『kenta475699』です。
貴重な税金を浪費する関東地方の施設&第三セクターを紹介します。あくまで個人の主観で選んでいることをご理解下さい。

目次

  ・関東地方の年度予算

  ・世紀末都市TOKYO

〇貴重な税金を浪費する施設&第三セクター(関東地方)
  1.かみす防災アリーナ(茨城県)
  2.野岩鉄道(栃木県)
  3.八ッ場ダム(群馬県)
  4.埼玉高速鉄道(埼玉県)
  5.東葛飾土木事務所(千葉県)
  6.宮ヶ瀬ダム(神奈川県)
  7.東京湾アクアライン(東京都)

  8.東京国際フォーラム(東京都)
  9.南摩ダム(栃木県)
 10.道の駅川場田園プラザ(群馬県)
 11.滝沢ダム(埼玉県)
 12.かずさアカデミアパーク(千葉県)
 13.横浜国際平和会議場(神奈川県)
 14.東京臨海副都心建設(東京都)
 15.茨城空港(茨城県)
 16.群馬県庁舎(群馬県)
 17.東京テレポートセンター(東京都)
 18.東京ファッションタウン(東京都)
 19.江戸東京博物館(東京都)
 20.東京オリンピック(東京都)

 まとめ

関東地方の年度予算

関東地方1都6県の平成30年度予算、人口、県民一人当たりの予算は以下の通りである。

H30予算(億円)人口(万人)H30予算/人口
東京都1440001400約103万円
神奈川県40000920約43万円
千葉県17300628約27万円
埼玉県18700734約25万円
群馬県7300194約37万円
栃木県8000194約41万円
茨城県11100287約38万円

 各都県の予算は年度によって異なる場合が多々ある。東京オリンピックを2020年夏に控える東京都の予算は、例年より多い。また、大型公共工事(高速道路、ダムの新設)などが行われている場合も、同じように予算が多く配分されると理解しよう。

 予算は人口に比例して大きくなる傾向にあるが、東京都の14.4兆円は突出して多い。社会保障や福祉、高度に整備されたインフラの改修や修繕にかかる費用が大きくなるため致し方ない気もするが、全ての予算が正しく使われているかと言えば疑問が残る。 

 都民(県民)一人当たりの予算額に大きな開きがあるものの、予算が多いほど社会保障や福祉が充実している、と判断(判定)することはできない。一人当たりの予算が少なくても、社会保障や福祉に予算をしっかり割り振っていれば、正しい(本来あるべき)サービスを受けることができる。逆に予算が多くても、公共事業や公共施設の維持管理にばかり予算が割り振られていれば、都民(県民)が受けるサービスの質は低下する可能性は往々にしてある。

世紀末都市TOKYO

 民主党政権時代、公共事業の一切見直しが行われた。私は見直し賛成派だが、「あれは無駄、これも無駄、高速道路とダムは全部無駄」というつもりは一切ない。国民の生活をより安全に、より便利にできるのであれば、投資は惜しむべきでないと思う。納税者の大半は、「必要な公共事業」を推し進めてほしいと願っているのだ。

 公共施設の種類は様々だが、大きく分けると「①利益を上げるもの」「②利益を上げないもの」の二つに分類できる。以下はその代表例である。
①高速道路、上下水道、アリーナ、複合商業施設、美術館、道の駅など
②一般道(料金徴収なし)、都(県)庁、ダム、河川堤防、公園など

 県庁のフロアや公園などの空きスペースを民間企業に貸し出している場合には、ある程度の利益を上げていると言えるが、そういった事例は非常に少ない。①と②に共通して言えることは、都(県)民の命、安全、生活を守るうえで必要な施設に正しく投資されていれば無駄遣いではない、ということだ。しかし、誰も欲していない/安全上必要でない施設に大金を投じていれば、無駄遣いと指摘されることになる。

 今回は貴重な税金を浪費する関東地方の施設&第三セクターを紹介する。なお、ぶっちぎりの予算額を誇る「世紀末都市TOKYO」の無駄遣いはマジでハンパない。また、他の6県もバブル時代からの慣習に倣い、無駄遣いを継続させている。都(県)民の命と安全、そして生活を守るための予算が役人に好き放題されている現実をとくとご覧あれ。

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貴重な税金を浪費する施設&第三セクター

かみす防災アリーナ(茨城県)目次に戻る

 茨城県神栖市に建設された『かみす防災アリーナ』は、令和の時代にふさわしい防災施設である。総事業費170億円、地震や台風などから市民を守る目的で令和元年(2019年)6月に堂々オープンした。同アリーナにはスポーツなどを楽しめるメインアリーナとサブアリーナ、プール、音楽ホール、温泉などが設けられ、かなり充実した施設となっている。

 神栖市は防災面にはあまり力を入れず、「日常使いできるアリーナ」を目指していたようだ。同施設は全面ガラス張りのため、素人目から見ても、防災能力を発揮するとは到底思えない構造になっている。堂々オープンからわずか3カ月後、令和元年9月に関東地方を襲った「台風15号」の影響で、かみす防災アリーナは見事に「被災」した。

 台風15号の強風を受け、かみす防災アリーナの美しいガラスは粉々に砕け、軒下の防水シートはめくりあがった。なお、大半の神栖市民は同施設が避難所として利用できることを知らなかったようだ。もちろん神栖市も、ガラスが散乱する避難所を開放しなかった。神栖市の役人たちは、かみす防災アリーナを日常使いしてほしかったため、同施設が避難所として機能することを期待していなかったのかもしれない。

ケンタ
かみす防災アリーナの維持管理は民間企業(PFI方式)が行っています。委託料は総事業費に含まれており、東京の民間企業に50億円以上が支払われました。なお、施設の修繕、改修費用はすべて神栖市が負担することになります。
博多
民間企業はPFI方式で施設を運用する際、「利益を上げる」必要があります。赤字の施設を運営すれば、自分の首を絞めることになるためです。

 防災目的で造られたはずのかみす防災アリーナは、台風15号の強風に屈し、避難所として利用されることはなかった。そもそも強風で砕け散る全面ガラス張りの避難所に市民が避難していれば、大変な事態を招いたかもしれない。なお、同施設には巨額の維持管理費(単年5億円以上)がかかるため、市民の間で反対運動が発生。2017年の市長選挙は建設反対派の候補者が勝利したものの、建設工事は既に着工しており、そのまま強行されてしまった「いわくつきの施設」だった。

 同施設が防災機能を果たす可能性はかなり低い。まず、全面ガラス張りの時点で、台風、地震、巨大津波から市民を守れるとは到底思えない。ここは思い切って防災機能を全て捨て去り、スポーツ専用アリーナとして売り出した方が良い結果につながると大半の方は思うはずだ。PFI方式で契約を交わした東京の民間企業がアリーナを上手く活用し収益を上げてくれれば、神栖市も大喜びするだろう。

まとめ
防災目的で使用しない方が良い。全面ガラス張りの避難所が台風や地震、津波から市民を守るとは到底思えない。
・東京の民間企業が収益を上げれば、神栖市経済に貢献できる。しかし、年の維持管理費(5億円以上)を回収できなければ、赤字分は神栖市が負担せざるを得ないだろう

形態アリーナ
税金投入額170億円
(うちPFI委託料50億円)
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
240億~360億円
(単年の維持管理費=5億円以上)
役立たず度(5段階)★★★☆☆ 3

外部サイトへのリンク
かみす防災アリーナ 公式ホームページ

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フットサル熱ってやつが下がりまくっていて明日は久しぶりに試合あるのにマズいなってことで茨城県までふらっと地域女子チャンピオンズリーグの観戦へ。隣の県だし近いやろ思っていたら遠かったです。寝坊するし。 やっぱ、チームの一体感とか一生懸命頑張ってる人って素晴らしいなと思いました。個人的にRUCKの高尾茜利選手のプレー見れて良かった🥺 フットサル熱もほんの少しだけど復活したかなー思います。明日の試合はケガしないように頑張ります! 付き合ってくれてありがとうございます!! #地域女子チャンピオンズリーグ #茨城 #かみす防災アリーナ

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野岩鉄道(栃木県)目次に戻る

 『野岩鉄道㈱』は栃木県や福島県などが出資する第三セクター方式の鉄道事業者である。運営する「会津鬼怒川線」は、栃木県日光市の「新藤原駅」と福島県南会津郡の「会津高原尾瀬口駅」を結んでおり、近隣住民の大切な移動手段になっている。しかし、開業した1986年から輸送人員は減り続け、慢性的な赤字経営に陥っていた。

 野岩鉄道㈱に投入された補助金の累計は10億円を超える。毎年2000万~3000万円の赤字を計上していると考えてよい。なお、黒字/収益を確保した年もあるが、自治体からの補助金や保険金などが特別計上された結果であり、路線の運営に関しては現在も赤字が続いている状態だ

 第三セクターと聞くと、「バブル時代の怠慢経営・天下り役人の巣窟・税金の無駄遣い・悪」といった言葉をイメージする方が多いはず。しかし、市民の生活に欠かせない、必要とされる、頑張っている第三セクターも存在する。

ペレス
野岩鉄道㈱は、鉄道事業者の責務「安全最優先/安全運行」を遵守したうえで、黒字を確保するための経営努力をさらに推し進めなければいけません。通勤通学利用者が劇的に増加する可能性は低いため、観光客に目を向けるのが一番効果が高いかもしれませんね。
ロキシー
まずは観光地としての魅力を高め、定期客以外の利用者を増やすことが大切です。鉄道事業者は収益改善の努力を継続し、行政もその取り組みに力を貸し、街がひとつになって路線を盛り上げていけば、赤字経営から抜け出すことができるかもしれません。

今、野岩鉄道豈㈱がすべきこと、継続して行うべきことは以下の通りである。
①「安全最優先/安全運行」を遵守したうえでの経営効率化、無駄の削減の徹底。
②定期客以外の層(観光客など)を取り込む努力、すなわち、路線の魅力もしくは観光地の魅力を向上させる。

 鉄道事業者だけの努力では達成できないこともある。観光地の魅力を向上させるには、行政、そしてそこに住む人々の協力が欠かせない。官民が一体となって会津鬼怒川線のために行動すれば、おのずと結果はついてくると信じたい。なお、赤字から黒字に転換した地方路線の大半は、鉄道事業者の努力プラス、観光資源や街の魅力を官民一体で発信し、観光客の誘致に成功している

 ちなみに、これから紹介する公共事業・施設に投入された税金の「ほんの一部」が野岩鉄道㈱に補助金として割り当てられれば、10000年連続で赤字(累計3000億円)を達成しても、会社は存続できるだろう

まとめ
野岩鉄道の存続は必須!経営効率化と無駄の削減、観光客誘致の努力は継続させなければならないが、補助金が勿体ないという理由で廃線にすると、定期客の大切な移動手段/足を奪うことになり、街は間違いなく衰退す
・第三セクター運営路線の廃線を検討している地方自治体は、無駄な公共事業を見直し、税金/補助金の使い方をしっかり精査すべし

形態第三セクター
税金投入額10億円
(単年の赤字=約3000万円)
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
今後の経営次第
役立たず度(5段階)★☆☆☆☆ 1

外部サイトへのリンク
野岩鉄道株式会社 公式ホームページ

八ッ場ダム(群馬県)目次に戻る

 『八ッ場ダム』は日本一有名なダムと言っても過言ではない。現在も建設工事が進められ、総事業費は設計変更込みで5300億円以上。トラブル等が発生すれば、費用はさらに増加する可能性もある。同ダムが日本中から注目を浴びている理由は、2008年に発足した民主党政権で事業仕分けの対象になり、共同事業者の地方自治体から猛反発を受けたことなどが起因している。

 「ダムは無駄」という理由だけで八ッ場ダムの建設中断が明言されたものの、費用を負担している地方自治体からの猛反発を受け、稼働中だった工事は宙ぶらりんの状態に陥る。しかし、自民党が第一党に返り咲いたことで同ダムの工事は再び動きだした。

 2019年。八ッ場ダムは試験運用を開始する。その直後、日本列島を台風19号が襲い、関東地方も大雨に見舞われた。利根川水系吾妻川」の中流に建設された同ダムは、施設に水を貯め込み、利根川の氾濫防止に効果を発揮したと賞賛される。しかし、吾妻川下流域の「嬬恋(つまごい)村」では、同河川が氾濫したことで甚大な被害を受けた。

信玄
試験運用中だった八ッ場ダムは、吾妻川中流付近で降った雨を貯め込みました。しかし、同河川の下流域では氾濫が発生し、嬬恋村とその一帯は甚大な被害を受けたのです。
テレサ
八ッ場ダムがなければ、吾妻川の下流域は壊滅的な被害を受けたかもしれません。しかし、ダムだけに依存した治水事業には限界があることも露呈しました。河川流域の住民を守るためには、堤防、ダムなどをバランスよく組み合わせた「総合治水」を取り入れなければなりません。

 八ッ場ダムがなければ、吾妻川流域は壊滅的被害を受け、利根川も溢れていた「かも」しれない。同ダムが台風19号の豪雨の一部を貯め込み、一定の治水効果を上げたことは事実だ。しかし、吾妻川の下流域では氾濫が発生し、嬬恋(つまごい)村が甚大な被害を受けたことも事実である

 私はダムの設計者ではないため、八ッ場ダムの建設費用が適正かどうかは分からない。無駄なく工事を進めても5300億円以上かかるのであれば致し方ない気もするが、額が大きいためどうしても目立ってしまう。何より残念な点は、吾妻川中流で降った雨を溜め込んだのに、下流域で氾濫が発生したことだ

 ダム建設を推進する役人は、規模の大きな工事ほどゼネコンの儲けが大きく、そちらを優先させたいと考える。しかし、上物(ダム)ばかりを立派/頑強にしても、基礎(河川堤防)が脆弱ではいざという時に足元をすくわれてしまう。八ッ場ダム建設ばかりに気を取られていると、今度こそ本当に吾妻川流域が壊滅することになりかねない。なお、同ダムの建設工事は2020年春に竣工を迎える。

まとめ
・ダムに依存した治水事業は危険!下流域の住民を守るためには、河川堤防、ダムなどをバランスよく組み合わせた「総合治水」が大切
上流域にダムばかり建設しても、下流域の河川堤防が脆弱であれば氾濫は防げない。これは全てのダム・河川に共通する。

形態ダム
税金投入額5300億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
1兆600億~1兆5900億円
役立たず度(5段階)★★★☆☆ 3

外部サイトへのリンク
八ッ場ダム Wikipedia

埼玉高速鉄道(埼玉県)目次に戻る

 第三セクター方式で運営されている『埼玉高速鉄道㈱』は、2000年の開業以来15年連続赤字を記録したことで知られる。しかし、同鉄道が運営する「埼玉スタジアム線」の1日当たりの輸送実績は年を追うごとに上昇。2018年度は11万人を大きく上回っており、田舎を走るローカル鉄道とは比べ物にならない売り上げを記録している。

 埼玉高速鉄道㈱が毎年数十億円の赤字を計上していた理由は、初期投資の借入金返済額が売り上げを大きく上回っていたためだ。埼玉スタジアム線の総事業費は約2500億円、そのうち同鉄道が返済しなければならない負債は1600億円近くにのぼった。結果、一定の売り上げを記録しても、毎年返済する借入金+利子には遠く及ばず、赤字経営を余儀なくされていた。

 第三セクターはどれだけ赤字を計上しようとも、管理する自治体が補助金を投入すれば経営を維持することが可能である。埼玉高速鉄道㈱は、初期投資の借入金返済に苦しめられたが、埼玉県が借金を半分肩代わりしたことで、赤字体質から脱却した。

ケンタ
埼玉県は同鉄道の赤字体質を改善するために、借金を半分肩代わりしました。理由は第三セクターが毎年赤字を計上していると「見栄え」が悪いからです。毎年、赤字を税金で補填すると悪い意味で目立ってしまうため、最初から大金を投入して黒字経営に無理やり転換させました。
博多
同鉄道の輸送実績を考えると、初期投資額をもう少し抑えていれば毎年黒字を生み出す素晴らしい交通機関になったはず。借入金を税金で補填した事実は一生消えません。これからは毎年利益を上げ、県の財政のプラスになることを期待しましょう。

 「県民の命に関わる施設(ダム・堤防・防潮堤など)」でなければ、一定の利益を上げ、初期投資を回収すべく努力しなければならない。それは県民の生活に欠かせない鉄道でも同じだ。県民の移動手段/足を確保することも大切だが、毎年数十億円の赤字を計上すれば、県の財政は間違いなく圧迫される。絶対に欠かせない社会保障や福祉に影響を与える事態になれば、本末転倒である。

 埼玉高速鉄道㈱は2015年から3年連続で黒字を達成、収益は年々伸びている。しかし、借金の半分を埼玉県が肩代わりした、すなわち税金が補填されたことを忘れてはならない。数十年後には車両の更新や設備の改修等で膨大な費用がかかることも予想される。

 投資に失敗する地方自治体(第三セクター)は、利益のことなど一切考えず、立派なハコモノを作っただけで満足してしまう。結果、毎年膨大な赤字を計上し、税金で補填し続けることになるのだ。

まとめ
「県民の命に関わる施設(ダム・堤防・防潮堤など)」でなければ、利益を上げる努力が必要不可欠
・初期投資は可能な限り低く抑えること。過大な施設になればなるほど、費用(維持管理費)の回収は困難になる。
・民間企業に倣い、借入金を返済できる範囲で投資→収益を上げる公共施設を作るべし

形態第三セクター
税金投入額2500億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
5000億~7500億円
役立たず度(5段階)★★☆☆☆ 2

外部サイトへのリンク
埼玉高速鉄道株式会社 公式ホームページ

東葛飾土木事務所(千葉県)目次に戻る

 ここで紹介する『東葛飾土木事務所』は、千葉県内の公共施設(道路・水路・下水など)の新設や改修、維持管理、公共事業に関連する設計業務などを行っている。2018年、同事務所から発注された排水路工事において、入札参加業者との「官製談合」が発覚。所長、課長、ゼネコンの取締役が逮捕、起訴された。

役人たちが談合に踏み切る理由は以下の三つに分類できる。
自分の管理下にあるゼネコンを儲けさせれば、見返り(賄賂)を得られる
②同種の工事経験が豊富/実績のあるゼネコンに工事を受注させたい。実績のないゼネコンが受注すると、工事の詳細を一から説明しなければならず、無駄な手間がかかる。すなわちメンドクサイ
建設業界のパワーバランスを保つため。実力のある大手ばかりが工事を独占すると、他の中小ゼネコンは仕事を得られず、干上がってしまう。

 同事務所の所長と課長は、②③を考慮し逮捕された取締役に入札金額を漏らしたものと思われる。賄賂狙いで工事の設計金額を漏らしたのであれば正真正銘の悪代官だが、いち公務員にそこまでの度胸があることは思えない。②は役人の怠慢、③は建設業界のぬるい体質を表していることが良く分かるはずだ

ペレス
受注金額を漏らす事案は即刻逮捕に繋がります。しかし、超大型工事(リニア・高速・ダム新設など)であれば、入札に参加できるゼネコンは限られます。役人たちは設計金額を漏らしませんが、入札に参加するゼネコンの工事分担(割り振り)を決めているため、どこが落札するかは最初から決まっていることが多いですね。
ロキシー
役人の権力が大きいほど、官製談合もしくは入札談合が発覚するリスクは低くなります。談合が行われているとタレこめば、その場では正しく入札が行われるかもしれません。しかし、タレこんだゼネコンは、間違いなく建設業界から締め出され、仕事を失うでしょう。

 談合が発覚する理由は、99%タレこみである。工事を入札できなかったゼネコンの報復、裏切り、同業者の没落を狙い、警察や検察に情報提供するのだ。しかし、役人も一緒に検挙される官製談合の発生件数は年々減少している。事案がバレた時の影響を考えると、役人たちが二の足を踏むのは当然かもしれない。

 官製談合以上に問題視されているのが「入札談合」である。これは、入札に参加するゼネコン間で、どこが工事を落札するか事前に決めてしまう手法だ。この事案はタレこみがなければまず発覚しない。役人たちが超大型公共工事を推し進める理由は、入札に参加できるスーパーゼネコンは限られており、彼らにバランスよく利益を供与できる、すなわち自分の「」につながるためだ

 官製談合で逮捕された者たちは、地位と権力、家族、自分の人生を全て失った。しかし、今後も同じような事案は発生し続けるだろう。金にがめつい役人(悪代官)とゼネコン(越後屋)を結ぶ「悪の関係」がなくなることは決してない。

まとめ
官製談合、入札談合が発覚する理由は99%タレこみである
・超大型公共工事を推進する役人は、スーパーゼネコンと一緒に工事の割り振り、落札業者を事前に決めておく。

容疑官製談合
逮捕者3名
失われたもの信頼、地位、名誉、家族、自分の人生
役立たず度(5段階)★★★★★ 5

外部サイトへのリンク
千葉県 公式ホームページ

宮ヶ瀬ダム(神奈川県)目次に戻る

 『宮ケ瀬ダム』は、神奈川県と山梨県を流れる「相模川(山梨県内は桂川)」に繋がる支流「中津川」の中流に建設された。同ダムは、相模川および中津川の治水と下流域の利水、そして施設の直下に併設された水力発電所に水を供給する役目を担っている

 同ダムは「巨大多目的ダム」と呼ばれ、約4000億円をかけて建設された。これは国内のダム事業の中でもトップクラスの予算規模を誇る。なお、相模川と中津川の下流域周辺には100万人以上の県民が生活している。相模川の想定氾濫区域内の経済規模(資産額)は約6.8兆円なので、両河川が同時に氾濫すれば、神奈川県が受ける被害は天文学的な額になるだろう。4000億円が安いとは思わないが、下流域の経済規模を考えれば、致し方ない投資に思える。

 2019年10月に日本列島を襲った台風19号は、関東地方の広い範囲に甚大な被害をもたらした。しかし、神奈川県内を流れる相模川と中津川は、氾濫危険ラインまで水位が上がったものの、あと一歩のところで何とか踏みとどまった。両河川を救ったのは宮ケ瀬ダムのおかげ、と大騒ぎするつもりはないが、同ダムが一定の治水効果を上げたことは間違いないだろう。 

信玄
治水/利水効果の高いダムは、台風や大雨から県民の命を守る最後の砦になります。しかし、相模川と中津川本体の改修工事が適切に行われていなければ、氾濫は防げなかったかもしれません。
テレサ
チョロチョロ流れる小川の上流に巨大ダムを建設すれば、無駄と叩かれて当然です。しかし、数兆円規模の経済圏を守るためであれば、ある程度の投資は必要かもしれません。

 宮ケ瀬ダムがなくても、相模川と中津川の氾濫は防げたかもしれない。しかし、それを確かめる術はないので、行政は限られた予算で治水事業を淡々と進めなければならない。また、やみくもに河川の上流、中流にダムばかり建設しても、河川本体の堤防が脆弱であれば、下流域の大雨には対応できないだろう

 「八ッ場ダム」の項でも説明した通り、ダム頼みの治水事業には限界がある。宮ケ瀬ダムは一定の治水効果を発揮したかもしれないが、相模川と中津川本体の改修が計画的に進められていたことも、氾濫を防ぐ大きな要因になったと考えるべきだろう。間違っても「ダム万歳、ダム最高、ダムグッジョブ」と大騒ぎし、やみくもにダムを乱造してはならない。

 公共事業は「最悪条件と予算のバランス」を上手く取りつつ行わなければならない。10万年に一度の事象を想定すれば過大な設備になるし、予算がないという理由で本来必要な場所にあるべき施設(ダム・堤防・防潮堤など)がなければ、取り返しのつかない事態を招くかもしれない。安部首相は、この超難題に立ち向かえるのだろうか・・・

まとめ
・ダム頼みの治水事業はダメ。河川の改修も計画的に進めなければ、河川流域の住民は守れない
・限りある予算を無駄にすれば、本当に必要な施設を建設できず、取り返しのつかない事態を招く。

形態ダム
税金投入額4000億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
8000億~1兆4000億円
役立たず度(5段階)★☆☆☆☆ 1

外部サイトへのリンク
愛川町観光協会 公式ホームページ

東京湾アクアライン(東京都)目次に戻る

 神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ『東京湾アクアライン』は首都TOKYOの実力を世界に知らしめる驚異の高速道路である。東京湾上に建設された「アクアブリッジ」の長さは日本最長の4384m。海底トンネルとしては世界最長の長さを誇る「アクアトンネル」は9607m。そして世界初の海上PA「海ほたる」と、全てが規格外、地方都市が見れば卒倒しそうな規模を有している。

 東京湾アクアラインが完成したことで、「東京⇔千葉⇔神奈川⇔東京」が1本のルートで繋がったことになる。日常使いはもちろん、災害時の「代替えルート」としての活躍も期待されており、関東圏の利便性・安全性が向上したと言えるだろう。なお、地中深くを通るトンネルは地震に強いため、避難場所としての役割も期待されている。

 ここまでは東京湾アクアラインの良い点ばかりを紹介してきたが、問題点も数多く指摘されている。その代表例は以下の通りだ。
日本道路公団(現NESCO)は総事業費の1兆4400億円を償還しなければならない。また、それにプラスして単年の維持管理費は約450億円をかかる。それらを通行料収益等で回収できなければ、赤字分は税金で補填される。
②通行料金3000円(開業時は4000円)は高すぎる。
③首都圏の代替えルート確保は重要。しかし、神奈川⇔千葉を結ぶルート(道路やフェリー)は無数にあるため、1兆4400億円(総事業費)を投じる価値があったとは思えない。

ケンタ
日本道路公団(現NESCO、民営化済み)は、1兆4400億円を30年で償還するために、通行料は約5000円と試算しました。しかし、高すぎるという意見が大半を占め、開業時は4000円に引き下げられたのです。
博多
高速道路は借金(総事業費)を完済して以降も、毎年の維持管理費は必ずかかります。それらを通行料収益等で回収できなければ、赤字分は税金で補填されることになるのです。

 借金(総事業費)を完済した公共施設は、お金を生み出す「打ち出の小づち」ではある。しかし、施設を運用する限り、維持管理費が発生することを忘れてはならない。収益で維持管理費を補填できれば国(県)の利益になるが、逆の場合は赤字を税金で補填する必要がある。

 公共施設の維持管理費(ライフサイクルコスト)は用途や種類によって異なるが、総事業費の2~3倍が相場と言われており、6倍近くに達するものもある。東京湾アクアラインで考えると約4.3兆円、100年運用すれば、単年あたり400億円以上の維持管理費がかかる計算になる。

 日本は超高齢化社会に突入し、税収は年々減少しつつある。それとは逆に、公共施設の維持管理費はこれからさらに増加することが予想されている。人が減り、車が減り、通行量が減れば、通行料収益も当然減る。通行料収益だけで高速道路を維持することはまず不可能なので、投入される税金はさらに増加するだろう。東京湾アクアラインが将来、日本の大きな負担にならないことを祈るばかりだ。

まとめ
巨大地震や台風時の代替えルートの確保は重要。災害が起きた際に、東京アクアラインがどのような機能を果たすかチェックしたい。
・借金(総事業費)を完済しても、維持管理費は毎年かかる。通行料収益等で維持管理費を賄いきれなければ、赤字分は税金で補填される

形態高速道路
税金投入額1兆4400億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
2.88兆~4.32兆円
役立たず度(5段階)★★☆☆☆ 2

外部サイトへのリンク
東京湾アクアラインの概要 千葉県公式ホームページ

東京国際フォーラム(東京都)目次に戻る

 『東京国際フォーラム』は日本を代表する総合文化施設である。国際的なコンベンションセンター(展示場や会議場など)として利用されており、様々なイベントや会議などを開催。「東京オリンピック」の競技会場にも選ばれている。なお、総事業費は1600億円超、開業から数年間は赤字続きだったが、運営を第三セクター「㈱東京国際フォーラム」に任せたことで黒字化に成功した。

 同施設にかかる維持管理費の一部(修繕、改良、増強費)は全て東京都が負担しているため、㈱東京国際フォーラムの黒字達成は当然の結果だった。なお、同費用を決算に計上すると、毎年80億~90億円の赤字になる。首都TOKYOは年度予算の規模が違うため、同施設にかかる維持管理費などあってないようなものということだ。

 東京国際フォーラムを一言で表現すると、「やりすぎ」である。世界を代表するコンベンションセンターを目指したい気持ちは理解できるが、全面ガラス張り、いびつな建物形状、豪華過ぎる内装にした結果、維持管理費を収入で賄うことは不可能なミッションだった

ペレス
文化施設を訪れる利用者は立派なハコモノではなく、そこで開催されるイベントや展示品を見にくる。すなわち、簡易のテントで開催しても中身が充実していれば、それで満足なのです。
ロキシー
立派なハコモノでイベントを開催すれば、確かに見栄えはいいと思います。しかし、ハコモノの建設費、維持管理費に血税が使われていることを忘れてはいけません。東京都が民間企業の経営感覚を持っていれば、東京国際フォーラムはもっと簡素な建物になっていたでしょう。

首都TOKYOの役人たちが立派なハコモノを作りたがる理由は以下の通りである。
①ひいきにしているゼネコンが儲かれば、自分の「」に繋がる。
②立派なハコモノを作れば、人が勝手に集まりお金を落とすと勘違いしている。
③首都TOKYOというブランドを世界にアピールしたい。つまり見栄を張りたい。

 美術館や音楽ホールなどの文化施設は、訪れる人々の感性や人間性を育てるなど、素晴らしい効果を期待できる。しかし、やみくもに税金を投入して施設を立派にするのは大きな間違いだ。前述の通り、そこを訪れる人々は、立派なハコモノではなくイベントや展示品を見にくる。中身が充実してればそれで満足なのだ。

 東京国際フォーラムの運営を第三セクターに丸投げしても、施設にかかる維持管理費が無くなるわけではない。しかし、首都TOKYOは雑魚(他の地方自治体)とは予算規模が違うため、90億円程度の予算措置など取るに足らないのだろう。

まとめ
文化施設に求められることは外面(立派なハコモノ)でなく内面(イベントや展示品)
・文化施設は感性や人間性を育てる役割などを担っている。しかし、国民のためという理由だけで税金をやみくもに投入するのは大きな間違い

形態総合文化施設
税金投入額1600億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
4800億~6400億円
役立たず度(5段階)★★★★☆ 4

外部サイトへのリンク
東京国際フォーラム 公式ホームページ

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 『南摩(なんま)ダム』は、栃木県鹿沼市を流れる利根川水系南摩川の中流で建設が進められている。同ダムは、高度経済成長期に策定された「思川(おもいがわ)開発事業」の中核を担い、栃木県と首都圏の水需要(利水)ならびに治水効果を期待されている。なお、前述の「八ッ場ダム」と並び、日本を代表する超長期工事案件としても知られている。

同ダムが長期案件化した理由は以下の通りである。
①建設予定地の住民との移転交渉決裂。
②栃木県と首都圏の水需要は年々減少しており、同ダムの建設する意味はないという意見が噴出。
③南摩川の流量は極めて少なく、過去に洪水/氾濫を起こした実績がない

 ②の意見はバブル崩壊後の公共事業見直しで議論されたものだ。数千億円を投じて作る価値はないと判断され、同ダムの建設計画は中止されるものと思われたが、役人たちの粘り強い交渉の結果、工事着手が正式に発表された。

信玄
南摩川の流量が極めて少ないことも問題視されています。過去に洪水/氾濫を起こした実績のない小川に巨大ダムはいらない、という意見が大多数を占めました。
テレサ
利根川水系に建設済みのダムは計8基。建設反対派は、これらで治水は十分に賄える、河川改修に予算を回すべきと意見提議しました。1000年に一度の雨に備えるか、それとも、ダムだけでなく河川改修を組み合わせた「総合治水」に切り替えるか・・・

 南摩ダムは2024年竣工を目指して工事が進められているものの、住民との移転交渉は決裂している状態だ。さらに栃木県と首都圏の水需要の低下、南摩川の水量問題などを考慮すると、同ダム建設は必要ない、もしくは計画見直しが最善の手段と思われる。

 同ダムの総事業費は1850億円を予定している。洪水/氾濫実績のない南摩川に巨大ダムを建設するより、2019年に発生した台風19号や21号の大雨で露呈した弱点箇所(氾濫を起こした河川)の改修を進めるべきだろう。

 役人たちが南摩ダムの建設を強行する理由は、工事計画の見直しには膨大な時間がかかるためだ。50年近く前とはいえ、工事計画は間違いなく「決裁」されている。役人たちは無駄と手間を徹底的に嫌うため、同ダムの付帯工事はひとまずこのまま予定通り進むだろう。なお、本体工事の着手には強固に反対するジュ民との移転交渉を成立させなければならない。南摩ダムが2024年までに完成するかは不透明な情勢だ。

まとめ
役人たちは、50年近く前に策定された計画を見直したくない。時間と手間がかかるためだ。
・利水/治水効果に問題点がある場合は、計画の見直しを行わなければならない。過剰な工事計画をそのまま実行に移すことは無駄遣い以外の何物でもない

形態ダム
税金投入額1850億円
ライフサイクルコスト※概算
(一生涯にかかる維持管理費)
3700億~5550億円
役立たず度(5段階)★★★★☆ 4

外部サイトへのリンク
思川開発建設所 公式ホームページ