マスクをつけ忘れたら逮捕されますか?
逮捕されないので安心してよい。ただし、着用を義務化されているエリア(公共交通機関など)でルールを無視すれば、罰金刑に処されるだろう。
7月10日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、国内のショップ内におけるマスク着用義務化を検討していると述べた。
同国内においては、感染防止対策ガイドラインに基づき、公共交通機関利用時のマスク着用義務化が既に施行されている。なお、スコットランドでは公共交通機関とショップ内での着用を必須とし、違反者には罰金が課される。
各国は、世界保健機関(WHO)のアドバイスに従い、ガイドラインや規則などを制定。内容は国によって異なるが、概ね同じような感染予防措置を講じている。WHOは医療従事者およびウイルス感染者のマスク着用を必須と位置づけており、それ以外の者に関しては、社会的距離を確保できない場所や混雑するエリア、施設などでの着用を強く推奨している。
イギリス国内でマスク着用を必須とするエリアと対象者は、病院のスタッフ、外来患者および訪問者、そして公共交通機関を利用する全ての者である。
パンデミックの発生に伴い、ジョンソン政権は国内のバス、電車、フェリー、飛行機(クルーズ船、スクールバス、タクシー、レンタカーは除外)でのマスク着用を必須と定めた。なお、この規則はロックダウンの段階的な緩和を実行する前に導入された。
世界中の研究者たちがマスクのもたらす感染予防効果を証明しており、それを着用することは、コロナショック後の世界の常識になりつつある。ただし、着用を免除されている人がいることも理解しておこう。街中で不着用者を罵倒したり、罵ってはいけない。
【規則を免除されている者/公共交通機関ver.】
●11歳未満の子供。
●障害を持っている人。
●呼吸器の疾患を持っている人。
●読唇術(どくしんじゅつ)に頼っている人と「一緒に行動している人」。
また、食事や飲食を行う場合も当然外すべきだが、公共交通機関利用時の飲食は控えた方がよい。ただし、どうしても水を飲みたい、喉がカラカラで倒れそうだ、という人は、他者に顔を向けず、「少しマスクをずらし、さっと飲み、戻す」とよいだろう。
現在、イギリス国内のマスク着用ルールは、公共交通機関利用時(乗車時)のみ適用される。つまり、駅構内の移動時およびホーム待機時は原則着用しなくてもよいのだ。たたし、鉄道においては、改札を通過した時点で着用を強く求められる。駅によっては監視員を配置し、非着用者に注意を促す場合もあるため、改札通過前に着用しておく方が無難だろう。
ジョンソン首相はショップ内でのマスク着用義務化検討について、「第三者が集まるエリア、特に屋内ではマスクの着用を強く求めなければならない。パンデミックが発生してから動き出すのではなく、早め早めの行動を心掛けるべきだ」と述べた。
政府高官は記者団に対し、「まだ検討が進められている段階、決定したわけではない」と語った。
【関連トピック】
・誰もがマスクを着用しなければならない
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マスクをつけるべきですか?
はい。ぜひ着用してほしい。イギリス国内においては、「公共交通機関利用時のみ着用すればよい」と規則を定めているが、外出する際は常にマスクを持ち歩き、第三者と近づく恐れのある「ありとあらゆるエリア」で着用すべきだ、と私は思う。
スコットランド政府は、バス、飛行機、フェリー、タクシーを含む、あらゆる公共交通機関利用時のマスク着用義務化しており、7月10日から国内の全ショップがこれに追加された。
ただし、イギリスと同じく免除事項があり、「5歳未満の子供、呼吸器に疾患を持つ人、障害者など」は対象外である。
ウェールズはマスク着用を義務化していない。ただし、社会的距離を確保できない公共交通機関や屋内施設の利用時などには、マスク着用を強く求められる。北アイルランドもウェールズと同様である。
イギリスのグラント・シャップス運輸大臣は記者団に対し、「入手しやすく、かつ、誰でも簡単に着用できる標準タイプの使い捨てマスクや手作り布マスクなどを常に携行してほしい」と語った。
WHOはマスクに関するガイドラインの一部を大幅に見直している。見直し前は、医療関係者および患者にのみ着用を推奨していたが、「パンデミックの抑制に効果があること」「マスクを日常に取り入れた国の感染状況が穏やかであること」などを鑑み、ガイドラインの見直しが行われた、と専門家は考えている。
WHOは、「皆、マスクを着用すべき」とガイドラインを見直すことで、需要と供給のバランスが崩壊し、マスク不足に陥ることも懸念していた。
マスクの着用が日常生活に浸透している中国、韓国、日本などのアジア諸国では、欧米やラテンアメリカ規模のパンデミックは発生していない。
皆が自主的にマスクを着用し、混雑するエリアを極力避けるよう自分の判断で行動できれば、規則や罰金刑など不要である。なお、早急なロックダウンでウイルスを封じ込めた韓国政府は、5月末から公共交通機関利用時のマスク着用を義務化した。
世界でも有数の満員電車大国、日本において、マスク着用を義務化するという話は全く聞こえてこない。政府は、厚生労働省の策定したガイドラインだけで十分と考え、後は国民の自主性に任せると判断したのだろう。
首都東京の電車に乗り込むサラリーマンの姿を見ると、9割以上がマスクを着用しているように思える。日本では、花粉症や風邪(インフルエンザ)をマスクと手洗いうがいで予防する、という考えが国中に浸透しきっているため、「着用は当たり前」といった雰囲気すら感じられる。
コロナウイルスは、感染者が咳やくしゃみ、会話をすることでウイルスを含んだ飛沫が空気中に放出され、それを吸った友人や第三者に感染、世界中に広まった。また、目に見えない唾の粒子が空気中を長時間漂う可能性についても研究が進められており、「飛沫感染」だけでなく、「空気感染」のリスクが高いことも判明しつつある。
空気中に放出されたウイルスを含む飛沫から身を守るツールがマスクである。なお、医療関係者用のサージカルマスクを準備できなくても、市販の安価な布マスク(違法製品を除く)や手作り布マスクを着用するだけで感染予防に効果を発揮するので、カバンや胸ポケットに常備すべきだろう。
ただし、マスクのつけ外しは感染リスクを高めてしまう点に注意してほしい。着脱時の際、手に付着したウイルスが口や鼻から入り、感染するかもしれない。
BBC News - Coronavirus: Who should wear a face mask or face covering? https://t.co/X2ldlujazC
— Arman Masters (@aimasters) July 10, 2020