スペインのローカル封鎖はカタルーニャ州に次いで2例目

スペイン北西部、ガリシア州当局者は、コロナウイルスの感染再拡大を受け、約70,000人の住人に対しローカルロックダウンを発出した。

規制を受け、人々で賑わっていたAマリーナ海岸は7月5日~7月10日の間、一部の利用者を除き閉鎖されることが決まった。

同国においては、カタルーニャ州当局も7月4日にローカルロックダウンを発出しており、感染再拡大の懸念が日増しに強くなっている。

欧州最大の震源地のひとつになったスペインは、パンデミックを抑制し、他の欧州諸国と同じく、経済活動再開に向け各種規制を緩和し始めていた。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、7月5日時点の同国の累計感染者数は約25万人、28,385人が死亡した。しかし、過去3週間の死亡者数は1名まで抑制されていた。これに伴い、ホリデーシーズンの観光再開を目指し、EU加盟国間との国境も開放している。

ガリシア州ではこれまでに258件の陽性者を確認、うち、Aマリーナのあるルーゴ県で117人の感染(クラスターと思われる)が報告されている。

7月5日、同州の保健当局は、Aマリーナ海岸への出入りを5日間原則禁止すると発表した。しかし、その他の値域や施設については、自由に行き来できる状態を継続するという。なお、集会人数は10人以下に制限、屋外でのマスク着用は必須である。

また、州内のバーやパプなどでもクラスターが発生している。今回の規制を受け、期間中の飲食店収容率は50%以下を遵守しなければならない。

7月4日、カタルーニャ州のキム・トラ州知事は、リェイダ市を含むバルセロナ西部地区やセグリア郡をロックダウン、州内への出入りを禁止した。また、非居住者(旅行客など)は退去を、州の住民も対象地域への移動を控えるよう命令された。

カタルーニャ州は感染再拡大の影響を最も大きく受けた地域のひとつである。スペイン保健当局によると、人口約756万人に対し、72,860件人の陽性が確認され、12,586人が死亡したという。

ロックダウンの規制線には警察官が配備され、州内への出入りを厳しく取り締まる。同州で活動するジャーナリストのサラ・カナルズ氏はBBCの取材に対し、「カタルーニャ州は経済活動より住人の命を選んだ。ローカルロックダウンは痛みを伴うが、さらなる感染拡大を抑えるために必要だと確信している」と述べた。

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経済活動再開の反動

ロックダウンの段階的緩和と国境開放が進む中、イギリスでも大きな動きがあった。3カ月以上に渡って閉鎖されていたパブが7月4日から営業を再開したのである。しかし、いきなり大きなトラブルおよび問題に直面した。

イングランド・ウェールズ警察連盟のジョン・アプター会長は、「酔っ払いたちが社会的距離を確保できないことは火を見るより明らかである」と警告した。

ジョンソン政権はロックダウンによって閉鎖を余儀なくされたホスピタリティ部門の再開を決断し、必要な対策を講じたうえでの利用を呼び掛けている。

アプター会長はBBCの取材に対し、「解禁日の夜、街は裸の男性、満面の笑みを浮かべる酔っ払い、乱闘、喧嘩、言い争いに包まれた」と語り、その一方で、大多数のパブ利用者が理性ある行動に努めていたと謝辞を述べた。

ロンドンのウエスト・エンド、ソーホー地区には再開を待ち望んだパブがひしめいており、屋内および屋外で飲み騒ぎたい人たちが日曜の早朝から大挙して訪れた。

スコットランドヤードは、取り締まりを行った警察官の指導により、数店が営業自粛に追いやられたと述べた。しかし、あくまで一部の店舗であり、混乱およびコロナウイルスの感染拡大を心配する必要はないと付け加えた。

デボン警察署とコーンウォール警察署は、ソーホー地区周辺だけで1,000件を超える問い合わせを受け、そのほとんどが飲酒に関連するトラブルだったという。

ノッティンガムシャー北部では4人が逮捕された。また、同地域のいくつかのパブは、アルコール関連の反社会的行動に伴い、開店後わずか1日で閉鎖した

理性の働く住人たちは、イギリス国内のありとあらゆる繁華街で同じような規模の「酔っ払い祭り」が大々的に展開され、これまでの努力が雲散霧消するのではないか、と危機感を抱いている。

アプター氏は、「解禁日の夜はとても忙しかったが、当番者たちがうまく対処してくれた。一部地域では警察官への襲撃も報告されており、皆、緊張感をもって業務に取り組んでいた。一部の酔っ払った人たちが社会的距離のルールおよび感染対策を遵守できないことは明らかだ」と警告し、何らかの対応が必要であると指摘した。

アプター氏の指摘を受け、マット・ハンコック保健相は声明を発表。パブを利用する際のルール遵守を呼びかけた。一方、大多数の人々がルールを守り飲酒できていることについても触れ、「子供に見られても恥ずかしくない、理性ある行動」に努めてほしいと述べた。

イギリスでは原則2mの社会的距離を求められているが、マスク着用や対面での会話を行わなければ、1mでも問題ないとする「新ガイドライン」が示され、ルールは緩和された。

ボリス・ジョンソン首相と政府の対策チームは国民に対し、第二波の発生を防ぐためには、ルールの遵守が必要不可欠であると述べた。また、対策チームの医療部門責任者を務めるクリス・ホイッティ氏も、ロックダウン緩和にはリスクが伴うと警告している。

同国の累計感染者数は約28万人、これまでに44,220人の死亡が確認されている。なお、最新の24時間当たり感染者は624人、死者は67人だった。

6月29日、中部レスターではコロナウイルスの感染再拡大に伴うローカルロックダウンが発出。パブや飲食店、商業施設の閉鎖が決まり、現在も通りは閑散としている。

スコットランドとウェールズは、ホスピタリティ部門に対する制限をしばらく継続する予定である。なお、北アイルランドでは7月10日からパブの営業が許可される。

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