首都デリーで開催された宗教イベントにより、大規模なクラスターが発生

 インド当局は、クラスターの発生源になった宗教イベント(祈祷会/集会)に警戒を強めている。少なくとも6つの地域で、モスクを発生源としたコロナウイルスの大量感染が報告されており、当局は参加者の追跡調査を行っている。

 先週インド政府の発表したロックダウンにより、行き場を失った人々がモスクなどの宗教施設に移動、今回の事態を招いた。当局は宗教施設の閉鎖と消毒を開始。そこにいた人々まで一緒に消毒するという暴挙に出た地域もあり、大きな波紋を呼んでいる。

 デリー州の保険大臣は、これまでに少なくとも24人が陽性反応を示したと述べた。また、コロナウイルスに感染した者、検査を必要とする者たちは様々な病院に移送され、さらに約700人が検疫センターに移されたという。

 当局は感染源となったモスクおよび出席した説教者に対しイベントの自粛を求めたものの、クラスターの発生に至った。

 地元メディアによると、ニザムディン周辺の警戒態勢が強化され、30を超えるバスが人々を病院や検疫センターに移送したという。なお、イベントに参加者した人の数、氏名などが管理されていたかは不明とのこと。

 31日、南部のテランガーナ州のおいて、同イベントに参加した6人がコロナウイルスにより死亡したと報告された。州の医療関係者はBBCに対し、テランガーナ州で発生した71件の症例中40件がデリーでの宗教イベントに関与している可能性があると語った。

 遠方のアンダマン諸島とニコバル諸島でもクラスターが発生。テストで陽性となった9人のうち6人がデリーの宗教イベントから戻ってきたという。

 南部のタミル・ナードゥ州、テランガーナ州、アーンドラ・プラデーシュ州は、デリーの宗教イベントに参加したとされる3,000人以上の人々を追跡中。うち、タミル・ナードゥ州で16人の陽性患者が隔離された。

 州当局はイベントに参加した者たちへ、コロナウイルス検査を受けるよう声明を発表。さらなるクラスターを防ぐべく奔走しているが、事態の収束は見通せない状況だ。

スポンサーリンク