キルギス共和国/国旗

目次

 基本情報

 政治

 渡航情報

 マスメディア

 軍隊

 歴史
  ・1700年代
  ・1800年代
  ・1900年~第一次世界大戦

  ・第一次世界大戦~第二次世界大戦
  ・終戦から現在

 文化

 スポーツ

 その他

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国名:キルギス共和国(Republic of Kyrgyzstan)

首都:ビシュケク(Bishkek)

人口:5,964,897人(2021年推定)

面積:198,500㎢(北海道の2.4倍)

気候:大陸性気候
・気温は地域によって大きく異なる。
・標高の高い地域は真夏でもかなり涼しい。
・内陸部は乾燥しているが、砂漠はない。
低地(500~1,000m)の夏場の平均気温は17~20℃
・低地の冬場の平均気温はマイナス7℃前後。かなり寒い。
・高地の冬場の平均気温はマイナス15~27℃。
・中国との国境付近の山(標高5,000~7,500m)には年中雪が積もっている。
・国内の歴代最低気温はマイナス53.6℃。
・年間降水量は地域によって大きく異なる。多い地域は2,000mm以上。

経済:
・開発途上国
・主要産業は農業とサービス。
・国内の消費電力の90%を水力発電で賄っている。
GDPは85ドル(2019年推定)
・ソビエト連邦崩壊(独立)直後の経済の低迷を何とか乗り切った。
・GDPの伸び率は1994年から3%台を維持している。
・主要農作物はジャガイモ、トウモロコシ、小麦、大麦。
・埋蔵資源(金、水銀、ウランなど)の開発および発展に力を入れている。

人種:
・キルギス人 73.2%(2019年国勢調査)
・ウズベク人 14.6%
・ロシア人 5.8%
・トンガン人 1.1%
・その他 5.3%

言語:
・キルギス語 71.4%(公用語:2019年国勢調査)
・ウズベク語 14.4%
・ロシア語 9%(公用語)
・その他 5.2%
・英語を使う市民は少ない。

宗教:
・イスラム教 85.7%(2019年国勢調査)
・キリスト教 7.4%
・その他 0.3%
・無宗教 6.0%
・不明 0.9%

キルギス共和国

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暫定大統領:タラント・マミトフ(Talant Mamytov)
暫定首相:アルテム・ノビコフ(Artem Novikov)

政治体制:共和制
・国家元首は大統領。任期は6年。
政治家の汚職が蔓延しており、スキャンダルの都度、大規模な暴動が発生する
・公平な選挙を保証していない。
・一院制。(議員定数:120人)
・第一党は社会民主党。
・2020年10月の議会選挙における大規模な暴動で連邦議会および施設が野党支持者に占領され、大統領および多数の政府高官が辞任した。
・サディル・ジャパロフが2021年1月の大統領選挙を制した。
・野党支持者は与党勢力による選挙の不正を厳しく取り締まり、悪質な行為が確認されれば数千~数万人で議会を占領する。

法律:キルギス共和国の憲法
・憲法腕司法権の独立を保障している。
・裁判所は「最高、控訴、地方」の3種に分類される。
・ソビエト連邦時代のシステムは全て廃止した。

2021年1月10日 EPA/キルギス共和国、首都ビシュケク、サディル・ジャパロフ氏

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渡航情報:
外務省ホームページ
・渡航中止勧告発令中(2021年1月時点)
コロナウイルス注意情報発令中(2021年1月時点)

治安:かなり悪い
・西部地区にイスラム過激派組織グループの潜伏地がある。
・ウズベキスタンおよびタジキスタン当局との小競り合いが続いているため、国境付近には近づかない。
・野党勢力などによる抗議活動の発生している地域には近づかない。
・近年テロ攻撃は発生していない。
・2020年10月の議会選挙に伴う暴動で過激な野党支持者が議会を占拠した。
・流しのタクシーには乗車しない。
・徒歩で移動する際は、強盗、強姦、窃盗に注意。
・銃器を使った犯罪が多発している。
・夜の繁華街は危険がいっぱい。極力出歩かない方がよい。

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・新聞社は30社ほど。そのうち8社が国営。
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は20局。
・ラジオ局は40局ほどと伝えられている。
・憲法で報道と言論の自由を保障している。
政府に批判的なジャーナリストは陰湿な嫌がらせを受ける
・政府に批判的な報道をするメディアは嫌がらせを受ける。
・主要メディア媒体はラジオ。テレビの普及率は約15%。
・インターネットの普及率は約34%。
・検閲はない。(憲法で禁じている)

【国営メディア/設立年】
・キルギス公共放送公社 1958年

【民間メディア】
・5カナル
・アプレルTVHD
・ライフテレビHD
・NTVキルギスタン

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2021年軍事力ランキング:93

・軍人数:11,000人(推定)
  即戦力 11,000人
  予備兵 0人

・陸軍と空軍を保有。

・国防予算:2,000万ドル

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1700年代

・1700年代、現在のキルギス共和国および周辺国は、清王朝の支配下に置かれていたと伝えられている。

・キルギスの部族は迫りくる敵と戦い、北部の民族同盟軍は清王朝の軍も全てはじき返したと伝えられている。

・キルギス南部の部族は他国の支配に屈し、他民族を受け入れた。

・1700年代後半、部族のリーダーたちはロシア帝国に使者を送り、清王朝を退けるよう依頼した。

1800年代

・清王朝はキルギスの部族に何度も攻撃を仕掛けたが、領土を完全に支配することはできなかった。

・1800年代中頃、ウズベク人の王国、コーカンド・ハン国がキルギスに侵攻した。

・1800年代後半、清王朝はロシア帝国とカシュガル条約を結び、現在のキルギス共和国の東部をロシアに割譲した。

1876年、ロシア帝国はキルギスおよび周辺国を併合した

・ロシア帝国の侵攻を受け、多くのキルギス人が中国やアフガニスタンなどに移住した。

キルギス共和国/風景

1900年~第一次世界大戦

・キルギスの民族ははロシア帝国の支配に抵抗し続けた。

・1914年7月、第一次世界大戦勃発。

・1916年、キルギスと他の中央アジア諸国はロシアの徴兵命令に抵抗し、大規模な抗議を決行した。

・ロシアは徴兵命令の拒否を反逆罪と見なし、力で抗議活動をねじ伏せ、数千~数万人を虐殺した。

・1917年、2月革命。その後、ロシア帝国は崩壊し、キルギスは「トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国」にの一部に組み込まれた。

・1918年11月、第一次世界大戦終結。

第一次世界大戦~第二次世界大戦

・1924年10月14日、ソビエト領「キルギス自治州(KAO)」設立。

・1920年代、KAOはソビエトの文化、教育、思想を取り入れ、大きく発展した。

・スターリンはKAOのソビエト社会主義政策の導入を高く評価したと伝えられている。

・1924年、KAO自治政府はアラビア語をベースにした新キルギス語アルファベットを教育に導入した。

・1926年2月11日、「キルギス自治社会主義ソビエト共和国(キルギスASSR)」設立。

・1928年、キルギスASSR自治政府は新キルギス語アルファベットを公用語に設定し、ラテン文字の使用を禁じた。

・1936年12月5日、「キルギスソビエト社会主義共和国(キルギスSSR)」設立。

・スターリンに反発する活動家は厳しく取り締まりに直面したが、民主化を求める者たちは秘かに活動を続けた。

・1930年代、キルギスSSR自治政府はインフラの整備に力を入れ、都市部で生活する市民の生活は大きく改善した。

・キルギスSSRは第二次世界大戦に直接関与していない。

終戦~現在

・1950年代、政府に批判的なマスコミは厳しい取り締まりを受けた。

・ソビエトの文化の流入と都市部の開発が進んだことで、キルギス本来の文化、宗教、思想は少しずつ薄れていった。

・戦後、都市部は大きく発展したが、遊牧民族は自分たちの生活スタイルを貫き通した。

・1985年3月、ミハイル・ゴルバチョフがソビエトの新書記長に就任。

キルギスSSR自治政府はペレストロイカに触発され、政府機関を少しずつ改革し始めた

・1989年、深刻な住宅危機への対処を訴えたいくつかの政党が、初めて政治活動を許可された。

・1990年2月、共産党以外の政党が初めて議会選挙に立候補した。しかし、共産党が有効票の90%を獲得し、民主化勢力に圧勝した。

・1990年5月1日、民主化を求める野党グループが大規模な抗議運動を決行。

・1990年5月25日、民主化を求める野党グループがキルギスタン民主運動を設立。

・1990年6月、ウズベク人とキルギス人の民族間の緊張が高まり、暴力的な争いが各地で発生した。

・1990年10月27日、大統領選挙。改革派のアスカル・アカエフが共産党の候補者を破り、大統領に就任した。

・1990年12月15日、最高議会はキルギスSSRを「キルギス共和国」に変更することに合意した。

・1991年2月5日、首都の名称をビシュケクに変更。

・1991年3月、国民投票。有権者の88.7%がソビエト連邦体制の維持を支持した。

・1991年8月19日、国家非常事態委員会がモスクワでクーデターを起こし、キルギスSSRでもアカエフ大統領を追放しようとする動きが起きた。

・1991年8月22日、国家非常事態委員会のクーデターは失敗に終わり、アカエフ大統領と副大統領はソビエト連邦共産党(CPSU)から脱退すると宣言した。

・1981年8月31日、最高議会がソビエトからの独立を許可。

・1991年10月、大統領選挙。アカエフ大統領が95%の支持を集め、再選を果たした。

・1991年12月21日、キルギスSSRは他の中央アジア諸国と共に独立国家共同体(CIS)を結成した。

・1991年12月25日、「キルギスタン共和国」が独立を宣言。

・1992年、国連と欧州安全保障協力機構(OSCE)に加盟。

・1993年5月5日、国名をキルギスタン共和国から「キルギス共和国」に変更。

・2005年3月、野党支持者が議会選挙の結果に反発し、大規模な抗議活動を決行。首都ビシュケクと議会を制圧した。(チューリップ革命)

・2005年4月4日、アカエフ大統領辞任。野党連合が力づくで政権を奪取し、クルマンベク・バキエフが大統領に就任した。

・2010年4月6日、政府の腐敗に抗議する集会が全国各地で発生した。その後、抗議者は首都ビシュケクの議会、国営テレビ局、ラジオ局、大統領事務所を占領した。

・2010年4月7日、バキエフ大統領が非常事態を宣言。警察と治安維持部隊の取り締まりにより、100人以上が死亡、500人以上が負傷、多くの野党指導者が逮捕された。

・2010年4月8日、元外相のローザ・オトゥンバエヴァ率いる暫定政府が首都ビシュケクと政府施設を占拠したが、バキエフ大統領は辞任しなかった。

・2010年4月15日、バキエフ大統領一家がカザフスタンに亡命。オトゥンバエヴァが大統領に就任した。

・暫定政府樹立後、各地で民族間の抗争が発生し、200人以上が死亡したと伝えられている。

・2011年10月、大統領選挙。アルマズベク・アタンバイエフが大統領に就任。

・2017年11月、大統領選挙。ソーロンバイ・ジェーンベコフが大統領に就任。

・2020年10月、議会選挙の結果に野党支持者が反発し、大規模な抗議活動を決行。抗議者および野党指導者は首都ビシュケク、議会、大統領府を占領した。

・抗議者たちは2010年に投獄されたサディル・ジャパロフを含む野党指導者を解放した。

・2020年10月15日、ジェーンベコフ大統領辞任。

・2021年1月、大統領選挙。サディル・ジャパロフが勝利した。

10月9日 Getty Images/キルギス共和国、首都ビシュケク、石と土の塊を投げる抗議者たち

文化(目次に戻る

・ロシアおよびイスラム教の影響を強く受けている。

・キルギスの料理は隣国(ウズベキスタンやタジキスタンなど)とよく似ている。

・羊肉と馬肉を好んで食べる。

花嫁誘拐(強制結婚、レイプ)と呼ばれる危険な伝統が残っている(違法)

・花嫁誘拐で結婚せざるを得なかった女性の割合は40~60%と推定(2019年調査)されている。

・花嫁誘拐の誘拐犯が起訴されることは滅多にない。

キルギス共和国/モスク

スポーツ(目次に戻る

・一番人気はサッカー。

・その他の人気スポーツはレスリング、アイスホッケー、乗馬、チーズ作りなど。

・オリンピックでの獲得メダル数は4個。金メダルはなし。

【有名スポーツ選手】

・エイディン・スマグロフ(Aidyn Smagulov)柔道選手、初のオリンピックメダリスト。

その他(目次に戻る

市民は政治家の汚職を嫌い、何か問題があれば激しい抗議活動で不正に対抗する

キルギス共和国/パミール山脈
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