長崎県のおすすめ観光スポット2020年最新版(PART2)を紹介する。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。

今回も玄人バックパッカー向けの少しマニアックな観光スポット13箇所をチョイスした。どれも定番と呼ばれる観光スポット(稲佐山、長崎原爆資料館、軍艦島など)ではない。アクセス困難な場所もあるため、観光/旅行計画を立てる際は、事前に現地の最新情報をしっかりチェックしてほしい。特に、移動手段が限定される「離島」へのアクセスは要注意である。

目次

 1.北松浦郡
   ・旧野首教会
   ・玉石鼻
 2.東彼杵郡
   ・高峰山の男岩
   ・日向の棚田
 3.諫早市
   ・諫早湾
   ・轟峡
 4.大村市
   ・儀太夫記念館
   ・ボートレース大村
   ・妻子別れの石
 5.島原市
   ・しまばら湧水館
   ・キリシタン墓碑
 6.雲仙市
   ・おもちゃ博物館
   ・雲仙ビードロ美術館

まとめ

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自治体北松浦郡
(Kitamatsuura county)
市庁舎所在地【小値賀町】北松浦郡小値賀町笛吹郷2376
【佐々町】北松浦郡佐々町本田原免168-2
総人口16,159人
代表的な名産/特産品あおさ
ピーナッツ
みそラスク
平成31年度当初予算189億円

北松浦郡』は「小値賀町(おぢかちょう)」と「佐々町(ささちょう)」の2町で構成される。佐々町は九州本土、小値賀町は離島の自治体である。

小値賀町は「五島列島」北部、小値賀島群および野崎島群で構成。有人島が7つ、無人島多数、陸続きの自治体は存在しない。漁業の町として発展してきたが、高度経済成長期以降、人口は右肩下がりで減少し続けている。これに危機感を持った島民と行政は、「おぢかアイランドツーリズム」という体験型観光企画に力を入れるようになった。

小値賀町(島)へのアクセス方法はフェリーのみ。車は本土に残し、徒歩、レンタカーもしくはタクシーでの観光が基本になる。フェリーの運航本数、時間、天候等をチェックしたうえで利用したい。なお、2006年3月までは「小値賀空港」も利用できたが、残念ながら閉鎖されてしまった。

北松浦郡

旧野首教会

旧野首教会』は、北松浦郡の離島「野崎島(のざきじま)」にある観光スポットだ。訪れる際の注意事項は以下の通り、長崎県を何度も訪れたことのある方向けの観光スポットである。
①渡島は野崎島を管理する「おぢかアイランドツーリズム」への連絡、許可が必須。
②単独での渡島はおすすめしない。島は意外に広く、獣道も多い。ガイドをお願いすべき。
③動きやすい服、歩きやすい靴必須。荒れた獣道を歩く。
食事、飲料水必須(小値賀島で購入)。野崎島は無人島、コンビニや自動販売機はない。
⑤船酔いする人は酔い止めを忘れずに。
⑥現金を多めに持参、小値賀島での買い物に必要だ。

ツアーに参加する場合、「小値賀港(小値賀島)」AM10時50分発のフェリーに必ず乗船しなければならない。残念ながら、当日、佐世保港発のフェリーを利用し小値賀島へ向かっても、AM10時50分の集合時間に間に合わない。すなわち、野崎島へ渡るためには、小値賀島での前泊が必須となる。宿の予約、もしくは野営(キャンプ)グッズを準備しよう。

小値賀港でおぢかアイランドツーリズムのガイドと合流したら、町営フェリーに乗って出発。野崎島まで約30分、到着したらガイドの案内に従い、目的地を目指す。旧野首教会を含む「野首集落」は、「潜伏キリシタン関連遺産」のひとつである。2018年に「ユネスコ世界遺産」への登録が決まり、知名度が急上昇、人気観光スポットになった。

同教会は野崎島に移り住んだ隠れキリシタンたちが力を合わせて造ったものである。貧しい暮らしの中にあっても、皆で助け合い、費用を捻出し、立派なレンガ造りの教会が建設された。野首集落が1971年に廃村となり、同教会も荒れ果ててしまったが、後世に残すべき遺産であると小値賀町は判断、改修が行われ、現在に至る。

旧野首教会は決して立派な、そして美しい教会ではない。不当に「信教の自由」を奪われ憤死した何万もの命を後世に語り継ぐ、祀るために存在するのである。すなわち、信仰の自由は不滅であることを象徴する施設とも言えよう。

最後に、おぢかアイランドツーリズムが企画する「トレッキングツアー」は、小値賀島などでも行われている。専門のガイドに質問しながら島を散策できるので、知見を広めつつ観光を楽しめるだろう。

まとめ
ツアーに参加するのであれば、小値賀島に前泊。食料や飲料水、その他必要なものを忘れず準備すること

旧野首教会は、野崎島に移り住んだ隠れキリシタンが力を合わせて建設した

観光スポット旧野首教会
(きゅうのくびきょうかい)
所在地〒857-4709
長崎県北松浦郡小値賀町野崎郷
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→旧野首教会
②長崎空港→旧野首教会
①アクセス国道202号線、長崎自動車道、西日本自動車道を経由、佐世保港まで進む(約1時間22分)

小値賀島行きフェリー、野崎島行きフェリーを経由、目的地まで進む(約4時間30分)

到着
②アクセス県道38号線、長崎自動車道、西日本自動車道を経由、佐世保港まで進む(約1時間5分)

小値賀島行きフェリー、野崎島行きフェリーを経由、目的地まで進む(約4時間30分)

到着

外部サイトへのリンク
長崎県観光連盟 公式ホームページ

玉石鼻

先に述べた「おぢかアイランドツーリズム」は、小値賀町観光の窓口も担っている。フェリーの運行時間、運行状況、天候、島での移動方法や観光地へのアクセスなども事細かに教えてくれる。事前に電話連絡し、旅行/観光のアドバイスをいただくと良いだろう。

ここで紹介する『玉石鼻(たまいしばな)』は、小値賀町を代表する美しい景観が魅力の観光スポットである。佐世保港からフェリーに乗り約3時間、小値賀港に到着したら、おぢかアイランドツーリズム事務所へ。レンタカーは予約制、数に限りがあるため、GWや夏休みなどで混雑する時期は先着順だ。

レンタカーを確保できない場合は、「福祉タクシー(観光利用OK)」を予約しておきたい。片道5kmまでであれば、一人300円で乗車可能。また、足腰に自身のある方は、徒歩もしくは走って移動しても良い。小値賀港から玉石鼻までは約6km、健脚な方であれば30分(個人差あり)ほどで到達できるだろう。

玉石鼻は小値賀島の西、「斑島(まだらじま)」の北端、海沿いに位置する。県道225号線を西進し、両島を結ぶ「斑瀬戸橋」を通過、そのまま道路を北上すると「玉石甌穴(たまいしおうけつ)」と書かれた標識が見えてくる。なお、甌穴とは、海底や川底の岩盤にできた円形のくぼみ、水の流れなどによって形成される。

玉石甌穴は国の天然記念物に指定されている。甌穴内に取り残された「玉石」が海水の流れで回転し、今もなお岩盤を掘削(浸食)し続けているという。足元に十分注意し、岩場まで移動しよう。甌穴内を覗き込むと、黒光りする玉石が「目玉」のように見えるはずだ。

甌穴内の玉石は神聖なもの、「信仰の対象」と見なされている。現地のシンボルになっている「白い鳥居」を建立した人々は、玉石鼻を「神社(神様を祀る社)」と同等に扱ったのだろう。エリア内に入る際は、鳥居前で神様に挨拶することをお忘れなく。

まとめ
玉石鼻は国の天然記念物に指定。美しい景色と玉石甌穴は一見の価値アリだ

渡島する際は、レンタカーを忘れず予約したい。空きがなければ、福祉タクシーを利用しよう

観光スポット玉石鼻
(たまいしばな)
所在地〒857-4707
長崎県北松浦郡小値賀町班島郷
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→玉石鼻
②長崎空港→玉石鼻
①アクセス国道202号線、長崎自動車道、西日本自動車道を経由、佐世保港まで進む(約1時間22分)

小値賀島行きフェリーに乗船、小値賀港でタクシーに乗り目的地まで進む(約3時間40分)

到着
②アクセス県道38号線、長崎自動車道、西日本自動車道を経由、佐世保港まで進む(約1時間5分)

小値賀島行きフェリーに乗船、小値賀港でタクシーに乗り目的地まで進む(約3時間40分)

到着

外部サイトへのリンク
長崎県 公式ホームページ

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自治体東彼杵郡
(Higashisonogi county)
市庁舎所在地【東彼杵町】東彼杵郡東彼杵町蔵本郷1850-6
【川棚町】東彼杵郡川棚町中組郷1518-1
【波佐見町】東彼杵郡波佐見町宿郷660
総人口35,667人
代表的な名産/特産品くじら
なまこ
波佐見焼
平成31年度当初予算367億円

長崎県中部、佐賀県との県境に位置する『東彼杵郡(ひがしそのぎぐん)』。「東諸県町」「川棚町(かわたなちょう)」「波佐見町(はさみちょう)」の3町で構成される漁業と農業の町だ。

代表的な名産/特産品は「くじら」「なまこ」などの海の幸。また、波佐見町で製造される「波佐見焼」も有名だ。波佐見焼は隣接の「有田市」で作られる「有田焼」や、「伊万里焼」以上にポピュラーな陶磁器として人気を集めている。

波佐見焼は、一般家庭で使われる日用食器の全国シェアの約13%を占める。町内にある約400の事業所で日用食器が作られており、2,000人以上の町民が陶磁器関連の仕事に従事しているという。

郡内を走る「JR九州 大村線」は、長崎県第二の都市、佐世保市へアクセスできる重要な公共交通機関である。ただし、運行本数は決して多くない。観光等で訪れる際は、車/レンタカーを準備した方が良いだろう。

東彼杵郡

高峰山の男岩

海と山に恵まれた町、東彼杵郡。西側、大村湾沿いの「海浜公園」「キャンプ場」「釣り場」などは人気観光施設になり、また、市民の憩いの場としても重宝されている。さらに、湾沿いを走る「大村線」から眺める景色、特に夕日は、たくさんの鉄道ファンから支持される絶景スポットである。

ここで紹介する『高峰山の男岩』は、知る人ぞ知る山岳観光スポットだ。しかし、山岳といっても、険しい山を登るわけではない。東彼杵町の住人に古くから親しまれてきた「高峰山」は、標高200mほどの低山である。そこの中腹に設置された男岩を「神様」と崇め、鳥居を設置、現在に至る。

男岩へのアクセスは、車/レンタカーを利用しよう。「大村線 彼杵駅」から車で約15分、ナビに従い山間部を進むと、軽自動車でなければ通過できない林道が現れる。林道入り口付近のスペースに車を止め、徒歩に切り替えよう。林道を800mほど下ると、町民が残した道しるべ(白テープ)が見えてくる。

道しるべに従い50mほど獣道を進まねばならないので、歩きやすいを靴を履いておきたい。周囲を注意深く確認すると、巨大なペニス型の岩が見えるはず。それこそが高峰山の男岩である。

ペニスの先端「亀頭」、精液と尿を放出する「外尿道口」、そして陰茎と亀頭の境目「カリ首」が二つの岩で忠実に再現されており、また、そのデカさに多くの女性観光客(特に外国人)が度肝を抜かれるという。亀頭の長さは約2m、カリ首の深さが約15cm。神々しいほどのデカさである。

先に述べた通り、東彼杵町の住人は男岩を神様と崇め、祀っている。男性が岩に触れると、下半身の病気や障害(頻尿、尿路結石、精力減退、性病など)が治り、女性に対しても、性器や子宮、出産に関連するトラブルを防ぐ、と言い伝えられている。

鳥居前で神様に挨拶したら、男岩の表面についたコケや汚れを取り払ってあげよう。定期的に林道の整備、男岩本体の清掃も行っているらしいが、奉仕の精神で掃除すれば良い。神様もきっと喜んでくれるはずだ。下半身に良い効能があるかもしれないぞ。

まとめ
高峰山の男岩は、男性器(亀頭、外尿道口、カリ首)ソックリの巨岩。触れると下半身の病気や障害が治る、と言い伝えられている

ただ触るだけでなく、コケなどの汚れを取り払ってあげよう。神様もきっと喜ぶはずだ

観光スポット高峰山の男岩
(たかみねやまのおとこいわ)
所在地〒859-3925
長崎県東彼杵郡東彼杵町中岳郷153
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→高峰山の男岩
②長崎空港→高峰山の男岩
①アクセス国道202号線、長崎自動車道を経由、大村ICで出る(約34分)

大村レインボーロード、広域農道を経由、目的地まで進む(約30分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線を経由、目的地まで進む(約40分)

到着

外部サイトへのリンク
東彼杵町 公式ホームページ

画像はイメージです

日向の棚田

東彼杵郡川棚町の山中、『日向(ひなた)の棚田』は古き良き日本の原風景と自然を楽しめる観光スポットである。棚田とは、高低差の多い地域で確立した農業手法のひとつ。傾斜地に水田を規則正しく設け、区画し、水路を整備する。用途の限定されていた傾斜地を有効活用したいと考えた先人の知恵、そして努力の結晶と言えるだろう。

日向の棚田は川棚町木場郷(こばごう)を流れる「石木川」の支流付近に形成された。川棚町の繁華街、「大村線 川棚駅」から車/レンタカーで約15分、県道106号線を「虚空蔵山(こくぞうやま)」方面に向かって進むと、立派な石垣造りの棚田群が見えている。

棚田を形成(整備)するためには膨大な時間がかかる。土を耕すことはもちろん、斜面を整地し段差を設け、膨大なエリアを手作業で整備しなければならない。さらに、ただ土を盛るもしくは切り取っただけでは、農作業を行っている最中、台風や大雨、地震などが崩落する可能性が高く、危険だ。

一定の強度を有する棚田の形成に石垣は欠かせない。各段の高さは1mから1.5mほど。水田が広くなるほど石垣の規模(範囲)は大きくなり、全面積を足すと立派なお城に匹敵することもあるという。先人(農民)たちが力を合わせて造った棚田は、日本が世界に誇る、後世に残すべき遺産と言っても過言ではない。

県道106号線(坂道)を進むと、見晴らしの良いエリアに到達する。ここの景色が最も映えるのは9月始め頃、稲刈り前の時期だ。周囲の山々と棚田、そして、そこで育つ黄金色の稲穂が織りなすコントラストは文句のつけようがない。また、田植え前の時期であれば、棚田の形状と膨大な量の石垣群を一望できるだろう。

古き良き日本の原風景を楽しめる日向の棚田が、「日本の棚田百選」に選ばれ、さらに「美しい日本の村景観コンテスト」で賞を受賞した。知名度の高い観光スポットではないが、その美しさがSNS等で評判を呼び、近年、旅行慣れした外国人バックパッカーの姿も目立つという。

まとめ
日向の棚田では、古き良き日本の原風景と先人たちが築き上げた素晴らしい遺産を堪能できる

周辺にコンビニや飲食店はない。訪れる際は軽食や飲料水を準備しよう

観光スポット日向の棚田
(ひなたのたなだ)
所在地〒859-3602
長崎県東彼杵郡川棚町木場郷
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→日向の棚田
②長崎空港→日向の棚田
①アクセス国道202号線、長崎自動車道を経由、東そのぎICで出る(約43分)

国道205号線を目的地まで進む(約23分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線、県道106号線を経由、目的地まで進む(約51分)

到着

外部サイトへのリンク
長崎県観光連盟 公式ホームページ

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自治体諫早市
(Isahaya city)
市庁舎所在地〒854-0014
長崎県諫早市東小路町7-1
総人口134,496人
代表的な名産/特産品タイラギ
おこし
すっぽん
平成31年度当初予算920億円

諫早市』は「大村湾(北西部)」「有明海(北東部)」「橘湾(南部)」、3つの海に面した漁業と工業の町。長崎市、佐世保市に次ぐ人口規模を有し、企業の進出、住宅開発が今なお進んでいる。諫早市と言えば、「諫早干拓事業」が有名であろう。

同事業は諫早市の東部、有明海で実施された。農業・住宅用地・水源の確保を目的とし、海の途中に巨大な「干拓堤防道路」を設置。これにより、人造内陸海「諫早湾」が誕生した。なお、同事業(堤防)への反対意見は根強く、関連の裁判、補償問題などが終息する見通しは立っていない。

諫早市は長崎市、雲仙市、大村市とを結ぶ交通の要所である。高速道路、国道、鉄道が市内を縦横断し、各都市間をつないでいる。「JR長崎本線」「島原鉄道」を利用すれば市内の各エリアに移動可能、車/レンタカーを使わずできる。また、現在建設中の「長崎新幹線 諫早駅」が運開すれば、交通利便性はさらに向上するだろう。

諫早市周辺のレンタカー店

諫早湾

諫早湾』は有明海の中西部、内陸に入り込んだ湾の呼称である。豊かな海の幸に恵まれた海だったが、同湾沖に建設された「諫早湾干拓堤防道路」の影響で、海産物の漁獲量に深刻な被害が発生。国と漁業関係者などによる裁判は現在も続いている。

全長約8.5kmの堤防道路(通量料無料、水門あり)は、諫早市民の悲願と呼べる大事業だった。諫早湾に注ぐ「本明川(ほんみょうがわ」は、水はけの悪い湾(有明海)の影響で、大雨が降るとバックウォーター現象が頻繁に発生。河川が毎年のように氾濫し、流域住民を悩ませていた。

堤防道路が完成すれば、有明海からのバックウォーターを防げるだけでなく、湾の内側を干拓、淡水化、農地や住宅地として活用すると同時に水源も確保できる。土地を造成しそこに人が集まり新たな産業が生まれる。町は大いに盛り上がったが、湾に区画を設けたことで、外海の潮の流れ(科学的根拠はない)が影響を受け、海産物に深刻な被害を与えた、と漁業関係者は主張、裁判に発展した。

諫早市を訪れた際は、諫早湾(有明海)を二分した堤防道路にぜひ足を運んでほしい。「島原鉄道 諫早駅」から車/レンタカーで約20分、湾を縦断する8.5kmの長径間道路は、遠くからでも一目で分かるはずだ。道路の中間部に駐車場兼展望所があるので、車を止めよう。

雲仙太良シーライン展望所」から湾の様子を眺めると、一目でその違いに気づくはず。堤防道路の外、外海側の海は青く、潮の満ち引きを感じさせる。一方の内海側は土色に濁っている。淡水化すべく堤防を設けた結果、潮の流れが遮られ、外と内の水質に大きな変化(淡水化するので当然ともいえる)をもたらした。

諫早湾の現状を見れば、自然が如何に儚いか、そして共生することが如何に難しいかを痛感させられる。諫早湾および諫早湾干拓堤防道路は、ドライブと景色を楽しみつつ、諫早市の歴史を知ることができる素晴らしい観光スポットだ。

まとめ
諫早湾干拓堤防道路から外海と内海を見れば、諫早市の歩んできた歴史の一端を知ることができる。

通行料無料。往復17kmの長径間道路なので、ドライブにも最適だ

観光スポット諫早湾
(いさはやわん)
所在地〒859-0146
長崎県諫早市高来町金崎
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→諫早湾干拓堤防
②長崎空港→諫早湾干拓堤防
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線を経由、目的地周辺まで進む(約1時間4分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線を経由、目的地周辺まで進む(約53分)

到着

外部サイトへのリンク
長崎県観光連盟 公式ホームページ

轟峡

多良岳(たらだけ)」の中腹、諫早市高来町(たかきちょう)の山中に形成された『轟峡(とどろききょう)』は、長崎県を代表するスピリチュアル観光スポットである。多良岳を水源とする「境川(さかいがわ)」の清らかな水と、30余りの滝から放出されるマイナスイオンを浴びれば、都会の喧騒、パワハラ、アルハラ、セクハラ、倦怠期の妻との日常など、現代社会に溢れる「辛い現実」から解放される(個人差あり)だろう。

現地へのアクセスは車/レンタカーが必須である。「島原鉄道 諫早駅」から車で約30分、国道207号線から境川沿いの県道136号線を多良岳方面に向かって進み、「轟夾観光案内所」を目指そう。周囲は緑に覆われ、真夏でも涼しく感じるはず。羽織れるものを1枚準備しておくと良いだろう。

車を止めたら、観光案内所近くに設置された「河鹿蛙(かじかがえる)」像をチェックしよう。河鹿蛙はアオガエルの一種、美しい鳴き声が特徴で「清流のディーヴァ(歌姫)」と呼ばれている。轟峡エリアを散策していると、どこからともなく河鹿蛙の歌声(?)が聞こえてくるはずだ。「ゲコゲコ、グエグエ」という歌声が聞こえたら、ハミングしてあげるとなお良い。

標識を頼りに林道を進むと、「轟の滝」や「楊柳(ようりゅう)の滝」などのスピリチュアルポイントに到達する。マイナスイオンを全身に浴びつつ、運が良ければ河鹿蛙の歌声も堪能できるだろう。また、清流と周囲を覆う緑のコントラストも大変素晴らしい。自然の雄大さと美しさを再認識させられるはずだ。

傷ついたメンタル(?)を癒した後は、観光案内所の向かい、「青雲荘(せいうんそう)」にも足を運びたい。古き良き昭和の時代を彷彿とさせる外観(誉め言葉である)、少し錆の浮いた看板に書かれた「ソーメン流し」の文字が哀愁(誉め言葉である)を誘う。夏に訪れた時は迷わずそうめん流しを、それ以外の季節であれば、渓流クイーン「ヤマメ」を堪能できる定食がおすすめだ。

まとめ
轟峡は長崎県を代表するスピリチュアル観光スポット。傷ついたメンタルをマイナスイオンで癒してほしい

清流境川に形成された滝と河鹿蛙の歌声のコントラストは最高。流しそうめんも要チェックである

観光スポット轟峡
(とどろききょう)
所在地〒859-0125
長崎県諫早市高来町善住寺1106
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→轟峡
②長崎空港→轟峡
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線、国道207号線、県道136号線を経由、目的地周辺まで進む(約1時間14分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線、国道207号線、県道136号線を経由、目的地周辺まで進む(約1時間)

到着

外部サイトへのリンク
諫早観光物産コンベンション協会 公式ホームページ

大村市目次に戻る

自治体大村市
(Oomura city)
市庁舎所在地〒856-8686
長崎県大村市玖島1-25
総人口95,243人
代表的な名産/特産品みかん
なまこ
大村皿うどん
平成31年度当初予算1855億円

長崎県の陸の玄関口は「長崎本線 長崎駅」、空の玄関口は「長崎空港」である。同空港は大村湾南東部に位置し、『大村市』と長崎県が管理・運行する地方空港だ。国内線と国際線(上海、香港行き)が就航中。毎年300万人以上が同空港を利用する。

大村市は長崎空港と共に発展した町である。飛行機を利用した観光客は必ず大村市内を通過し、各観光地に足を運ぶ。交通利便性の良さに注目する企業進出が進み、鉄道網も充実。「長崎新幹線 新大村駅」が完成すれば、観光客数、人口はさらに伸びる、と予想されている。

大村市は北東部の山地エリア以外、ほぼ平坦な土地で形成されている。長崎名物「急な坂道」が少なく、通勤、通学に自転車を利用する市民も多い。観光・散策しやすい地域と言えるだろう。なお、後述する「ボートレース大村(競艇場)」を利用するギャンブラーの影響で、市繁華街の道路は慢性的に渋滞している。

大村市周辺のレンタカー店

儀太夫記念館

野岳湖(のだけこ)」は大村市の北部にある湖。江戸時代、同エリアで財を成した「深澤儀太夫(ふかざわぎだいゆう)」が私財を投じて整備した、と記録されている。同エリア周辺の田畑などに水を供給すべく、現代でいう「治水ダム整備(公共事業)」を率先して行った同氏は、大村市を代表する偉人、功労者として尊敬を集めている。

ここで紹介する『儀太夫(ぎたゆう)記念館』は、広大な「野岳湖公園」内に建設された歴史博物館。先に述べた大村市の偉人、深澤儀太夫の遺品、貴重な書物などが展示されている。公共事業に私財を投じ、町の発展に尽くした男の生き様と、大村市の歴史を学習できる素晴らしい観光スポットである。なお、入場料は当然無料、私利私欲を捨て、人々のために私財を投じた男の遺志がしっかり反映されているようだ。

大村市の繁華街、「長崎空港」周辺から車/レンタカーで約30分、県道6号線と町道を進む、目的地を目指す。左手に野岳湖が見えたら、そこからさらに東進、木造平屋(茶色)の建物が儀太夫記念館である。見学していると、同館の管理人さんが声をかけてくるので、深澤儀太夫と大村市の歴史を聞いても良いだろう。

同館は、大村市松原地区の「指定避難所」としても利用されている。ここでも偉人、深澤儀太夫の遺志が生きているようだ。また野岳湖は、下流域の田畑(約100ヘクタール)を守る「治水湖(水源)」として今でも利用されている。町民の生活に欠かすことのできない農業の守り神は、今なお町の産業を支えているのだ。

深澤儀太夫の軌跡を見学した後は、野岳湖公園も散策しよう。ただし、同園はとっても広い。ゆったり歩いて散策しても良いが、体力に自信のない方は「湖畔の店たがわ」でレンタサイクル(1時間300円)を利用すると良いだろう。なお、園内にはキャンプ場、広場、湖岸をむすぶ橋なども整備されている。

最後に、野岳湖公園は「桜の名所」として地元民に愛されている。春に大村市周辺を訪れる機会があれば、ぜひ花見も楽しんでほしい。

まとめ
儀太夫記念館は、大村市を代表する偉人、深澤儀太夫の遺品、書物を見学できる歴史博物館

野岳湖公園は広い。散策するのであれば、レンタサイクル(1時間300円)をおすすめしたい

観光スポット儀太夫記念館
(ぎたゆうきねんかん)
所在地〒856-0002
長崎県大村市東野岳町1131
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→儀太夫記念館
②長崎空港→儀太夫記念館
①アクセス国道202号線、長崎自動車道を経由、大村ICで出る(約34分)

大村レインボーロード、県道6号線を経由、目的地まで進む(約15分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、県道6号線を経由、目的地まで進む(約26分)

到着

外部サイトへのリンク
大村市 公式ホームページ

ボートレース大村

ボートレース大村』は、大村競艇場で開催されるレースの呼称である。公営ギャンブルとして運営されている競馬、競艇、競輪は、地方自治体の重要な財政源であり、同時に優れた観光スポットでもある。大村競艇場も長崎県、大村市にとって欠かせない存在と言えるだろう、

1952年、大村競艇場は「日本初」の競艇レース場としてオープン。今でも「競艇発祥の地」として人気を集めており、最高レベルの選手たちが激突する「SG(スペシャルグレード)」はもちろん、G1、G2など、毎年様々なレースが開催されている。

大村競艇場へのアクセスは車/レンタカーもしくはタクシーを利用。長崎空港から車で約15分。国道34号線を南下し、「イオン大村店」と広大な敷地を有する「大村公園」が見えたら、目的地はすぐそこだ。なお、「大村線 大村駅」から徒歩で向かうことも可能である。

競艇場と聞くと、赤鉛筆を耳にかけたギャンブラー、昼間から酒(菊正宗スーパーカップなど)を飲みタバコを吸うオヤジなどをイメージしがちだ。確かに、ひと昔前まではイメージ通りの場所だったが、今は全く違う。日本各地の競艇場では一般層の集客に力を入れており、特に女性、子供が安心して足を運べる施設作りを目指している。

20歳未満の方は舟券を購入できない。ただし、家族同伴であれば入場可能(入場料一人100円)だ。レースの見学、場内での飲食、アクティビティ(遊具、公園等)は利用し放題なのだ。舟券には目もくれず(?)遊ぶ家族も多い。

人が集まる施設には、さらにたくさんの人が集まる。仮に入場者の半分が舟券を買えない20歳未満だとしても、施設に活気が溢れていれば、不思議と人は集まるものだ。

ギャンブルを楽しみたいお父さんは舟券を買う。レースに興味のないお母さんや子供は、場内にある施設や飲食店を散策する。佐世保バーガーや長崎チャンポンなどの人気店も出店しているため、昼食をとり、レースを見学しても良いだろう。

まとめ
入場料は一人100円。ただしレースがない日は無料。お父さんが一山当てれば、お母さんと子供も大喜びである

大村競艇場は2015年に全面改修され、場内の施設がグレードアップした

観光スポットボートレース大村
(ぼーとれーすおおむら)
所在地〒856-0834
長崎県大村市玖島1-15-1
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→ボートレース大村
②長崎空港→ボートレース大村
①アクセス国道202号線、長崎自動車道を経由、木場ICで出る(約31分)

国道34号線を目的地まで進む(約9分)

到着
②アクセス県道38号線、国道34号線を経由、目的地まで進む(約15分)

到着

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ボートレース大村 公式ホームページ

妻子別れの石

大村市の住宅街、墓地の片隅に『妻子別れの石』はある。ここは、1657年に発生した「郡(こおり)崩れ」の舞台のひとつと言われている。郡崩れとは、肥前国大村藩の隠れキリシタンが大量に検挙された事件である。

当時、キリスト教は「異教(今でいうカルト)」と扱われ、信者は厳しい迫害を受けた。敬虔なキリシタンの大半がキリストへの信仰を捨てず、改宗を拒み、殺された。大村藩の群村に隠れ住んでいたキリシタンも同様である。女子供を含む400人以上が厳しい拷問の果てに斬首され、遺体は供養もされずゴミのように捨て置かれた。

永牢(終身刑)された子供が60数年後に牢屋内で死亡した、という記録も残されている。現代の日本とは違い「信教の自由」などなく、異教を信仰した罪により、多くの信者がキリストを最後まで信じ、現世に悔いを残して「憤死」した。

妻子別れの石の設置された場所近くで、罪に問われた隠れキリシタンは妻子との永遠の別れを惜しみ、涙を流しながら連行された、と言い伝えられている。現地へのアクセスは、車/レンタカーもしくは徒歩で。「大村線 大村駅」から徒歩15分。墓地の南端、霊感の強い方は、不穏な気配を感じ取るはずだ。

妻子別れの石は地面に半分ほど埋まっている。ここは既に述べた通り、隠れキリシタンが連行された土地である。すなわち斬首された場所は全く別なのだ。しかし、現世に悔いを残し憤死した者が「怨霊(おんりょう)」になり、この地に姿を現す、という心霊現象が数多く報告されている。

現地を訪れる際は、線香や花(小さなものでよい)を準備したい。妻子別れの石自体はお墓ではない。しかし、信教の自由を奪われ斬首されたキリシタンの無念と、怨霊を供養する、慰める、という思いで線香を手向けよう。もしかすると、別れた妻子を探し彷徨っている怨霊を成仏させることができるかもしれない。

まとめ
妻子の別れの石は、楽しい観光スポットではない。江戸時代に起きた悲劇の舞台のひとつである

厳しい拷問の果てに斬首されたキリシタンの多くが、現世に悔いを残し怨霊になったと言われている

観光スポット妻子別れの石
(さいしわかれのいし)
所在地〒856-0828
長崎県大村市杭出津3-483
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→妻子別れの石
②長崎空港→妻子別れの石
①アクセス国道202号線、長崎自動車道を経由、木場ICで出る(約31分)

国道444号線、国道34号線を経由、目的地まで進む(約7分)

到着
②アクセス県道38号線、国道34号線を経由、目的地まで進む(約9分)

到着

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大村市 公式ホームページ

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自治体島原市
(Shimabara city)
市庁舎所在地〒855-8555
長崎県島原市上の町537
総人口43,550人
代表的な名産/特産品トラフグ
手延べそうめん
かんざらし
平成31年度当初予算340億円

島原市』は日本の歴史に大きな影響を与えてきた町のひとつである。江戸時代に発生した日本史上最大の一揆「島原の乱」を知らない方はいないだろう。厳しい取り立てに反旗を翻した農民たちが立ち上がり、数年の時を経て、幕府軍と潜伏キリシタンの戦いに展した。

島原市にはキリシタンの墓標、それらに関連する施設(教会、礼拝堂など)が数多く建設されている。理由は信教の自由を奪われ憤死した隠れキリシタンの霊を祀るためである。同じく江戸時代に発生した「雲仙普賢岳」の山体崩壊「島原大変肥後(だいへんひご)迷惑」は、憤死したキリシタンの怨霊、「呪い」が原因であると恐れられた。

同山体崩壊による死者数は15,000人以上と記録されている。また、40名以上の死者を出した「大火砕流(1991年)」の記憶はまだ新しい。なお、雲仙市はマイナスイメージを払拭すべく、近年観光産業開発に力を入れており、玄人向けの観光スポットがいくつも誕生している。

島原市周辺のレンタカー店

しまばら湧水館

島原市は山と海に囲まれた自然豊かな町。漁業、農業、そして観光業に力を入れ、市民が一丸となって雲仙普賢岳の噴火を乗り越えた。また、火山がもたらす豊かな資源も町に活気を与えた。温泉、地下水、栄養分を大量に含む土などは、町の発展に大きく貢献している。

ここで紹介する『しまばら湧水館』は、島原市内の地下から湧き出す水がもたらした素晴らしい観光スポットである。現地へのアクセスは、車/レンタカーもしくは徒歩で訪れよう。同市の繁華街、「島原鉄道 島原駅」から徒歩約10分。道路の横に整備された「水路」が見えたら目的地は目の前だ。

島原市新町一帯は、「湧水の町」と呼ばれている。しまばら湧水館のあるエリアも同様、豊かな湧水が町の観光を支えているのだ。さらに、道路横の水路(全長約100m)では1,000匹以上の鯉が自由気ままに泳いでおり、見ているだけで楽しい気分になる。

鯉たちにエサをあげたら、しまばら湧水館に向かおう。同館は町民や観光客向けの休憩所として無料開放されている。昭和初期に建設された木造造りの屋敷と、キレイに手入れされた庭園、優雅に泳ぐ鯉たち。古き良き昭和の日本を満喫しつつ、一息入れると良いだろう。

同館では島原名物「かんざらし」の手作り体験も行われている。団体客(6名以上)のみ予約が必要、料金は一人500円。かんざらしとは、白玉に餅粉を加えた「モチ玉ミニ団子(直径約1cm)」を特製シロップの中に入れて食べるスイーツ。「和の国ニッポン、しまばらんスイーツ」とも呼ばれている。老若男女、誰でも簡単に作れる(参加できる)ので、ぜひチャレンジしてほしい。

モチ玉ミニ団子に砂糖とハチミツベースの特製シロップがよく絡み、大変美味い。暑い時期にピッタリの癒し系スイーツなので、夏休み旅行にピッタリであろう。ただし、観光シーズン(GW、夏休み)はかなり混雑する。そのため、少人数の場合も前日までに予約することをおすすめしたい。最後に、島原市のゆるキャラ「しまばらん」は、モチ玉ミニ団子の妖精(オス)である。

まとめ
島原市新町は大人気の観光スポット。水路を泳ぐ1,000匹超の鯉が町のシンボルである

しまばら湧水館は町民、観光客向けの休憩スポット。スイーツ作り体験も楽しめる

観光スポットしまばら湧水館
(しまばらゆうすいかん)
所在地〒855-0803
長崎県島原市新町2-122
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→しまばら湧水館
②長崎空港→しまばら湧水館
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線、雲仙グリーンロードを経由、目的地まで進む(約1時間29分)

到着
②アクセス県道38号線、国道34号線、国道57号線、雲仙グリーンロードを経由、目的地まで進む(約1時間28分)

到着

外部サイトへのリンク
しまばら湧水館 公式ホームページ

キリシタン墓碑

島原市の象徴「島原城」は、たくさんの観光客に支持されている人気観光スポットである。江戸時代に築城された本丸は、明治時代、「廃藩置県」により解体されてしまったが、立派な石垣は当時のまま。1960年から本丸他の復元工事が始まり、現在に至る。

島原城の北端にある『キリシタン墓碑』は、先述の「島原の乱」や「郡(こおり)崩れ」などで非業の死を遂げたキリシタンを供養するために設けられた。観光エリアからかなり離れているので、見過ごす方も多いようだが、キリシタンと島原城の因縁を知っている方は、迷わずキリシタン墓地に足を運ぶはずである。

島原城はキリシタンの供養と贖罪(しょくざい)のために再建された、と言っても過言ではない。そして、その中心にあるのがキリシタン墓碑なのである。日本史上最大の反乱(一揆)として有名な島原の乱は、「島原藩」の過酷な搾取、年貢の取り立て、百姓の酷使などが発生の大要因と言われている。島原城の巨大な石垣を見れば理解できるはずだ。

さらに、キリシタンの迫害、飢饉などの要因がプラスされ、数万人規模の一揆が発生。幕府軍との正面衝突に発展し、数千から数万人が命を落とした、と言われている。島原藩の情け容赦ない搾取に苦しめられ憤死した者たちは怨霊となり、雲仙普賢岳の大噴火(島原大変肥後迷惑)による大災害につながった、と江戸時代の町民は考えた。

キリシタン墓碑へのアクセスは、車/レンタカーもしくは徒歩で。「島原鉄道 島原駅」から西に進むと、巨大な本丸が見えてくる。到着したら本丸はスルーし、真っすぐキリシタン墓碑へ向かおう。まず憤死した者たちに祈りを捧げねばならない

島原城は素晴らしい観光スポットだ。しかし、同地を訪れた際は、キリシタンへの供養を最優先してほしい。長崎県内にはキリシタン関連の墓碑、墓地があちこちに残されている。それらは全て憤死したキリシタンの怨霊を供養するために設けられた。現世に悔い、怨みを残し憤死した者たちの無念を忘れてはならない。

まとめ
江戸時代、島原藩は過酷な搾取、年貢の取り立て、そして百姓を酷使し、島原城を建設した

キリシタン墓碑で祈りを捧げ、島原城を見学する。憤死した者たちの無念を忘れてはならない

観光スポットキリシタン墓碑
(きりしたんぼひ)
所在地〒855-0036
長崎県島原市城内1
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→キリシタン墓碑
②長崎空港→キリシタン墓碑
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線、雲仙グリーンロードを経由、目的地まで進む(約1時間28分)

到着
②アクセス県道38号線、国道34号線、国道57号線、雲仙グリーンロードを経由、目的地まで進む(約1時間29分)

到着

外部サイトへのリンク
島原市 公式ホームページ

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自治体雲仙市
(Unzen city)
市庁舎所在地〒859-1107
長崎県雲仙市吾妻町牛口名714
総人口41,620人
代表的な名産/特産品ジャガイモ
棚田米
びわ
平成31年度当初予算409億円

雲仙普賢岳の北西部に位置する『雲仙市』。島原市と同じく、同市も歴史的な大自然災害に見舞われてきた。山体崩壊「島原大変肥後(だいへんひご)迷惑」で数千人の市民(当時は藩民)が命を落としたと言われている。

1991年に発生した雲仙普賢岳の「大火砕流」は島原市側に流入。雲仙市が大きな被害を受けることはなかった。なお、雲仙普賢岳の火山活動は小康状態(噴火警戒レベル1)にあり、「雲仙ロープウェイ」を利用し山頂付近から展望を楽しむことも可能である。

代表的な名産/特産品は「ジャガイモ」「棚田米」など。さらに農業だけでなく畜産業、漁業も盛んである。また、雲仙普賢岳の麓に位置する「雲仙温泉郷」は、同市を代表する人気観光地だ。「雲仙地獄(温泉の噴出口)」を中心に温泉街が形成されており、毎年たくさんの観光客を迎え入れている。

雲仙市

おもちゃ博物館

雲仙市小浜町(おばまちょう)は、雲仙普賢岳からもたらされる自然の恵みを利用し発展を遂げた。同市を代表する観光スポット「雲仙地獄温泉郷」がその代表であろう。温泉施設、旅館、飲食店、居酒屋などが立ち並ぶ長崎県屈指の温泉街である。

ここで紹介する『おもちゃ博物館』は、同温泉郷の中心エリアにある。雲仙市の繁華街から車/レンタカーで約30分。国道251号線と県道128号線を経由、雲仙普賢岳の南麓にある「おしどりの池」が見えたら目的地は近い。「地獄めぐり駐車場(1日300円)」に車を止め、徒歩で目的地を目指そう。

旅館や飲食店の中に建つおもちゃ博物館は、神々しいほどの存在感を放っている(目立っている)。「温泉街におもちゃ?あり得ませんよ」と不信感を募らせていたあなた。同博物館の圧倒的な実力を目(ま)の当たりにすれば、「温泉とおもちゃはコラボすべきである」と自分の過ち、そして愚かさを悔い改めるはずだ。

同博物館には、古き良き昭和時代を思い起こさせる「おもちゃ」「駄菓子系おもちゃ」などが展示されている。昭和生まれの親父共(?)を興奮させる「アイドルブロマイド、メンコ、フィギュア、シール」。こづかいを貯めて購入した少年時代、そして今は亡きお袋のことを思い出し、その場で泣き崩れる親父(?)が後を絶たないらしい。

親父の興奮する姿を見た息子(娘)は、恐らくドン引きするであろう。しかし、同博物館に展示されているおもちゃは、昭和時代の最先端(現代で言うと最新機種のスマホ)、親父共の青春時代を彩ってきたものが所狭しと並べられているのだ。興奮しない方が無理である。

さらに、1階の駄菓子店も凄い。普通の店では絶対手に入らない(と思う)昭和丸出しの駄菓子、駄菓子系おもちゃが所狭しと並べられているのだ。それらを見た瞬間、大人買いしたい衝動に駆られるが、奥さんと子供の目もある。予算は300円・・・家族連れの親父は、奥さんと子供に愛想を尽かされないよう注意したい。

まとめ
おもちゃ博物館には、古き良き昭和時代を思い起こさせるおもちゃが展示されている

駄菓子屋の品ぞろえも一級品。ただし、令和の世を生きる現代っ子たちには理解できないかも

観光スポットおもちゃ博物館
(おもちゃはくぶつかん)
所在地〒854-0621
長崎県雲仙市小浜町雲仙310
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→おもちゃ博物館
②長崎空港→おもちゃ博物館
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線、県道128号線、国道57号線を経由、目的地まで進む(約1時間13分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線、県道55号線、国道251号線、県道128号線、国道57号線を経由、目的地まで進む(約1時間18分)

到着

外部サイトへのリンク
雲仙温泉観光協会 公式ホームページ

雲仙ビードロ美術館

雲仙ビードロ美術館』は、江戸時代に欧州から伝わった「ビードロ(ガラス)」のアンティーク作品を展示する美術館である。先に述べた「おもちゃ博物館」から徒歩10分、雲仙地獄温泉郷の南エリアに同美術館はある。

江戸時代、長崎県は欧州との交易の窓口であった。様々な品が輸入され江戸や大阪に流通、ビードロもそのひとつだった。また、ビードロの製造、製作工程などの情報も品と同時に伝えられ、長崎県はビードロ製品発祥の地と呼ばれるようになった。

入館料は大人700円、中高生500円、小学生300円、幼児無料。国内外で作られた数百点のアンティーク作品が展示されており、クオリティの高さに度肝を抜かれるはず。また、現代のアーティストが作った作品も多く、「ガラスの靴」と女性の繊細な足首を表現した「海の底から見る光(植木寛子氏作)」はずっと眺めていられるほど美しい。

さらに、同館ではビードロ作り体験も楽しめる。ガラスプレート上に模様が描かれたガラスチップを乗せ、電気炉でそれを溶かし、ストラップやキーホルダーを作る「フューズィング」。高速で砂の粒子をガラスに吹きつけ模様を描く「サンドブラスト」など、計5種のメニューから自分好みのものを選ぼう。ガラス製品の製作工程を体験できる機会など滅多にない(はず)。素晴らしい旅の思い出になるだろう。

美しいビードロアンティークを堪能した後は、来た道を戻り、雲仙市を代表する観光スポット「雲仙地獄」もチェックしよう。「邪見地獄」「大叫喚(だいきょうかん)地獄」など、様々な地獄(?)を堪能できると同時に、地球が生きていることも実感できるはずだ。また、途中、「地獄茶屋」に立ち寄り、地獄の温泉卵(1個100円)も購入したい。なお、味は至って普通、地獄の蒸気で蒸されても、卵は卵のままらしい。

まとめ
長崎県はビードロ(ガラス)製品発祥の地。江戸時代に欧州から持ち込まれ、日本中に広まった

ビードロ作り体験は、旅の素晴らしい思い出になるだろう

観光スポット雲仙ビードロ美術館
(うんぜんびーどろびじゅつかん)
所在地〒854-0621
長崎県雲仙市小浜町雲仙320
地図
※クリックでGoogle map起動
①長崎駅→雲仙ビードロ美術館
②長崎空港→雲仙ビードロ美術館
①アクセス国道202号線、国道34号線、国道251号線、県道128号線、国道57号線を経由、目的地まで進む(約1時間14分)

到着
②アクセス県道38号線、サンセット通り、国道34号線、県道55号線、国道251号線、県道128号線、国道57号線を経由、目的地まで進む(約1時間18分)

到着

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雲仙ビードロ美術館 公式ホームページ

まとめ

今回は長崎県のマニアックな観光スポット13箇所を紹介した。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。

近年、定番の観光スポットではなく、少しマニアックな施設・場所を巡りたいと考える玄人観光客が増えている。理由は様々だが、SNSの普及が大きく影響していることは確かだ。観光地もしくは運営管理者などから発信される情報を得やすくなった結果、定番・普通では物足りない、インスタ映えを狙いたいと考える方が増えているのだろう。

今回紹介した観光スポットは、あなたのインスタ映えにきっと貢献するはずだ。最後までお読みいただきありがとうございました。

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