Getty Images/ニューヨーク市

11月11日、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は、コロナウイルスの感染急拡大を受け、新たな制限を導入すると発表した。

ニューヨーク市は春のパンデミックでアメリカ最大の震源地になり、3月から5月の間に約18,000人が亡くなった。

デブラシオ市長は声明の中で、「第二波を止める最後のチャンスになる。私たちは今行動しなければならない」と市民に呼び掛けた。

新制限は11月13日に発効する。

ニューヨーク市の制限(11月11日時点)

レッドゾーン

学校:公立学校と非公立学校は全て閉鎖。オンライン授業に移行。

事業:重要でない事業は全て閉鎖。ニューヨーク州エンパイアステートデベロップメントコーポレーションによって指定された重要なビジネスのみ営業可能。

フードサービス施設:レストラン、バー、カフェ、その他のフードサービス施設は、テイクアウトと配達サービスのみ可能。屋内または屋外での食事は禁止。

礼拝所:最大10人まで、収容人数は25%以下を順守。

集会:禁止。集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

オレンジゾーン

学校:レッドゾーンと同じ。

事業:ジム、フィットネスクラブ、理髪店、ヘアサロン、スパ、タトゥーパーラー、ピアスパーラー、ネイルサロン、レーザー脱毛や電気分解などのパーソナルケアサービスは閉鎖 。

フードサービス施設:レッドゾーンと同じ。

礼拝所:最大25人まで、収容人数は33%以下。

集会:10人以下まで。集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

イエローゾーン

学校:授業を継続。

事業:継続。ただし、地域のコロナウイルス感染予防対策を順守。

フードサービス施設:屋内および屋外での食事を許可。テーブルの最大人数は4人。

礼拝所:収容人数は50%以下。

集会:最大25人まで。大人数の集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

アメリカの感染状況は確実に悪化しており、10日だけで61,964人が入院した

11月の新規陽性数は100万件を超え、累計感染者数は1,000万人を突破。これまでに約24万人が死亡した。

ジョー・バイデン氏が立ち上げた新コロナウイルス対策チームのメンバーは、「4週間から6週間のロックダウンでパンデミックを制御できる」と述べた。

委員のひとり、マイケル・オスターホルム博士はCBSニュースのインタビューの中で、「政府は封鎖中に失われた収入を補うことができる」と主張した。

マイケル・オスターホルム博士:
「過去10日間の新規陽性数は1日あたり10万件を軽く上回っており、春の第一波より深刻。さらに悪化する可能性もある」

「全国の病院が圧倒される前に手を打たなければならない」

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は11日の記者会見で、「ニューヨークは感染急拡大の潮流に乗っている」と述べた。

他の州の感染状況

ニューヨーク以外の州も、陽性記録を更新している。

テキサス州の累計陽性者数は、全国で初めて100万件を超えた

CBSニュースによると、イリノイ州、ウィスコンシン州、ミネソタ州、カリフォルニア州、フロリダ州などで陽性数が急増し、計15の州で入院患者が大きく増加したという。

アイダホ州やミズーリ州の病院では病室が足りず、患者を他のエリアに移送している。

Getty Images/テキサス州、ヒューストンの病院

11日、現コロナウイルス対策チームの最高顧問、アンソニー・ファウチ博士は、ファイザー社のワクチンの緊急許可プロセスが来週頃から始まると述べた。
米ファイザー社がワクチン臨床試験の早期分析結果を公開、患者の90%以上に有効

ファウチ博士はMSNBCの取材の中で、「ファイザー社と食品医薬品局(FDA)を信頼する」と述べた。

感染が急拡大する中、疾病予防管理センター(CDC)はマスクに関するガイダンスを更新。「マスクを着用すると、周りの人だけでなく着用者本人も保護する」と発表した。

CDCは、陽性と診断された2人の美容師が139人と接触したケースを紹介。そのうち67人を調べたところ、感染者はゼロだったという。なお、美容師と利用者はいずれもマスクを着用していた。

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