◎プレイブックには家を出る前、日本に入国する時、大会中、出国する時に何をすべきかが書かれている。
◎2月4日午後、組織委員会の森 喜朗会長は性差別的な発言をしたことについて記者団の前で謝罪した。
2月3日、国際オリンピック委員会(IOC)は東京2020オリンピックおよびパラリンピックのプレイブック(初版)を公表した。これは今夏の大会に参加する関係者のための指南書である。
IOCのオリンピック事務局長、クリストフ・ドゥビ氏はオンライン記者会見の中で、「私たちは大会の開催に自信を持っています」と述べた。
プレイブックには家を出る前、日本に入国する時、大会中、出国する時に何をすべきかが書かれている。
<プレイブック(初版)の要点>
・入国14日前から体調をモニタリングする。
・陰性を証明できる書類を準備する。(様式は任意)
・入国72時間以内にコロナ検査で陰性の者のみ飛行機に搭乗。
・滞在中はスマホアプリ(COCOA)で行動および体調を管理する。
・マスクを常時着用する。
・手洗いを徹底する。
・社会的距離を2m以上確保する。
・物理的な接触を避ける。(抱擁、握手)
・大声を出して応援しない。歌わない。
・アイテムの共用を避ける。不可であれば消毒を徹底。
・観光は禁止。
・レストラン、バー、小売店の利用も禁止。
組織委員会の中村 英正氏は記者団に対し、「選手、大会関係者、観客の安全を守ることが最優先。コロナウイルスが完全に消えることはありません」と語った。
事務局によると、プレイブックの内容は今後の状況に応じて更新される予定だという。
プレイブックによると、個人は入国の72時間以内に日本政府によって承認されたコロナ検査を受ける必要があるという。また、入国後は空港で再び検査を受け、選手や関係者であれば大会中の定期的な検査を求められる。
なお、入国後の陰性チェックをパスすれば自己検疫は「現時点では不要」であり、入国前のワクチンの接種も求められない。
さらに、社会的距離は2m以上、定期的に手を洗い、競技時以外は常にマスクを着用し、大声で応援したり歌ったりせず、拍手でアスリートをサポートするよう個人に求めている。
IOCによると、観客の有無については春までに決定する予定だという。
クリストフ・ドゥビ事務局長は、「関係者などから東京2020の実施方法についての質問をたくさん受けています。今日公開したプレイブックは、今日時点の状況を考慮したうえで作られたものです」
クリストフ・ドゥビ事務局長:
「東京2020のプレイブックは、何千ものスポーツイベントで実行し、成功した対策およびそこから学んだ教訓を反映しています」
ここ数週間の日本の感染状況は都市圏の非常事態宣言が機能し、確実に減少している。しかし、最前線で戦う医療従事者にかかる負担はさほど減少しておらず、菅 義偉首相は2月2日に栃木県を除く9都府県の非常事態宣言を約1カ月延長すると発表した。
厚生労働省によると、国内の累計感染者数は2月4日時点で約40万人、累計死亡者はまもなく6,000人を超える。
組織委員会の武藤 敏郎事務総長は先週の記者会見で、「アスリートはコロナワクチンを接種していなくても大会に出場できる」と述べた。
日本政府はコロナワクチンの審査を進めているが、2月中に接種を開始する予定はない。
共同通信社が行った最新の世論調査によると、回答者の約80%が東京2020を今夏に開催すべきではないと答えたという。
2月4日午後、組織委員会の森 喜朗会長は性差別的な発言をしたことについて記者団の前で謝罪した。
森会長は、「深く反省している。不快な思いをさせた皆様にお詫び申し上げる」と述べた。なお、記者から「辞任するのか?」と質問されると、「邪魔だと思ったら排除してください」と冗談交じりに答え、辞任しない意向を示した。
東京2020オリンピックは2021年7月23日、パラリンピックは同年8月24日に開幕する予定である。