大分県のおすすめ観光スポット2020年最新版(PART3)を紹介する。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。

 日本を代表する温泉県大分。近年、旅行慣れした外国人観光客が大幅に増加している。玄人バックパッカーたちは、人気温泉街ではなく、知る人ぞ知る秘境系(?)観光スポットに注目しており、大分県でもこれまであまり注目されていなかった地域に人が集まるようになった。

 今回は玄人向け(?)観光スポット12箇所を紹介する。「マニアック過ぎる」「意味不明」と感じても(失礼ですみません)、現地に足を運べばその良さをきっと理解できるはずだ。

目次

 1.日田市
   ・天領日田資料館
   ・フォレストアドベンチャー奥日田
   ・オートポリス
 2.玖珠郡
   ・旧久留島氏庭園
   ・旧豊後森機関庫
 3.佐伯市
   ・歴史と文学の道
   ・カブトムシモニュメント
   ・ツナの恩返し
 4.竹田市
   ・竹田湧水群
   ・長湯温泉
 5.豊後大野市
   ・犬飼港跡
   ・俚楽の郷伝承体験館

まとめ

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自治体日田市
(Hita city)
市庁舎所在地〒877-8601
大分県日田市田島2-6-1
総人口62,797人
代表的な名産/特産品しいたけ
牛乳
地酒
平成31年度当初予算595億円

 大分県北西部、福岡県と熊本県との県境に位置する『日田市』。周囲を山々に囲まれ、そこからもたらされる豊かな水と共に発展を遂げ、「水の都」と呼ばれてきた。市内を流れる清流「三隅川(みくまがわ)」沿いに住宅や企業が密集、都市圏を構築している。

 三隅川名物「屋形船(納涼船)」は、日田市を代表する夏の風物詩である。夏休み時期になると、数十の屋形船が川面に並び、大宴会が繰り広げられる。一人2,000円(17人以上の団体客限定)ほどで1貸し切れるため、団体旅行で利用する観光客/グループも多い。

 代表的な名産/特産品は「しいたけ」「牛乳」「」など。また、三隅川で獲れるヤマメやニジマス、鮎なども観光資源になっている。

 同市を通過する鉄道は「久大(きゅうだい)本線」と「日田彦山線」の2路線。起点/主要駅の「日田駅」から「久留米駅」までは約1時間、「大分駅」へは2時間近くかかる。

日田市のレンタカー店

天領日田資料館

 「天領(てんりょう)」とは、江戸時代における幕府管理地の俗称である。「幕府直轄領」という呼び名が一般的、日田市民は明治時代から使われるようになった天領と言う表現を様々な施設に用いている。ここで紹介する『天領日田資料館』は、その名の通り、日田市内の天領の歴史を記す資料などが展示されている。

 同館へのアクセスは、車/レンタカーもしくは「久大本線」を利用しよう。「日田駅」から徒歩20分。歴史を感じさせる風景、観光客向けに整備された石畳の舗装も良い感じである。同エリア(豆田町)には、江戸・明治時代から続く老舗や建造物などが数多く残されており、国の史跡、重要文化財に登録されている施設も多い。

 入館料は大人320円、小中高校生220円、以下無料。天領の歴史を物語る数百の展示物は、日田市を知るうえで欠かせないものばかりである。さらに、江戸時代初期の超貴重な「公文書」が数多く展示されており、歴史にあまり興味のない方でも度肝を抜かれるはずだ。

 同館には日田市で発見された弥生時代の貴重な鉄鏡「金銀錯嵌珠龍文鉄鏡(きんぎんさくがんしゅりゅうもんてっきょう)」のレプリカも展示している。これは「漢(中国の王朝)」からもたらされたもの、と言われている。なお、金銀を埋め込んだ弥生時代の鉄鏡はこれ以外発見(発掘)されておらず、本物は東京国立博物館に収蔵、国の重要文化財に登録されている。

 日田市と天領の歴史に満足した方は、同館前の「御幸(みゆき)通り」を散策しよう。お土産物店、飲食店、スイーツ店、様々な店舗が軒を連ねており、ウロウロするだけでも楽しい。また、同じく天領に関連する観光スポット「天領日田はきもの資料館」「天領まちの駅 地域物産館」なども、時間があればぜひチェックしてほしい。

まとめ
天領日田資料館には、日田市と天領の歴史を記した貴重な資料、公文書などが展示されている

金銀錯嵌珠龍文鉄鏡のレプリカは一見の価値あり。なお、本物は東京国立博物館に収蔵

観光スポット天領日田資料館
(てんりょうひたしりょうかん)
所在地〒877-0005
大分県日田市豆田町11-7
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→天領日田資料館
②大分空港→天領日田資料館
①アクセス国道210号線、県道21号線、大分自動車道を経由、日田ICで出る(約1時間15分)

国道212号線を目的地まで進む(約5分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、日田ICで出る(約1時間18分)

国道212号線を目的地まで進む(約5分)

到着

外部サイトへのリンク
日田市観光協会 公式ホームページ

フォレストアドベンチャー奥日田

 「フォレストアドベンチャー」とは、「冒険の森」の意味する体験型アドベンチャーパークである。大自然の中に設置されたアクティビティを全てクリアできれば、冒険野郎マクガイバー(?)を名乗っても良い。2020年3月、『フォレストアドベンチャー奥日田』は花々しくグランドオープンした。

フォレストアドベンチャーの利用条件、注意事項は以下の通り。
①小学四年生以上、身長140cm以上、体重130kg以下
②未成年者は、保護者もしくは同等の責任を持つ者と一緒に参加
自分の身(安全)は自分で守らねばならない
④墜落防止器具(ハーネス)を装着する。スタッフの指示に従い、ルールを遵守
⑤森林の中をアドベンチャーするため、虫(蛾やクモなど)に接する可能性大。苦手な方は注意
⑥アクティビティは樹木上(最大高さは15mほど)に設置されている。高所恐怖症の方は諦めた方が良い
着替え、タオル必須。身体を動かすので汗だくになる
⑧高齢者は見学、撮影係に徹した方が良い。孫の冒険する姿を目に焼き付けろ(?)

 現地へのアクセスには、車/レンタカーが必須。日田鹿本線を進むと、冒険の匂い(?)のする看板が現れる。なお、当然ながら森林内に自動販売機やコンビニはない。隣接する「道の駅 鯛生金山(たいおきんざん)」で飲み物等を購入しておこう。

 フォレストアドベンチャーで貸与される墜落防止器具は、自分の手で扱い、正しく使いこなさねばならない。使い方はスタッフがきっちりレクチャーしてくれるので、ルールを守り、事故防止に努めよう。なお、コースは複数用意されており、子供向けの「キッズコース」「キャノピーコース」もある。

 高難易度の「アドベンチャーコース」では、高所を「昇る、渡る、ぶら下がる、スライドする」といった感じで動き回る。自分の身を守るためには、「真剣かつ楽しくアドベンチャー」することが大切だ。男女を問わず楽しめる観光スポットなので、家族、カップル、団体でワイワイ「真剣に」楽しもう。

まとめ
フォレストアドベンチャー奥日田は、真剣かつ楽しく遊ぶ体験型アドベンチャーパークである
高所恐怖症の方、虫が苦手な方、体力に自信のない方は注意。潔く諦め、見学、撮影係に徹することも大切

観光スポットフォレストアドベンチャー奥日田
(ふぉれすとあどべんちゃーおくひた)
所在地〒877-0302
大分県日田市中津江村合瀬3750
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→フォレストアドベンチャー奥日田
②大分空港→フォレストアドベンチャー奥日田
①アクセス国道210号線、県道21号線、大分自動車道を経由、九重ICで出る(約50分)

国道387号線、国道442号線を経由、目的地まで進む(約56分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、九重ICで出る(約53分)

国道387号線、国道442号線を経由、目的地まで進む(約56分)

到着

外部サイトへのリンク
フォレストアドベンチャー 公式ホームページ

オートポリス

 日田市上津江町の山中に『オートポリス』はある。バブル景気真っただ中の1980年代に建設が開始、1990年営業開始。人気ドライバーの博物館やホテルなども併設され、F1第3戦アジアグランプリの誘致に成功した輝かしい実績を誇る。

 1992年、バブル崩壊のあおりを受け、運営会社の「日本オートポリス」は倒産、F1アジアグランプリの会場もも変更された。そして現在、紆余曲折を経てオートポリスは無事再建、「SUPER GT」などのレース誘致を積極的に進めている。

 オートポリスは、「FIA(国際自動車連盟)」に公認されたサーキットである。九州唯一、FIAの公認を受けたサーキットは国内に6箇所しかない。「そんな場所で観光客向けのイベント?」と心配になるが心配無用である。イベントや体験会が高頻度で開催されており、コースを走行することも可能だ(もちろん自家用車で)。

 入場料500円(中学生以下無料)を払ったら、サーキットを一望できる観客席に移動しよう。コース長4,674m、広く、すみずみまで手入れが行き届いており、もちろんゴミなど落ちていない。国際規格をクリアしたサーキットの凄さが一目で分かるはず。また、ライセンス講習などが行われていると、スポーツカーの走行も見学できる。車好きでなくてもワクワクすること間違いなしだ。なお、コースレコードはスーパーフォーミュラのダラーラ・SF14が記録した「1分25秒799」。1kmを約18秒で駆け抜ける計算である。早すぎる・・・

 国際規格のサーキット場を駆け抜けたい方は、一人2,000円で体験走行が可能。スケジュールをチェックしたうえで申し込もう。また、アマチュアレーサーにより「4輪走行会」「2輪走行会」などの見学も楽しい。世界初、ママチャリワールドグランプリ4時間耐久レース」に参加(一人1,000円)し、世界の頂点を目指しても良いだろう。

まとめ
オートポリスはレース以外のイベントも充実。自家用車でのコース走行も可能
レース観戦もおすすめ。一般席が6,000円ほど(レースにより異なる)で販売されている

観光スポットオートポリス
(おーとぽりす)
所在地〒877-0312
大分県日田市上津江町上野田1112-8
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→オートポリス
②大分空港→オートポリス
①アクセス国道10号線、国道442号線、県道412号線他を経由、目的地まで進む(約1時間52分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、九重ICで出る(約53分)

国道387号線、県道134号線、県道12号線を経由、目的地まで進む(約1時間6分)

到着

外部サイトへのリンク
㈱オートポリス 公式ホームページ

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自治体玖珠郡
(Kusu county)
市庁舎所在地【九重町】玖珠郡九重町大字後野上8-1
【玖珠町】珠郡玖珠町大字帆足268-5
総人口23,476人
代表的な名産/特産品地酒
トマト
ブルーベリー
平成31年度当初予算245億円

 『玖珠(くす)郡』は、「九重町(ここのえまち)」と「玖珠町(くすまち)」の2町で構成される内陸の町である。豊かな自然と周囲の山々からもたらされる清らかな水が町の発展を支えてきた。

 主要産業は農業と畜産業。キレイな水のおかげで美味しい農作物が実り、「玖珠米」は同群を代表する人気ブランドになった。また、ご当地料理「からあげ」「とり天」に使われる「玖珠鶏」のジューシーな肉質と食感にハマる人も多い。玖珠鶏目当ての「からあげマイスター(?)」もいるというから驚きだ。

 人気観光地として名高い「耶馬渓(やばけい)」は、玖珠郡や中津市などの河川沿いに形成された渓谷群である。「耶馬渓マジやば系」とSNSなどで話題になり、毎年多くの観光客を受け入れる人気観光スポットになった。また、近年急速に競技人口を増やしている「スポーツ/フリークライミング」も盛んに行われている。

玖珠郡

旧久留島氏庭園

 江戸時代、玖珠(くす)郡玖珠町一帯は「森(もり)藩」の治世下にあった。ここで紹介する『旧久留島氏庭園』は、森藩の実力者「久留島(くるしま)氏」の屋敷である。なお、同庭園を含む広大なエリアは「三島公園」として管理されている。

 現地へのアクセスは車/レンタカーで。玖珠町の繁華街、「久大本線 豊後森」駅近くから車で約10分。国道387号線を北上し、三島公園駐車場に向かおう。公園内を進むと、巨大な石が配置された庭園と屋敷が見えてくる。

 旧久留島氏庭園は「国の名勝/史跡」に指定されている。いち家臣の屋敷が高く評価されている理由は、保存状態の良さと芸術性の高さにある。高低差を活かした三つの庭園の配置バランス。効率的かつ美しさも重視されており、藩主のこだわりを感じさせる。さらに、「藩主御殿」「茶屋」「栖鳳楼(せいほうろう)」、三つの建物の保存状態も大変良く、そこから見える庭園の眺めは息をのむ美しさである。。

 栖鳳楼を頂点に、三つの庭園が高低差と地形、バランス、眺望、そして効率性まで考慮され整備。巨大な石も景色や空間を壊すことなく配置、当時の技術者たちの凄さを痛感させられるはずだ。屋敷、庭、池、巨石、樹木、全てが完璧に調和し、ひとつの構造物を成している、と評価する専門家も多いという。

 庭園、栖鳳楼を見学(入園料無料)した後は、徒歩で西に移動、「末廣神社」へ向かおう。参拝者の多い神社ではないものの、歴史を感じさせる本堂と周囲を覆う自然、木々、そして高台から見下ろす景観が素晴らしい。鳥居をくぐり神域に入った後は、「日本一大きな手水鉢(ちょうずばち)」で口をすすぎ、身を清め、参拝しよう。

まとめ
旧久留島氏庭園は、国の名勝/史跡に指定。屋敷とそこから見える庭園の眺めは一見の価値アリ
三島公園は歴史と文化の宝庫。森藩の資料館、久留島氏の記念館も併設されているので、興味のある方はチェック

観光スポット旧久留島氏庭園
(きゅうくるしまていえん)
所在地〒879-4404
大分県玖珠郡玖珠町大字森855
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→旧久留島氏庭園
②大分空港→旧久留島氏庭園
①アクセス国道210号線、県道21号線、大分自動車道を経由、玖珠ICで出る(約57分)

国道387号線を目的地まで進む(約5分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、玖珠ICで出る(約1時間)

国道387号線を目的地まで進む(約5分)

到着

外部サイトへのリンク
玖珠町役場 公式ホームページ

旧豊後森機関庫

 『旧豊後森(ぶんごもり)機関庫』は、玖珠郡でかつて運行されていた「蒸気機関車」の機関庫である。1934年に運行を開始し、最盛期には20台を超える蒸気機関車が玖珠郡とその周辺エリアを疾走していた。

 現在運行されている電車(新幹線、JR、私鉄など)は車両の前後に区別を設けておらず、「方向転換」する必要がない。しかし、蒸気機関車は前後に違いがあったため、方向転換するための大規模な「転回場」が必要不可欠であった。旧豊後森機関庫にも巨大転回場が当時のまま残されており、鉄道ファンだけでなく、老若男女を楽しませている。

 同機関庫へのアクセスは、車/レンタカーもしくは「久大本線」を利用しよう。「豊後森駅」から徒歩5分、線路沿いを東に進むと、「豊後森機関庫ミュージアム」と書かれた看板が目につくはず。機関庫本体を見学する前に、玖珠郡と蒸気機関車の歴史を勉強しても良いだろう。なお、ミュージアムの入場料は中学生以上100円、以下無料である。

 子供向けに作られた蒸気機関車の模型や展示品、資料などをチェックしたら、併設の「ミニSLコース」を通過し、機関車の方向転換に利用された巨大転回場エリアに移動しよう。そこには人々を乗せ走っていた蒸気機関車の先頭車両が展示されている。ゴツゴツした車体は迫力満点、目の前で見学できるため、鉄男や鉄ガールはもちろん、子供も泣いて喜ぶほど興奮するはずだ。

 蒸気機関車の全て(ボディ、車輪、駆動部など)を舐めるように見学した後は、機関庫と巨大転回場本体もチェックしよう。使い古されたボロボロの施設が、蒸気機関車と職員の苦労を物がっているように見える。また、機関庫の外壁には「銃痕(太平洋戦争時に機銃掃射を受けた)」も残されている。

 玖珠郡の人々を支えてきた蒸気機関車は、当時の歴史と文化を後世に伝えるべく、今日も静かに観光客の来訪を待っている。

まとめ
旧豊後森機関庫には、玖珠郡の人々を支えてきた蒸気機関車が展示されている
ミュージアムの展示品、資料も要チェック。機関庫本体を見学する前に立ち寄りたい

観光スポット旧豊後森機関庫
(きゅうぶんごもりきかんこ)
所在地〒879-4403
大分県玖珠郡玖珠町大字帆足242-7
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→旧豊後森機関庫
②大分空港→旧豊後森機関庫
①アクセス国道210号線、県道21号線、大分自動車道を経由、玖珠ICで出る(約57分)

国道387号線を目的地まで進む(約2分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、玖珠ICで出る(約1時間)

国道387号線を目的地まで進む(約2分)

到着

外部サイトへのリンク
くすまち観光協会 公式ホームページ

佐伯市目次に戻る

自治体佐伯市
(Saiki city)
市庁舎所在地〒876-8585
大分県佐伯市中村南町1-1
総人口67,722人
代表的な名産/特産品ヒラメ
マグロ
ポンカン
平成31年度当初予算650億円

 大分県最南端、宮崎県との県境に位置する『佐伯(さいき)市』。大分県随一の「漁業の町」であり、生産量日本一を誇る「養殖ヒラメ」や、「伊勢海老」「マグロ」は同市の発展を支えてきた。入り組んだ海岸線(リアス式海岸)が複雑な潮流を形成し、プランクトンが大量に発生する。結果、同市近海は魚介類の楽園になった。

 佐伯市では海の幸を活かしたイベントが数多く開催されている。「海のダイヤ」の異名を持つ伊勢海老を期間限定で提供する「東九州伊勢海老街道(伊勢えび祭り)」は、隣接の宮崎県「延岡(のべおか)市」と共に食欲の秋を盛り上げる。伊勢海老料理を堪能したい方は、秋の佐伯市(もしくは延岡市)に足を運んではいかがだろうか。

 なお、佐伯市を訪れる際は車/レンタカーを利用すべきであろう。市内を「日豊本線」が縦断しているものの、起点となる「佐伯駅」以南の運行本数は1日3本(往復)のみ。残念ながら利便性はいまいちなので、観光を計画している方は、車を準備してほしい。

佐伯市のレンタカー店

歴史と文学の道

 漁業の町、佐伯市を訪れた際は、マグロや伊勢海老だけでなく、同市の歴史を感じさせる街並みにも注目してほしい。ここで紹介する『歴史と文学の道』を散策すれば、古き良き日本の伝統、美しい街並み、さらに佐伯市の歴史まで同時に堪能できるぞ。

 歴史と文学の道へのアクセスは、車/レンタカーもしくは「日豊本線 佐伯駅」から徒歩で向かおう。国道217号線と並行して走る町道を20分ほど南下。交差点を通過し、右手に「養賢寺(ようけんじ)」が見えたら、「石畳み造り」の歴史と文学の道に到着だ。なお、養賢寺は「修行寺」のため拝観できない。

 景色を楽しみつつ南下すると、文豪「国木田独歩(くにきだどっぽ)」の記録、資料などを展示する「国木田独歩館」が。その向かいには「城下町観光交流館」がある。文豪の残した作品に思いを馳せつつ、佐伯市の歴史と文化も同時に見学すると良いだろう。なお前者の入館料は大人200円、小中高生100円、以下無料。後者は無料である。

 紅葉の季節に訪れたい「旧山中邸跡」を通過したら、「茶室 汲心亭(きゅうしんてい)」で一息入れたい。希望者には抹茶と和菓子(300円)も容易してくれるので、小休憩にピッタリである。なお、汲心亭の向かい、看板のないパン屋こと「かくれが」は、地元民に愛されるメロンパンの名店。クリームパンも美味しいのでおすすめだ。

 メロンパンもしくはクリームパンを購入したら、歴史と文学の道を少し外れ、「城山歴史公園」へ向かおう。手前の「佐伯城 三の丸櫓門(やぐらもん)」を通過し、公園最頂部、本丸跡を目指す。少しだけ上り坂になっているが、気合で5分ほど歩いてほしい。本丸跡に到着したら、佐伯市の景色を眺めつつメロンパンを頬張る。その他の施設にも足を運びたいと言う方は、佐伯市観光協会のホームページをチェックしよう。

まとめ
桜と紅葉の季節は特に混雑する。なお、雨の散策もおすすめ。石畳が濡れ、情緒が増す
歴史と文学の道を散策すれば、己の見聞を深めることができる。また、かくれがのメロンパンも美味い

観光スポット歴史と文学の道
(れきしとぶんがくのみち)
所在地〒876-0848
大分県佐伯市城下東町9
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→歴史と文学の道
②大分空港→歴史と文学の道
①アクセス県道21号線、県道56号線、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約50分)

国道217号線を目的地まで進む(約9分)

到着
②アクセス大分空港道路、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約1時間28分)

国道217号線を目的地まで進む(約9分)

到着

外部サイトへのリンク
佐伯市観光協会 公式ホームページ

カブトムシモニュメント

 佐伯市の中央部、豊かな自然に囲まれた「直川(なおかわ)地区」は、知る人ぞ知る「カブトムシの聖地」である。佐伯市の繁華街から車/レンタカーで約20分、「日豊本線」と並行して走る国道10号線を進み直川地区に入ると、万人の度肝を抜く昆虫が目の前に現れる。

 「昆虫の里」と書かれた木柱にとまった巨大カブトムシ。直川地区の象徴『カブトムシモニュメント』の全長は何と6.5m。想像以上にデカいので、虫が苦手な方は直視しない方が良いだろう。なお、国道10号線は通行量が多く路駐厳禁。ひとまずそのまま国道10号線を直進し、「直川地区公民館」駐車場に車を止めよう。

 世界一巨大なカブトムシモニュメント(そもそもモニュメント、オブジェが少ない)は、ムシキング世代(?)でなくても、興奮すること間違いなし。近くで見ると身体の内側・細部まで細かく忠実に再現されていることが分かる。直川地区の本気を写真に収めたら、車に戻り、603号線を南下、「直川憩の森公園 昆虫館」を目指そう。

 同昆虫館は、「直川憩いの森公園キャンプ場」内に整備されたアクティビティのひとつである。車を止めたら、キャンプ場に続く橋を渡り、いざ目的地へ。館内には1,000種を超える昆虫の標本約5,000点が展示されている。さらに、昆虫界のレジェンド、約2億年前のジュラ紀から生息していたとされる「ムカシトンボ」の標本は必見。ジュラ紀へ思いを馳せつつ、他の標本もチェックしよう。

 また、夏に同キャンプ場を訪れた時は、「かぶとむしふれあい館」で心ゆくまでカブトムシと戯れてほしい。ここでは、男の心を掴んで離さないカブトムシの生態を観察、直接触れることもできる。

 キレイめ女子向けの観光スポットではない、と文句を言われそうだが、カブトムシなどの昆虫をじっくり観察することで、虫の魅力に気づく女性も多いという。先入観だけで気持ち悪いと敬遠しても、カブトムシたちと心を通わす(?)ことはできないだろう。なお、同キャンプ場管理事務所「ぱぴよん」では、カブトムシの販売(夏季限定)も行っている。

まとめ
直川地区はカブトムシの聖地。全長6.5mのモニュメントは迫力満点である
直川憩いの森キャンプ場は、昆虫に関連するアクティビティが豊富

観光スポットカブトムシモニュメント
(かぶとむしもにゅめんと)
所在地〒879-3101
大分県佐伯市直川大字赤木
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→カブト虫モニュメント
②大分空港→カブト虫モニュメント
①アクセス県道21号線、県道56号線、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約50分)

国道10号線を目的地まで進む(約16分)

到着
②アクセス大分空港道路、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約1時間28分)

国道10号線を目的地まで進む(約16分)

到着

外部サイトへのリンク
佐伯市観光協会 公式ホームページ

ツナの恩返し

 漁業の町佐伯市を代表する海の幸「マグロ」。寿司、海鮮丼、ツナなどに姿を変え、世界中の食通を唸らせていることは周知の事実である。佐伯市他九州各県で獲れる「ビンナガマグロ」は、クロマグロよりはるかに小さい。しかし、味が良ければ文句を言う者などおらず、結果、佐伯市はマグロの町と呼ばれるようになった。

 ここで紹介する『ツナの恩返し』は、佐伯市で毎年開催されているマグロフェスティバルである。市内の寿司店、飲食店、居酒屋、ホテル、さらには道の駅まで参戦し、期間中、町はマグロで埋め尽くされる。なお、開催期間は2月初めから4月中旬頃(年によって多少前後する)まで。

 同イベントに参加している店舗を期間中に利用すると、あるプレゼントの応募資格を与えられる。厳選な抽選の結果、選ばれた1名にはなんとマグロ1本と寿司職人(?)がプレゼントされるのだ。しかし、寿司職人の引き取り(?)は遠慮したい、と誰もが考えるはず。安心してほしい。当選者の希望する場所(自宅、宴会場など)に寿司職人が出張しマグロ1本を解体、寿司数千貫を無料で提供してくれる。そして、全てが終われば寿司職人は帰宅、という流れになる。

 期間中にマグロを食した結果、ツナ(マグロ)と寿司職人が恩返しに現れる。「ツルの恩返しのパクリではないのか?」とおっしゃる方もいるようだが、パクリではなく、佐伯市風にアレンジ(?)しただけだ。そもそもツルは寿司など握らない。

 ツナからの熱い恩返しを受けたい方は、佐伯市へ足を運ぼう(もちろん開催期間中に)。参加店舗をチェックし、マグロ料理をいただけばエントリー完了である。おすすめ店舗は佐伯市中村南町の寿司割烹「亀八寿司」。「美しい女将」とマグロをタップリ堪能できるだろう。また、同店は繁華街エリア(佐伯駅周辺)からも近く、その他の寿司店、飲食店、居酒屋をはしごしたい方にもおすすめだ。

まとめ
ツナの恩返しは、ツルの恩返しを佐伯市風にアレンジしたマグロフェスティバルである
選ばれし1名にはマグロ1本と寿司職人が贈呈される

観光スポットツナの恩返し
(つなのおんがえし)
所在地〒876-0854
大分県佐伯市中村南町7-12
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→亀八寿司
②大分空港→亀八寿司
①アクセス県道21号線、県道56号線、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約50分)

県道219号線、国道217号線を経由、目的地まで進む(約10分)

到着
②アクセス大分空港道路、東九州自動車道を経由、佐伯ICで出る(約1時間28分)

県道219号線、国道217号線を経由、目的地まで進む(約10分)

到着

外部サイトへのリンク
佐伯市観光協会 公式ホームページ

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自治体竹田市
(Taketa city)
市庁舎所在地〒878-8555
大分県竹田市大字会々1650
総人口20,315人
代表的な名産/特産品サフラン
かぼす
トウモロコシ
平成31年度当初予算281億円

 『竹田(たけた)市』は熊本県と宮崎県との県境に位置する内陸の町である。豊かな自然に癒されたい、都会の喧騒から逃れたい方たちからは、「スピリチュアル観光スポット」として人気を集めているようだ。

 豊かな自然は周囲を囲む1,000m級の山々からもたらされている。北の「くじゅう連山」、西の「阿蘇山」を望む大草原は、北海道を彷彿とさせるほど広大かつ美しい。さらに、隣接する火山の恵みは、「湧水群」として竹田市の農業や畜産業を支えてきた。

 代表的な名産/特産品は「サフラン」「かぼす」「とうもろこし」など。日本唯一のサフラン生産地として知られているが、安価な輸入品や生産者の高齢化に伴い、生産量は減少傾向にある。竹田市の「サフラン茶」は味、香り、共に世界一(海外品に比べると品質が格段に良い)と言われているので、お土産におすすめだ。なお、流通量が非常に少なく、幻のお茶と呼ばれている。

竹田市周辺のレンタカー店

竹田湧水群

 『竹田湧水群』は、竹田市の東部、阿蘇山系を水源とする湧水スポットである。そこから湧き出る水は市民の生活を支え、農業や畜産業の発展にも貢献してきた。また、近年は観光地としても脚光を浴びており、冷たく澄んだ水を求め多くの観光客が押し寄せるという。

 竹田湧水群へのアクセスは車/レンタカーもしくはタクシーを利用する。「日豊本線 豊後竹田駅」から車で約10分、県道8号線を南に進むと、「名水」と書かれた標識や看板が見えてくる。まずは「河宇田(かわうだ)湧水」に向かおう。

 河宇田湧水は、竹田湧水群の中で最も水量が多い。澄んだ水が際限なく溢れ出し、地元民の飲料水として重宝されている。また、魚の養殖場、飲食店などが併設されており、一息入れる休憩スポットとしても最適だ。なお、湧水の水温は約16℃、かなり冷たく、がぶ飲みするとお腹を冷やすので注意したい。

 河宇田湧水を通過、少し進むと、「泉水(せんすい)湧水」が右手に現れる。ここには水汲み場がないものの、自然のままの姿、水がこうこうと湧き出す様子を観賞できる。なお、水質はミネラルを多く含む軟水、飲料水メーカーのミネラルウォーターにも利用されているという。

 時間に余裕があれば、少し離れた地点にある「白水(しらみず)の滝の湧水」にも足を運んでみよう。ちなみに、ここまで紹介した湧水スポットは、観光客や地元民向けに整備された場所ばかりである。地元民しか知らない「名もなき湧水スポット」が他にも無数に存在するため、周辺を散策しても面白いだろう。

 竹田湧水群の水で作るコーヒーは格別に美味い(と個人的に思う)。訪れる際は、タンクサイズのペットボトルを持参し、タップリ持ち帰らせてもらおう。もちろん全て無料である。

まとめ
竹田湧水群は、名水百選に選ばれている。水はお持ち帰り自由なので、タンクサイズのペットボトルを持参したい
湧竹田湧水群の水で作ったコーヒーは格別に美味い

観光スポット竹田湧水群
(たけたゆうすいぐん)
所在地〒878-0033
大分県竹田市大字入田
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→竹田湧水群
②大分空港→竹田湧水群
①アクセス国道10号線、県道21号線、県道56号線、国道57号線、県道8号線を経由、目的地まで進む(約1時間)

到着
②アクセス県道545号線、国道213号線、国道10号線他を経由、目的地まで進む(約2時間)

到着

外部サイトへのリンク
竹田市観光協会 公式ホームページ

長湯温泉

 大分県の人気観光地・温泉といえば、「別府温泉」「由布院/湯布院温泉」を思い浮かべるはず。両者は日本を代表する温泉街として世界中から観光客を誘致している。しかし、ここでは両者に劣らぬポテンシャル、潜在能力を秘めた『長湯温泉』を紹介したいと思う。

 長湯温泉から湧き出す世界最高水準の「炭酸泉」は、世界中の玄人温泉ソムリエ(?)たちから羨望の眼差しを浴びている。知名度では別府、由布院に劣るものの、先述の通り、ポテンシャルは一級品、湯に浸かった瞬間、身体をシュワシュワと気泡が包み込み、まるでラムネの中に入っているような感覚を味わえるはずだ。さらに温浴効果も高く、身体が芯から温まり、モチモチツルツル卵肌までGETできる。

 現地へのアクセスは、車/レンタカーで。「日豊本線 豊後竹田駅」から車で約25分、県道47号線を北上し、「芹川(せりかわ」が見えたらゴールは目の前だ。なお、訪れる際はぜひ旅館をご予約いただきたい。日帰り入浴も可能だが、温泉にゆったり浸かった後は、ご当地食材を肴に大分麦焼酎もしくはビールを堪能すべきであろう。

 長湯温泉街の旅館は、皆炭酸泉をウリにしている。どこでもシュワシュワラムネ(?)を堪能できるが、ここでは外湯巡り専用旅館「ガニ湯本舗 天風庵(てんぷうあん)」を紹介しよう。宿泊料は夕食朝食込みで約8,000円。歴史を感じさせる木造の本館が気分を高揚させる。また、客室、家族湯などもすみずみまで掃除が行き届いており、文句ない。

 チェックインしたら、外湯にレッツラGO(?)である。女性には「宿房 翡翠之庄(無料)」「万象の湯(無料)」などをおすすめしたい。そして男共(?)は、天風庵の北、芹川河川敷の露天風呂に入湯すること。混浴風呂/温泉として運営されているが、女性の利用客は少ない。周囲の旅館、民家、道路、歩道から丸見えなので、元気ギンギン(?)な若いメンズたちが入湯していると、地元のマダムに取り囲まれるはずだ。撮影会(?)を希望されたら、快く応じよう。

まとめ
長湯温泉のシュワシュワ炭酸水は温浴効果が高い。モチモチツルツル卵肌をGETしたい
芹川沿いの露天風呂は必見。周囲から丸見えなので、下腹部を露出しないこと

観光スポット長湯温泉
(ながゆおんせん)
所在地〒878-0402
大分県竹田市直入町大字長湯
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→長湯温泉
②大分空港→長湯温泉
①アクセス国道10号線、国道442号線、県道412号線、県道30号線を経由、目的地まで進む(約48分)

到着
②アクセス県道545号線、国道213号線、国道10号線他を経由、目的地まで進む(約1時間42分)

到着

外部サイトへのリンク
長湯温泉 公式ホームページ

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自治体豊後大野市
(Bungoo-no city)
市庁舎所在地〒879-7198
大分県豊後大野市3-1200
総人口33,782人
代表的な名産/特産品地酒
ハトムギ茶
味噌
平成31年度当初予算291億円

 竹田市の東、大自然と豊かな水資源に恵まれた『豊後大野(ぶんごおおの)市』は、知る人ぞ知る自然歴史系観光スポットのメッカである。周囲を取り囲む山々からもたらされる水(河川)が、同市の産業を支える原動力となった。圧倒的な存在感を放つ「原尻の滝」がその代表である。

 竹田市の象徴的存在になった巨大瀑布は、「雷鳴の轟く滝」と呼ばれ多くの観光客を魅了している。本場「ナイアガラの滝」ほどではないが、「幅120m、高さ20m」から放出される大量の水に度肝を抜かれる人も多いという。なお、同エリアの巨大なくぼみは、阿蘇カルデラの破局噴火によって地形が大きく変化し形成された、と言われている。

 また「、日本最大の石橋(出会橋)」「日本最長の水中鍾乳洞(稲積水中鍾乳洞)」なども、人類および地球の歴史を感じさせる素晴らしい観光スポットだ。交通利便性の良い地域ではないが、唯一無二を体感したい外国人観光客に支持されるのも納得である。

豊後大野市

犬飼港跡

 豊後の国(現豊後大野市とその周辺)を統治していた「岡藩」。織田信長や豊臣秀吉に仕えた「中川家」を藩主とし、廃藩置県(1871年)まで存続したと伝えられている。また岡藩は、現代の豊後大野市と同じく、米や味噌を江戸や大阪などに輸送し、財政を支えていた。

 岡藩の財政を支えていた農作物は、「大野川」河川敷に整備された『犬飼港(現犬飼港跡)』から船を使って各地へ輸送。また、物流拠点としてだけでなく、藩主の「参勤交代」時にも利用されていたという。車などない時代、大野川を進む川船は、藩主の大切な移動手段のひとつだった。

 残念ながら、犬飼港は現存していない。しかし、当時の面影を残す施設跡が残っており、一部のマニアックな玄人観光客を楽しませている。現地へは車/レンタカー、もしくは「豊肥(ほうひ)本線 犬飼駅」から徒歩で移動しよう。大野川沿いの町道を南に10分ほど進むと、河川敷に残された船着き場跡が見えてくる。

 江戸時代に整備されたと言われている石畳と石段、川船を着岸させれば、簡単に荷積み・荷下ろしできるはずだ。物流の拠点として栄えた犬飼港は、明治時代以降、利用本数が激減、廃止され現在に至る。トラック・鉄道・海上輸送が主流になった今、川船で物を運ぶことはまずあり得ない。しかし、江戸時代から脈々と続く物流の歴史を後世に伝える貴重な文化遺産として、犬飼港跡はこれからも存続し続けるだろう。

 見学を終えたら、犬飼港跡の北にある「波乗り地蔵」まで移動しよう。波乗りと地蔵の組み合わせが何ともおかしく不思議に思えるはず。これは、中川家藩主が航行の安全を祈願し地蔵の絵を描かせた、と伝えられている。現代であれば、仏門に帰依する若い僧侶がサーフィン(波乗り)を行ってもおかしくない。しかし、江戸時代に波乗りという文化(スポーツ)があった、という記録は一切残されておらず、サーフィン僧侶(?)が実在したかは不明である。

まとめ
犬飼港は岡藩の物流拠点として栄えた。当時の面影を残す石畳と石段が跡地に残されている
波乗り地蔵も漏れなくチェックしよう。他に類を見ない摩訶不思議な絵である

観光スポット犬飼港跡
(いぬかいこう)
所在地〒879-7301
大分県豊後大野市犬飼町犬飼
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→犬飼港跡
②大分空港→犬飼港跡
①アクセス国道10号線、県道21号線、県道56号線、県道631号線を経由、目的地まで進む(約29分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、大分米良ICで出る(約55分)

国道10号線、県道631号線を経由、目的地まで進む(約21分)

到着

外部サイトへのリンク
ぶんご大野 里の旅公社 公式ホームページ

俚楽の郷伝承体験館

 豊後大野市は「乾燥しいたけ」と「伝統芸能」の町である。前者の生産量は大分県でもトップクラス、肉厚なしいたけは家庭料理に欠かせない「キング・オブ・庶民派キノコ」である。また、後者を代表する「神楽(かぐら)」は市内の各役場/自治体に伝承、祭りやイベントなどで毎年披露されている。

 ここで紹介する『俚楽の郷(りがくのさと)伝承体験館』は、豊後大野市の伝統などを体験できる観光スポットである。現地へのアクセスは車/レンタカーもしくは、「豊肥本線 緒方駅」から徒歩で向かおう。駅の北、県道210号線を10分ほど東進すると目的地が見えてくる。入場料は大人300円、小中高生150円、以下無料

 俚楽の郷伝承体験館は、「The Vage Cafe Ms.(カフェ)」「多目的ホール」「伝承館」の3施設で構成されている。多目的ホールは町のイベントを行ったり、学校や一般企業(個人でも利用可)などが利用するという。そして、同体験館のメインを担う伝承館には、「後藤 絹(きぬ)」さんの作った300点を超える紙粘土人形が展示されている。

 後藤女史は豊後大野市生まれの一般女性、故人である。同女史が一人で作った「絹さん人形」の暖かみ、そしてクオリティの高さ。伝承館に一歩足を踏み入れれば、戦後復興間もない昭和の時代にタイムスリップした気分を味わえる。「台所で料理を作る母親と娘」「カルタ取りを楽しむ子供たち」など、古き良き時代を思い起こさせる作品を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまうだろう。

 絹さん人形の持つ暖かみは、世界を席巻する新時代のテクノロジーでも、決して再現できない。人形に後藤女史の魂が宿っていると言っても過言ではないだろう。古き良き時代を思い出したい団塊の世代は必見。令和の世を生きる若者も、絹さん人形の暖かみに触れれば、過ち(?)を悔い改めようと思うはずだ。不思議な魅力を持つ絹さん人形は、豊後大野市を代表する伝統芸能の宝である。

まとめ
後藤女史の作った絹さん人形の持つ暖かみを、言葉で説明することはできない
団塊の世代はもちろん、令和の世を生きる若者にもおすすめしたい

観光スポット俚楽の郷伝承体験館
(りがくのさとでんしょうたいけんかん)
所在地〒879-6601
大分県豊後大野市緒方町馬場388-1
地図
※クリックでGoogle map起動
①大分駅→俚楽の郷伝承体験館
②大分空港→俚楽の郷伝承体験館
①アクセス国道10号線、県道21号線、県道56号線、国道57号線、県道210号線を経由、目的地まで進む(約52分)

到着
②アクセス大分空港道路、大分自動車道を経由、大分米良ICで出る(約55分)

国道10号線、国道57号線、県道210号線を経由、目的地まで進む(約45分)

到着

外部サイトへのリンク
おくぶんご緒方荘 公式ホームページ

まとめ

 今回は大分県の玄人向け観光スポット12箇所を紹介した。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきた。

 大分旅行を計画されている方は、温泉、しいたけ、からあげ、とり天、海の幸をぜひコンプリートしてほしい。また、有名な施設/エリアだけでなく、玄人向け、マニアック(失礼ですみません)な観光スポットも漏れなくチェックすべきであろう。

 最後に、ここで紹介した12箇所を訪れる際は、必ず現地の最新情報をチェックすること。コロナウィルスが終息次第、大分県に足を運んでほしい。最後までお読みいただきありがとうございました。

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