◎封鎖は5月27日の深夜に始まり、7日間続く予定。
2021年5月26日/オーストラリア、ビクトリア州(EPA通信)

現地メディアによると、オーストラリア南部ビクトリア州は、州都メルボルンでコロナウイルスが急速に拡大していることを受けて、4回目のロックダウンを開始するという。

封鎖は5月27日の深夜に始まり、7日間続く予定。

ビクトリア州の保健当局は、過去数日の間に確認された新規陽性者26人の行動経路を調査し、州内の150以上の施設を利用した人々に注意を呼びかけた。

ビクトリア州は昨年7月に発生した第二波で深刻な被害を受けたが、ロックダウンと感染予防対策を徹底し何とか感染を抑え込んだ。

同州のジェームズ・メルリーノ副首相は、「インドで最初に確認された変異種B.1.617が感染拡大に関係している」と述べた。「今回の感染拡大は、昨年7月の勢いを上回っています」

地元メディアによると、メルボルンのスタジアムで開催されたサッカーの試合を含む複数のイベントで新規陽性者が確認されたという。

メルリーノ副首相は、「新規陽性者の行動を追跡調査した結果、150以上の施設を危険エリアと判断した」と述べた。「期間中に当該施設を利用した人は数万人にのぼります。私たちには時間がありません」

2021年2月21日/オーストラリア、シドニーのワクチン接種会場、スコット・モリソン首相(ゲッティイメージズ/AFP通信)

ロックダウン中、ビクトリア州の住民は必要不可欠な外出(仕事、買い物、介護など)を除き、原則自宅にとどまるよう求められる。集会やイベントは禁止、移動は自宅から5km圏内に制限される。

学校は対面授業からオンライン授業に移行するが、必要不可欠な仕事(医療、インフラ、運送関係など)に従事する労働者の子供は学校で授業を受けることができる。営業を継続できる施設は必要不可欠と判断される店舗のみ。

ビクトリア州の累計感染者はオーストラリアの総数の約70%、累計死亡者は約90%を占めている。

地元メディアによると、最近の感染拡大は、南オーストラリア州のアデレード空港の検疫で陰性と診断された海外旅行者から広がった可能性が高いという。連邦政府は現在、海外からオーストラリアに入国した人に14日間の強制検疫を課している。検疫を終えた当該旅行者はメルボルンに戻ってから6日後に症状を発症し、陽性と診断された。

連邦政府は厳格な国境管理、部分的なロックダウン、検疫措置を徹底することでコロナウイルスの感染拡大を抑え込んできた。

しかし、ビクトリア州のメルリーノ副首相は声明の中で、「ワクチンの展開は私たちが期待してよりもはるかに遅かった」と連邦政府を非難した。「ワクチンが大きな効果を発揮することは各国の感染状況を見れば一目瞭然です。しかし、私たちは大きく遅れを取っています...」

オーストラリアはワクチンの確保と接種体制の構築に苦労しており、さらに一部の団体はワクチン抗議デモを開催することで混乱を引き起こし、市民の不安を煽っている。同国で少なくとも1回ワクチンを接種した人は、5月27日時点で人口の約13%にとどまっている。

<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/5月27日時点
アメリカ:2億8,800万回/49%
イギリス:6,200万回/57%
ドイツ:4,600万回/41%
イタリア:3,200万回/36%
フランス:3,400万回/35%
カナダ:2,200万回/53%
日本:1,000万回/6%
AUS:370万回/13%
中国:5億4,700万回/25%
インド:1億9,600万回/11%
イスラエル:1,100万回/63%

世界:17億4,000万回/10%
アジア:9億1,700万回/5%
北米:3億4,700万回/36%
ヨーロッパ:3億3,300万回/30%
EU:2億2,900万回/36%
南米:1億1,100万回/17%
アフリカ大陸:2,900万回/2%

スポンサーリンク