イスラエルの国旗

目次

 基本情報

 政治

 渡航情報

 マスメディア

 軍隊

 歴史
  ・1700年代
  ・1800年代
  ・1900年~第一次世界大戦
  ・第一次世界大戦~第二次世界大戦
  ・終戦から現在

 文化

 スポーツ

 その他

基本情報(目次に戻る

国名:イスラエル(israel)

首都:テルアビブ(Tel Aviv)

人口:8,424,904人(2020年推定)

面積:22,072㎢(北海道の4分の1)

気候:北と南で大きく異なる
・北エリアは雨が多く、南は少ない。
・降雨量の少ない年には深刻な水不足が発生する。
・沿岸地域の年間平均気温は16~29℃、過ごしやすい。
・山間部は涼しく、冬には雪が降ることもある。
・自然は非常に豊富、2,800以上の植物種が確認されている。

経済:
・先進国
主要産業はハイテク産業と工業
・優れた近代的なインフラを有す。
GDPは約3,946億ドル(2019年)
・国内のハイテク産業はシリコンバレーと同等の競争力を誇る。
・スタートアップ企業の数は世界2位。
・NASDAQ上場企業数は世界3位。
・輸入は石油と天然ガスが大多数を占める。
・ハイテク・石油・天然ガスの組み合わせで、中東の石油大国(サウジアラビア、UAEなど)と渡り合っている。
・世界の超一流投資家に注目されている。(ビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏、トランプ大統領など)
・観光産業にも力を入れている。2017年の外国人観光客は約360万人。

人種:
・ユダヤ人 75%
・アラブ人 21%
・その他 4%
・世界で唯一のユダヤ人多数派国家。

言語:ヘブライ語(公用語)
・アラビア語も定着している。
・英語、フランス語、ロシア語など様々な言語が浸透している。
非公用語の中で最も使われている言葉はロシア語
・大半の国民は基本的なレベルの英語を話せる。

宗教:ユダヤ教が大多数を占める
・ユダヤ教 75%
・イスラム教 20%
・キリスト教 2%
・その他 3%

イスラエル

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大統領:ルーベン・リブリン(Reuven Rivlin)
首相:ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu

政治体制:議会制民主主義
統治者は首相、大統領の権限は限られている
・閣僚の任命、交代は首相が決める。ただし、いかなる場合もクネセト(立法府)の承認を得なければならない。
・クネスト(120人)の任期は4年、ただし、1988年の総選挙以来、4年間の任期が守られたことはない。
・有権者は政党に投票する(総選挙)。すなわち、リスト内のクネスト候補者の順序に影響を与えることはできない。
・選挙区はない。
・参政権は18歳以上のイスラエル国民に与えられる。
・6つの地区(地方自治体)に分かれている。

法律:
・国は11の基本法で運営されており、憲法はない。
・司法裁判所は地方判事裁判所、地方裁判所、最高裁判所に分類される。
・宗教裁判所は家庭や宗教間の問題などを審理する。
・労働裁判所は雇用、ストライキなどの問題を独占的に審理する権限を持っている。
・軍事裁判所、海事裁判所などもある。

イスラエルはエルサレムを首都と見なしている

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渡航情報:
外務省ホームページ
・渡航の際は十分注意。(2020年10月時点)

治安:繁華街は比較的安全
・ガザ地区との境界付近は危険。
・ヨルダン川西岸地区付近は危険。
・レバノンとの国境付近の治安も悪い。
・その他の地域は比較的安全だが、油断はできない。
・繁華街エリアは比較的安全。ただし、イスラム国やスンニ派過激派組織のテロの標的になる可能性もあるため、注意が必要。

マスメディア(目次に戻る

・新聞、雑誌はヘブライ語が主流。
・国営テレビ局は1社、民間は数十社。
・ラジオ局は数十社。
・インターネットは市街地であれば大概利用できる。
・検閲は厳しくない。
報道の自由は基本法および司法機関によって保障されている

【国営メディア/設立年】
・イスラエル公共放送 2017年

【その他メディア】
・チャンネル9(ロシア語)
・チャンネル10(ヘブライ語)
・チャンネル20(同上)
i24ニュース(フランス語、英語、アラビア語に対応)
・その他多数

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2020年軍事力ランキング:18位

・軍人数:615,000人(推定)
  即戦力 170,000人
  予備兵 445,000人

・陸・海・空軍を保有。主力は陸軍。

・国防予算:200億ドル

イスラエル/軍人

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1700年代

・「イスラエルの地(パレスチナ)」はオスマン帝国の支配地だった。

・オスマン帝国のスルタン(君主)は、ヨーロッパの異端審問から逃れたユダヤ人を保護、イスラエルの地に定住させた。

・その後、優秀なユダヤ人たちは同地と周辺のコミュニティを支配した。

・イスラエルの地に定住したユダヤ人の住居は、四つの聖なる都市「聖地エルサレム、ヘブロン、セーフド、ティベリア」に集中した。

・セーフドとティベリアはドゥルーズ派(イスラム教)の反乱で破壊された。

・オスマン帝国が繁栄を続ける一方、ユダヤ人たちは厳しい弾圧と迫害に悩まされていた。

・1799年、フランス軍を率いるナポレオンがイスラエルの地を占領、ユダヤ人に国家を建設するよう求める宣言を計画した。しかし別の戦いに敗れたことで、この宣言は中止された。

1800年代

・19世紀、西ヨーロッパからイスラエルの地に渡ったユダヤ人は、市民権と法の下の平等を与えられた。

・1831年、オスマン帝国を去ったスルタンのひとり、ムハンマド・アリは、イスラエルの地の一部、オスマン・シリアを征服した。

・1834年、オスマン・シリアでアラブの反乱が発生。ムハンマド・アリに対抗する反政府勢力は、同地のキリスト教徒とユダヤ人を虐殺した。

・アラブの反乱を制圧したムハンマド・アリの息子、ムハンマド・パシャは、反政府勢力とそれに加担した農民約10,000人をエジプトに追放。その後、忠実なエジプトの農民と兵士をオスマン・シリアに配備した。

・1838年、ドゥルーズ派の反乱が発生する。

・1839年、ムハンマド・パシャはオスマン・シリアにユダヤ人の村を設立する契約をオスマン帝国のスルタンと交わす

・1844年、ユダヤ人は聖地エルサレムに最大のコミュニティを形成した。

・ユダヤ人は1896年まで聖地エルサレムの大多数を占めた。一方、パレスチナ(イスラエルの地)の総人口の88%はイスラム教徒だった

・1882年以降、約35,000人のユダヤ人が聖地エルサレムを含むパレスチナに移住した。

・1897年に設立された世界シオニスト組織は、「パレスチナにユダヤ人国家を作る」と宣言した。しかし、同組織はオスマン帝国のスルタンに受け入れられず、発展することはなかった。

1900年~第一次世界大戦

・1904年から1914年の間に、約40,000人のユダヤ人がパレスチナに移住した。

・世界シオニスト組織はパレスチナの都市、ヤッファにユダヤ人のための事務所(エレツイスラエル)を設立、移住と定住政策を加速させた。

・パレスチナへのユダヤ人移民の多くは、厳しい迫害の続くロシア帝国から逃れてきた者たちだった。

・1914年、第一次世界大戦が始まる。

・ユダヤ人はロシア帝国を主な敵と見なしていたため、ドイツを支持した。

・イギリスはヨーロッパで生活するユダヤ人の支援を求めた。また、アメリカのユダヤ人に対しても、同様の支援が確保できると望んでいた。

・1914年から1915年、オスマン帝国の司令官は、パレスチナの都市ヤッファから14,000人以上のユダヤ人を追放。イギリスに内部から切り崩されると警戒し、世界シオニスト組織とパレスチナを引き離した。

・1917年11月2日、イギリス政府は「パレスチナ国内におけるユダヤ人国家の設立を支持する」と宣言した。(バルフォア宣言)

・パレスチナ(イスラエルの地)を含む新しい中東の国境は、イギリスとフランスのサイクス・ピコ条約(1916年)で決定された。

世界シオニスト組織の志願兵などで構成されたユダヤ軍は、イギリスの侵略に参加した。

・ドイツ(オスマン帝国)の敗北後、パレスチナは戒厳令下に置かれる。

イスラエル/ユダヤ砂漠

第一次世界大戦~第二次世界大戦

・1922年、国際連盟はバルフォア宣言を含むイギリス委任統治領を認め、1923年に発効。パレスチナはイギリスの統治下に置かれた。

・1929年、イギリス政府はユダヤ教にとって最も神聖な場所であるコテル(嘆きの壁)でのイスやカーテンの使用を禁じ、多くのユダヤ人がこれに反発した。

・1929年8月、パレスチナ暴動勃発。コテルをめぐるイスラム教徒とユダヤ教徒の衝突により、数百名が死亡したと伝えられている。

・1933年、シオニスト組織とナチスがハーヴァラ協定を結ぶ。これにより、約50,000人のドイツ系ユダヤ人がパレスチナに移送された。なお、ナチスはその見返りに1,400万ポンド相当のドイツ製品をシオニスト組織に購入させた。

・1929年から1938年の間、約25万人のユダヤ人がパレスチナに移送された。

・ヨーロッパの各地にファシスト政権や組織が誕生し、ユダヤ人は迫害された。

・ユダヤ人はヨーロッでの権利をことごとく失い、非市民として扱われた。

・1936年、大量のユダヤ人移民とナチスのプロパガンダを受け、パレスチナでアラブの反乱が発生。シオニスト組織を含むイギリス軍はイスラム教徒の暴動を抑え込んだ。

・ヨーロッパで生活する数百万人のユダヤ人は、パレスチナへの移住を求めた。

・1939年、イギリスはパレスチナへのユダヤ人の受け入れを停止する。

・1945年、イスラエルの地(パレスチナ)のユダヤ人の割合は30%以上だった(推定)。

終戦~現在

・1944年から1948年、シオニスト(ユダヤ人)はイギリスからの独立を求め戦った。

・1946年6月、イギリスのアガタ作戦により、パレスチナのユダヤ人約2,700人が逮捕される。

・1946年7月、ホロコーストを生き延びたユダヤ人の一部がパレスチナに向かう。その後、ユダヤ民族軍事機構(Irgun)は聖地エルサレムのイギリス軍本部を爆撃、91人を殺害した。(キング・デイヴィッド・ホテル爆破事件)

・1947年4月2日、イギリスは国連にパレスチナ問題の処理を要請。要請を受けた国連は、「国連パレスチナ特別委員会(UNSCOP)」を設立した。

・1947年11月29日、国連で「パレスチナ分割計画」の採択を勧告する決議採択後、パレスチナ内戦が勃発する。

・1948年5月14日、イギリスのパレスチナ委任統治権が失効。「イスラエル」は独立を宣言し、アメリカのトルーマン大統領とソビエトのスターリン書記長が新国家を承認した。一方、アラブ連盟(エジプト、トランスヨルダン、シリア、レバノン、イラク)はこれを却下し、アラブ人の権利を宣言した。

・1948年5月15日、アラブ・イスラエル戦争(イスラエルvsアラブ連盟)勃発。

・第二次世界大戦の退役軍人やホロコーストを生き延びた多くのユダヤ人がイスラエルに移住。イスラエル国防軍(IDF)に加わった。

・1949年、アメリカの後ろ盾を得たイスラエルは、エジプト(2月24日)、レバノン(3月23日)、ヨルダン(4月3日)、シリア(7月20日)と休戦協定を締結。ただし、和平協定は調印されていない。

・1947年~1949年、イスラエル人は約73万人のパレスチナ人を国外に追放した。

・1948年~1958年、イスラエルのユダヤ人人口は倍増。総人口は80万人から200万人に増加した。一方、パレスチナ人を含むアラブ人の居場所はなくなり、多くがコミュニティを追われた。

・1956年10月29日、イスラエル軍はイギリスとフランスの支援を受け、エジプトに攻撃を仕掛けた。(スエズ危機)これに対しアメリカとソビエトは非難声明を発表。イスラエル、イギリス、フランスは11月7日にしぶしぶ停戦を受け入れた。

・1967年6月5日、第三次中東戦争勃発。戦いはわずか6日で終結、停戦に至った。なお、イスラエル空軍はエジプト、ヨルダン、シリア空軍を破壊。アラブ連盟は敗走し、国連安保理決議235および236を受け入れ、停戦に合意した。

・1972年9月、ミュンヘンオリンピックに参加する予定だったイスラエル代表選手11人がパレスチナのテロリストグループ「黒い九月(BSO)」に殺害された。

・1973年10月6日、第四次中東戦争勃発。アメリカのサポートを受けたイスラエルの死者数は約3,000人、アラブ連盟は数万人を失った。イスラエルの勝利。

・1973年10月、アラブ石油輸出国機構は、イスラエルを支援していると見なされる国に対する石油の禁輸措置を発動した。(1973年の石油危機)

・1978年、南レバノン紛争(イスラエルvsパレスチナ)勃発。イスラエルの勝利。

・1982年、レバノン戦争(イスラエルvsパレスチナ他)勃発。イスラエルの勝利。

・1985年、南レバノン紛争(イスラエルvsシーア派過激派組織ヒズボラ)勃発。イスラエル軍は2000年に南レバノンから撤退、ヒズボラの勝利。

・1990年8月2日、アメリカはパレスチナの過激派グループを支援するイラクに宣戦布告、湾岸戦争勃発。これに対しイラクはクウェートに侵攻、39発のスカッドミサイルをイスラエルに撃ち込んだ。

・1991年2月28日、湾岸戦争終結。

・1993年9月13日、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)はホワイトハウスでオスロ合意(原則宣言)に署名。

・1994年7月25日、イスラエルとヨルダンはホワイトハウスでワシントン宣言に署名。

・1994年10月26日、イスラエル・ヨルダン平和条約締結。

パレスチナのテロ、ヒズボラの攻撃は平和条約締結後も一向に止まず

・2006年7月、イスラエル・ヒズボラ戦争勃発、両軍が勝利を主張し、8月に停戦。

・2008年12月、ガザ戦争(イスラエルvsガザ地区のパレスチナ民兵組織ハマスなど)勃発。イスラエルの勝利。

・2014年7月、ガザ戦争(イスラエルvsガザ地区のパレスチナ民兵組織ハマスなど)勃発。イスラエルの勝利。

・2017年12月6日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムと認める。これに対し、ガザ地区で大規模な抗議活動が行われた。

文化(目次に戻る

・ユダヤ文化発祥の地。

聖地エルサレムはイスラエルの主要な文化の中心地

・200以上の美術館があり、国民一人当たりの数は世界一。

・ほぼすべての都市が独自のオーケストラを持っており、最も有名なイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団は世界中で活躍している。

・イスラエルの映画・製作者・俳優は、ハリウッドに欠かせない存在になった。

・政府は教育に力を入れており、国全体の教育費用の80%近くが公的資金で賄われている。

・イスラエル料理はユダヤ教の要素を強く受けている。

・近年は、他国の料理・食材・文化を取り入れたフュージョン料理が人気。

・その他の人気料理はイタリア、フランス、メキシコ、スペイン、カリフォルニア、アジア料理など。

・パリ、ニューヨークに次ぐファッションの中心地と言われている。

イスラエル/ミュージシャン

スポーツ(目次に戻る

人気スポーツはサッカーとバスケットボール。後者は国技と見なされている。

・政府のスポーツ関連予算は西側諸国に比べると少ない。

・イスラエル代表バスケットボールチームはアジア大会で金メダルを2個獲得している。

・最大のプロスポーツ組織はイスラエル・プレミアリーグ。

・FIFAランキングの最高位は15位(2008年)。

・バスケットボールの強豪チーム、マッカビテルアビブBCは欧州選手権(ユーロカップ)を6度制している。

・NBAプレーヤーを多数輩出。

・オリンピックでのメダル獲得数は9個。

パラリンピックでのメダル獲得数は375個。個人で金メダルを12個獲得したウーリー・バーグマンが有名。

【有名スポーツ選手】
・ギャル・フリードマン(Gal Friedman)初のオリンピック金メダリスト
・シャハー・ピアー(Shahar Pe'er)テニス
・オムリ・カスピ(Omri Casspi)NBA
・モラン・サミュエル(Moran Samuel)ボート

その他(目次に戻る

・イスラエルの歴史は聖地エルサレムに集約されている。

レスチナの反政府勢力は自分の土地と聖地エルサレムを奪ったユダヤ人、イスラエル、アメリカを決して認めず、一連の争いが終結する見通しは全く立っていない

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