◎最大都市シドニーを含むニューサウスウェールズ州の全地域はデルタ株の感染拡大に伴い、7月から封鎖されている。
2021年8月13日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニーの商業施設(Rick Rycroft/AP通信)

9月9日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州(NSW)はコロナウイルスの感染拡大を抑えるロックダウンから抜け出す計画を発表した。

最大都市シドニーを含むNSWの全地域はデルタ株の感染拡大に伴い、7月から封鎖されている。(シドニーは6月末にロックダウン)

州政府は9日の記者会見で「自由へのロードマップ」と呼ばれる計画を発表した。

計画によると、州内の成人の70%以上がコロナワクチンの接種を終えた時点でロックダウンは解除されるという。

グラディス・ベレジクリアン州首相は記者団に対し、「私たちはコロナワクチンが社会の大部分に行き渡った後も、地域内にコロナウイルスが存在することを認識しながら生活しなければならない」と強調した。

ベレジクリアン州首相はロックダウンの解除時期は明らかにしなかったが、目標の70%に達した次の週の月曜日に解除されると述べた。また、州内の学校は10月25日に再開すると明らかにした。

NSWでワクチン接種を終えた人は成人人口の約43%、少なくとも1回接種した人は75%に達しており、来月には目標値に達する可能性が高いと見込まれている。

ロックダウン解除後、営業を許可される施設とイベントは州政府が定めた距離制限とルールを遵守する必要がある。

ベレジクリアン州首相は、「ワクチン接種を終えた人だけが特権にアクセスできるだろう」と強調した。

<許可されるもの>
・友人や知人宅への訪問(訪問者の上限は5人)
・20人以下の個人的な野外集会(バーベキューなど)
・相乗り
・州内の移動

<営業を許可される施設、イベント>
・レストラン、カフェ、バー
・小売店
・ジム、レクリエーション施設、スポーツ施設
・美容院、ネイルサロン
・映画館、美術館、劇場
・教会と礼拝所(歌うことはできない)
・スタジアム、競馬場、テーマパーク
・屋外イベントの参加者は500人以下
・結婚式と葬式は50人以下

州政府はワクチンパスポートの詳細をまだ明らかにしていないが、スマートフォンのアプリと紙の証明書の2つを準備していると伝えられている。

連邦政府は先月、全国のワクチン接種率が70%から80%に達した時点でロックダウンを解除するという国家計画を発表した。

しかし、デルタ株の侵入を抑えているクイーンズランド州や西オーストラリア州などはワクチン接種の目標値をもっと高くすべきと主張し、国家計画は受け入れられないと述べた。

保健当局のまとめによると、全国で少なくとも1回ワクチンを接種した人は成人人口の約64%。

連邦政府はファイザーワクチンを確保するために他国(イギリス、シンガポール、ポーランド)とのスワップ取引を活用して週の供給量を約1,000万回まで増やすことに成功した。

しかし、スコット・モリソン首相はファイザーワクチンの早期確保に失敗し、アストラゼネカワクチンに頼らざるを得なかったと批判されている。

2021年8月21日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニーの抗議デモ、抗議者を抑え込む警察官たち(Steven Saphore/AAP/AP通信)
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