ドイツの全州は、コロナウイルスと戦うためにマスクの着用を義務化する計画を発表

ブレーメン州は、マスク義務化措置法案を24日の上院で可決する見込みである。これにより、ドイツの全州でマスクの着用が義務付けられることになる。ただし、それを必要とする場所、細かな条件などは州によって異なる。

ドイツ全土の公共交通機関を利用する際は、必ずマスクを着用しなければならない。また、ほとんどの州で買い物(スーパーマーケット)時のマスク装着を必須としている。先週、アンゲラ・メルケル首相はロックダウンを緩和した後のマスク着用を強く推奨した。

国によってマスクの取り扱い、ガイダンスは大きく異なる。オーストリアは4月初めに買い物時の着用を義務化した。ドイツのロバートコッホ研究所(RKI)によると、国内の感染者数は145,694人、死者は4,800人を超えたという。

死者数は現在増加傾向にあり、22日には1日で281人が死亡。前日の194人から大幅に増加したことで、政府は警戒を強めている。

22日、政府はドイツ連邦ワクチン研究所に対し、人間へのワクチンの臨床試験を承認。18歳から55歳までの健康なボランティア約200人に、アメリカの大手製薬会社「ファイザー社」とドイツの「バイオエヌテック社」が開発したワクチンのテストを行う予定だという。

各州のルールにバラつき

国内の16州全てが、公共交通機関利用時のマスク着用を必須としている。ただし、既に述べた通り、それを必要とする場所、細かな条件は州によって異なる。ベルリンでは、買い物時にマスクを装着しなくても良い(もちろん、しても良い)。

北部のメクレンブルク・フォアポンメルン州も同様である。同州では違反した者に対し、27ドル(約3,000円)の罰金を科すと発表した。なお、他の州は具体的な処罰を発表しておらず、今週末までには詳細が明らかになるものと思われる。

南西部のラインラント・プファルツ州では、5月初めの学校再開を目指し、州内の生徒に再利用可能なマスクを配布するという。バイエルン州でも、27日から7歳以上の全員にマスク着用が義務付けられる。

なお、ガイダンスにマスクの種類は指定されていない。バーデン・ヴュルテンベルク州のウィンフリート・クレッチマン州知事は、医療従事者は医療用マスクを、それ以外の者は布製、使い捨て、スカーフなどで顔を覆えば十分であると述べた。

マスクを巡る論争

世界保健機関は、「感染者」と「医療従事者」のみマスク装着が必要と公式に発表している。最も大切なことは、「社会的距離の確保」、「石鹸・アルコールによる手洗い」とガイダンスに明記。マスクの装着は、使用者に誤った認識を与える可能性があるため、推奨されていない。

しかし、欧州の多くの地域が公共交通機関やスーパーマーケットを利用する際のマスク着用義務化を開始している。ドイツだけでなく、オーストリア、チェコ共和国、スロバキアなども外出時の着用を義務化し、国民もそれを受け入れつつあるようだ。

マスクを装着していればコロナウイルスに感染しない、という誤った認識を広めてはならないが、飛沫感染を防ぐための防護になることは間違いない。医療関係者のマスクを確保したうえで、国民にもマスク着用を義務化する、この考えが欧州のトレンドになりそうだ。

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