目次
歴史
・1700年代
・1800年代
・1900年~第一次世界大戦
・第一次世界大戦~第二次世界大戦
・終戦から現在
基本情報(目次に戻る
国名:アイスランド共和国(Republic of Iceland)
首都:レイキャヴィーク(Reykjavík)
人口:355,650人(2018年推定)
面積:103,000㎢(北海道の1.2倍)
気候:ツンドラ気候
・南エリアの低地は意外と暖かい。
・北、内陸、高地は極めて寒い。
・南エリア、低地の夏の平均気温は10から15℃。冬は0℃。
・北エリアの夏の平均気温は5℃。冬はー20からー30℃。
・アイスランド=オーロラ、白夜。
・内陸部と冬場は天候が急変しやすい。
・高地は突風に注意。
経済:
・先進国
・2007年から2010年の金融危機で債務不履行に陥った。
・2010年以降は観光ブームなどの影響でプラス成長に。
・GDPは約242億ドル(2019年)
・主要産業は漁業と農業。
・漁獲量は欧州トップクラス。
・世界で最も観光に依存する国のひとつ。
・観光部門の労働者数は、国内の総労働者(約19万人)の15%以上。
・世界最高水準の再生エネルギー国家。火力発電所ゼロ。
・アルミニウム生産国。
・輸出主導型経済。農産物の輸出が大部分を占める。
・EU非加盟。(加盟すれば漁獲量に制限を設けられるため)
人種:アイスランド人
・総人口の約15%が外国出身者。
・人口の99%が都市部で生活している。
・人口の60%が首都圏(レイキャヴィーク周辺)で生活。
・移民の割合が増えつつある。
言語:アイスランド語(公用語)93.2%
・ポーランド語 2.7%
・リトアニア語 0.5%
・デンマーク語 0.3%
・英語 0.3%
・その他
・英語とデンマーク語は義務教育の必須プログラム。
宗教:キリスト教 (国教)78.3%
・無宗教 7%
・不明 14%
・仏教 0.4%
・イスラム教 0.3%
アイスランド
政治(目次に戻る
大統領:グズニ・ヨハンネソン(Guðni Th. Jóhannesson)
首相:カトリーン・ヤコブスドッティル(Katrín_Jakobsdóttir)
政治体制:共和制
・世界を代表する民主主義国家。
・首相と内閣がほとんどの執行機能を管理する。
・大統領の権限は4年。権限は限られている。
・ヴィグディス・フィンボガドゥティルは選挙で選ばれた世界初の女性大統領。
・一院制。議席は63。(1991年まで二院制だった)
法律:アイスランド法
・世界を代表する法治国家。
・司法は最高裁判所、控訴裁判所、地方裁判所で構成される。
・人種や宗教を問わず、全国民の権利を保障している。
・裁判官は法務大臣によって生涯任命される。
・パナマ文書(2008年)で一部政府官僚のスキャンダルが明らかになり、政党の細分化に拍車をかけた。
渡航情報(目次に戻る
渡航情報:
・外務省ホームページ
・注意情報は出ていない。(2020年11月時点)
・コロナウイルス注意情報が出ている。(2020年11月時点)
治安:極めて平和
・世界で最も平和な国。
・2008年から世界平和度指数レポート1位を堅持している。(2位はニュージーランド)
・国民一人当たりの軍事費が最も低い国としてギネスに認定されている。
・犯罪率も極めて低い。
・預言者ムハンマドの風刺画(フランス)の影響を受ける可能性あり。
マスメディア(目次に戻る
・新聞社は100社以上。
・国営テレビ局は1社。
・視聴可能な民間チャンネルは350以上。
・民間テレビ局の参入は1986年に許可された。
・ラジオ局は複数社。
・検閲はなし。ただし、使用を禁じられているサイトが複数ある。
・報道の自由を保障している。
【国営メディア/設立年】
・Ríkisútvarpið 1930年
【民間メディア】
・SjónvarpSímansなど
軍隊(目次に戻る
2020年軍事力ランキング:-位
・軍人数:500人(推定)
即戦力 500人
予備兵 4,500人
・NATOで唯一、軍を保有していない。
・沿岸警備隊(平和維持軍と呼ばれている)が国境警備を行っている。
・異常時に活動する特殊部隊、危機対応ユニット(ICRU)が軍の代わりを務めている。
・国防予算:-億ドル
歴史(目次に戻る
1700年代
・9世紀~16世紀。ノルウェー王国、カルマル王国、デンマーク王国、スウェーデン王国などがアイスランドの領土を争ったと伝えられている。
・アイスランドは不毛の土壌、火山の噴火、森林伐採、小氷河期などに見舞われ、農業に依存する島民たちは過酷な生活を送っていた。
・15世紀に発生した黒死病(ペスト)は、アイスランドの島民に甚大な被害を与えた。
・18世紀初頭、デンマーク・ノルウェー王国は植民地のアイスランドに厳しい貿易制限を課した。
・この時代、アイスランドはバルバリア海岸などを拠点とする海賊に何度も襲撃を受け、拉致された人々は奴隷にされた。
・18世紀初頭から中頃、天然痘の大流行で人口の3分の1が死亡したと伝えられている。
1800年代
・ナポレオン戦争(1803~1815年)終結後、デンマーク・ノルウェー王国はキール条約によって2つの国に分割されたが、アイスランドとデンマークの関係は変わらなかった。
・19世紀初頭、ヨーロッパ本土から伝わったナショナリズムに影響され、独立を求める者が現れる。
・1850年頃、ヨン・シグルズソン率いる独立運動グループ誕生。
・1873年、ラキ火山噴火。灰、煙、洪水の影響で約9,000人が死亡し、家畜の80%を失う。
・火山噴火後の飢饉で人口の4分の1が死亡。
・1874年、デンマークはアイスランドに憲法と自治権を与える。
1900年~第一次世界大戦
・1903年、アイスランド法改正。
・1904年、デンマークが自治権の拡大を認める。
・1918年12月1日、デンマークが「アイスランド王国」の独立を認める。ただし、デンマークとの連合関係は維持された。
・1918年12月、ジョン・マグヌソンが初代首相に就任。国旗と紋章を制定した。
・デンマークはアイスランド王国の恒久的な中立を世界に通知した。
・第一次世界大戦時、アイスランド王国は孤立し、生活水準の大幅な低下を招いた。
第一次世界大戦~第二次世界大戦
・第一次世界大戦後、アイスランド王国の生活水準は、水産物と農作物の輸出増に支えられ、回復した。
・1929年、アメリカ発の恐慌が欧州に影響を与え始める。
・1932年、アイスランド王国の輸出総額は世界恐慌の影響で40%ほど減少、大不況に陥る。
・1936~1939年、スペイン内戦の影響でアイスランド王国の塩魚の輸出量が約50%減少。国民は長引く不況に苦しめられた。
・1939年9月、第二次世界大戦勃発。デンマークとアイスランド王国は中立を宣言する。
・1939年4月9日、ナチスドイツがデンマークを占領。
・1939年4月10日、デンマーク占領を受け、アイスランド王国議会は外交と沿岸警備隊の完全な権利を取得。暫定知事(初代大統領)を任命する。
・イギリスはナチスドイツのさらなる領土および戦力拡大を恐れ、アイスランド王国の輸出品に厳格な制限を課す。
・1940年5月10日、イギリスがアイスランド王国を占領。戦闘は発生しなかった。(フォーク作戦)
・イギリスによる占領後、首相のヘルマン・ヨーナソンは国民に対し、「イギリス軍をゲストのように扱うよう」求め、連合軍に協力した。ただし、公式上は中立の立場を維持している。
・1941年末、アイスランド王国にアメリカ海軍と同空軍基地が設置される。
・1943年12月31日、アイスランド王国の憲法(デンマークとの合同法)が失効。
・1944年5月、デンマークとの連合関係終了と共和国設立を決める国民投票実施。連合関係終了の賛成は97%、共和国設立(独立)の賛成は95%、ともに賛成多数で可決された。
・1944年6月17日、「アイスランド共和国」が独立を宣言。デンマークはナチスドイツの占領下に置かれたままだった。
・アメリカとイギリス政府はアイスランドの経済に資金を注入し、戦争に関連する様々なプロジェクトを開始。失業率は劇的に改善し、賃金も大幅に引き上げられた。
・第二次世界大戦中、アイスランドは欧州一貧しい国から「欧州一裕福な国になった」と伝えられている。
終戦~現在
・1946年10月、アメリカ政府はアイスランド防衛に関する協定終了に合意。ただし、有事の際にはアイスランドに基地を設置できる権利を保持した。
・1949年3月30日、北大西洋条約機構(NATO)に加盟。ただし、他国に対する攻撃行為には決して参加しないと主張、中立を宣言した。
・1949年3月、NATO加盟に反対する抗議者たちが国会議事堂を占拠、警察と衝突した。(死者は確認されていない)
・朝鮮戦争勃発後、アイスランドはアメリカとの防衛協定に合意。アメリカ軍はアイスランドの中継基地を大いに活用した。
・1958年9月1日、第一次タラ戦争勃発。イギリス政府はアイスランド近海の漁業制限に激しく反発した。
・1961年3月11日、第一次タラ戦争終結。アイスランドの勝利。(死者ゼロ)
・1972年9月1日、第二次タラ戦争勃発。(アイスランドvsイギリス、ドイツ、デンマーク、ベルギー)
・1973年8月29日、アイスランド沿岸警備隊とイギリスのフリゲート艦が衝突。アイスランドのエンジニアが船体修理中に感電死した。(同戦争唯一の死者)
・1973年11月8日、第二次タラ戦争終結。アイスランドの勝利。
・1975年11月16日、第三次タラ戦争勃発。(アイスランドvsイギリス、西ドイツ、ベルギー)
・1976年6月1日、第三次タラ戦争終結。アイスランドの勝利。
・一連のタラ戦争はいずれもアイスランドの勝利に終わり、イギリス漁業は大打撃を被った。なお、イギリスは国民料理「フィッシュ・アンド・チップス」の材料確保に失敗したが、国内の魚不足を補う「コラーゲン入りソーセージ」の開発に成功。大人気国民食になった。
・アイスランドはタラ戦争の間、何度もNATOから脱退する、アメリカとの協定を破棄すると主張したが、実現には至っていない。
・1991年、ダヴィード・オットソン率いる無所属党が社会民主党との連立政権を結成。オットソンは首相に就任した。
・1994年、欧州経済領域(EEA)に加盟。
・2006年3月、アメリカがアイスランド防衛隊(IDF)の撤退を表明。
・2006年9月、ケフラビク米空軍基地閉鎖。
・2008年10月、銀行システム崩壊。3つの主要銀行(カウプシング、ランズバンキ、グリトニル)が廃業し、かつて経験したことのないレベルの経済危機を招いた。
・アイスランドは経済危機からの脱却を目指し、国際通貨基金(IMF)と友好国に多額の融資を求めた。
・政府は3大銀行の国内業務を全て国有化した。
・2009年7月、アイスランド政府はEUへの加盟を申請。国の信用度を高め、債券発行による10億ドルの資金調達に成功した。なお、加盟交渉は2015年に打ち切られている。
・2010年、アイスランドは海外旅行ブームと、大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の影響で大人気観光地になる。
・経済危機からの劇的な回復は、21世紀のサクセスストーリーと呼ばれた。
文化(目次に戻る
・世界を代表する多様性国家。
・児童に対する虐待を厳しく取り締まっている。(2003年:児童法)
・リベラル派が国民の大多数を占める。
・識字率の高さは世界最高水準。
・義務教育期間は6~16歳。高い教育水準を誇る。
・私立学校は少ない。
・教育システムの運用は地方自治体に委ねられている。
・アイスランド料理の主菜は魚、子羊肉、乳製品、パン。
・国民一人当たりの年間乳製品消費量は約400リットル。
スポーツ(目次に戻る
・一番人気はサッカー。
・その他の人気スポーツは陸上競技、アイスホッケー、ハンドボール、バスケットボール、テニス、水泳、乗馬など。
・ハンドボール代表の実力は世界トップレベル。2008年北京オリンピックで銀メダルを獲得した。
・夏季オリンピックのメダル獲得総数は4個。(銀2、銅2)
・冬季オリンピックのメダル獲得実績はなし。
・政府および地方自治体主導で障碍者スポーツの発展を目指している。
【有名スポーツ選手】
・エイドゥル・グズジョンセン(Eiður_Guðjohnsen)プレミアリーグのチェルシーFCとラ・リーガのFCバルセロナに所属した。
・ヴァラ・フロサドッティル(Vala Flosadóttir)棒高跳び選手、オリンピックメダリスト。
・マグヌス・ヴェル・マグヌソン(Magnús_Ver_Magnússon)ストロングマンコンテスト優勝者。
・フィアン・ポール(Fiann Paul)オーシャンローイング選手兼探検家。単一スポーツで30以上のギネス記録を保持する。
その他(目次に戻る
・世界を代表する法治国家、治安の良さは他の追随を許さない。
・コロナ危機で観光産業が大打撃を受けている。