「クラスの人数を減らす」「登校時間や授業時間をずらす」などの対策を実行している。

デンマークは、対面授業での感染リスクを抑えるために、クラスの人数を12人に制限した。

2020年4月29日 AP通信/デンマーク、コペンハーゲンのノレブロパーク小学校、社会的距離を確保する教師と生徒たち

ワシントン大学グローバルヘルスおよび疫学部助教授のブランドン・ガスリー氏はレポートの中で、「グループのサイズを制限すれば、感染を抑制し、制御できる」と述べている。

今秋、デンマークの学校は普通クラスの24人に増加された。

韓国では、5月にいくつかの調整を加えたうえで対面授業を再開した。

グループA(7年生)はオンライン授業、B(8年生と9年生)は対面授業、これを交互に行い、感染リスクを抑えることに成功した。

韓国の学生、ジホ・ユン氏はABCニュースの取材に対し、次のように述べた。

ジホ・ユン氏
私たちは交代で学校に行く。最初の週は7年生が学校で勉強し、8年生と9年生はオンラインで授業を受ける

2020年4月25 Getty Images/韓国、首都ソウル、西京大学の運動場、屋外で社会的距離を取る学生たち

ユン氏を含む韓国の学生は学校に登校する際、COVID-19症状トラッカー(スマートフォンアプリ)にチェックインし、1日5回検温チェックを受ける必要がある。

デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドでは、低学年を最初に戻すことが議論された。一方、ドイツは年長の生徒の方が社会的距離のルールをより効果的に守ると判断し、年齢に関係なく学校に戻している。

またウルグアイでは、オンライン授業にアクセスできない農村部の学校から再開を決めた。

学校の再開方法は地域の特性や学校の規模によっても異なる。なお、社会的距離の確保、マスク着用、手洗いうがいを遵守すれば、より大きな効果が得られることは言うまでもない。

【紹介した国の感染状況/10月21日時点】

累計感染者累計死者新規感染者
(直近)
アメリカ828万人22.1万人58,387
デンマーク36,373人688人453人
韓国25,333人447人58人
スウェーデン10.6万人5,922人676人
ノルウェー16,772人278人162人
フィンランド13,849人346人181人
ウルグアイ2,623人52人29人
ドイツ38.6万人9,882人6,868人
2020年9月16日 Getty Images/アメリカ、コネチカット州スタンフォード、教師はマスクとフェイスシールド、生徒はマスクを着用

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