福岡県のおすすめ観光スポット2020年最新版(PART3)を紹介する。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。
まず、今回紹介する観光スポットの大半は、知る人ぞ知るマニアック系もしくは秘境系である。住人に「失礼なことを抜かすな!この馬鹿者め」と怒られそうだが、事実だ。しかし、マニアック系だから「イマイチ」というわけでもない。
中間市他3市3郡、計13カ所の観光スポットを巡る途中、幾度となく道に迷った(私が方向音痴なだけかもしれないが)。各スポットの紹介欄に「GoogleMap」のリンクを添付しているので、ルートをチェックしつつ移動することをおすすめしたい。なお、旅行・観光を予定している方は、「コロナウイルス」が終息次第決行するようお願い申しあげる。
目次
1.中間市
・とまと屋
・モアイ像
2.遠賀郡
・北斗七星
・八劔神社
3.行橋市
・福丸1号墳
・海賊大将藤原朝臣邦吉の碑
4.豊前市
・岩洞窟
5.京都郡
・豊前国分寺跡
・石塚山古墳
6.築上郡
・航空自衛隊 築城基地
・レモンタルト
7.八女市
・八女を味わう
・八女に触れる
中間市(目次に戻る
自治体 | 中間市 (Nakama city) |
市庁舎所在地 | 〒809-8501 福岡県中間市中間1-1-1 |
総人口 | 39,854人 |
代表的な名産/特産品 | イチゴ スイーツ全般 やっちぇれ漬け |
平成31年度当初予算 | 420億円 |
『中間市』は福岡県北部に位置する住宅地。周囲に目立った山はなく、比較的平坦なエリアが広がっている。市の中心付近を縦断する「遠賀川(おんががわ)」によって、西エリアと東エリアに区分けされている。
1960年代頃までは、日本のエネルギー需要を担ってきた「筑豊炭田」の労働者で町は活気に溢れていたが、エネルギー革命の影響で同炭鉱も閉鎖。それに伴い、中間市の住人も大きく減少した。しかし、住宅開発に有利な平地であることと、北九州エリアへの交通利便性の良さを活かし、町のベッドタウン化を進めた結果、人口は再び増加に転じた。
代表的な名産/特産品は「イチゴ(あまおう)」「やっちぇれ漬け」など。果物の生産が盛んで、それらを利用した「スイーツ」開発にも力を入れているようだ。
市内の鉄道は「JR筑豊本線」と「筑豊電鉄線」の2路線。小倉駅(北九州市)、博多駅(福岡市)へのアクセスには少し時間がかかるため、可能であれば車/レンタカーを準備したい。
中間市
とまと屋
中間市西部、田園地帯の真ん中にトマト農家ご夫婦の営む『とまと屋』はある。なお、同市の名産/特産品は「イチゴ」や「イチジク」などの果物類。普通、農業で生計を立てようと思ったら、需要(人気)のある品種を栽培したくなるはずだ。しかし、同店のご夫婦は敢えて困難な道を選んだ。
トマトは乾燥を好む野菜である。土が乾燥するほど甘みと旨味が濃縮され、美味しく育つ。今はビニールハウスという便利な栽培施設があるものの、それでもその地の土が味を大きく左右する。ご夫婦は試行錯誤(土壌や肥料の改良など)を繰り返し、良質な品種の栽培に成功。中間市唯一のトマト農家として、様々な加工品を世に送り出している。
現地へのアクセスは車/レンタカーもしくはタクシーで。「筑豊本線 筑前垣生駅」周辺から約5分、垣生公園沿いの町道を南方向に進むと、畑の中に建つ数棟のビニールハウスと、トマト農家にピッタリ(?)の真っ赤なのぼりが見えてくる。
既に述べた通り、とまと屋を営む日高ご夫妻は、中間市唯一のトマト農家である。そして、同市はトマトを「市の特産品」と認めている。栽培を始めて十数年、それまで同市に馴染みのなかったトマトという野菜を立派な特産品に成長させた夫妻の功績は計り知れない。
「トマト狩りを楽しめるのですね?任せなさい」と思われた方。同店は雑貨屋兼トマトカフェ店である。狩猟(?)を楽しむアクティビティ施設ではないので、ご注意願いたい。理由は狩り需要(?)が極めて少ないためである。トマトは全国、全世界、どこでも簡単に購入できる。収穫したものより、加工品(ジュース、ミートソース、ジャムなど)を販売した方が良いのは当然であろう。
同店の看板メニューは「とまとソフトクリーム」と「とまとジャム(お持ち帰り用)」。トマト(野菜)の酸味とソフトの甘さがジャストフィット(?)しており、一口食べれば度肝を抜かれるはずだ。何より、トマトの栄養素を効率的かつ楽しみつつ補給できる点が本当に素晴らしい。ご夫妻の手作り雑貨も安価で購入しやすく、おすすめだ。
<まとめ>
◎とまと屋は中間市唯一のトマト農家、日高ご夫妻の運営する雑貨屋兼トマトカフェ店である。
◎トマト狩りでなく、とまとソフトクリームを楽しみなさい。お持ち帰り用のとまとジャムもお忘れなく。
観光スポット | とまと屋 (とまとや) |
所在地 | 〒809-0004 福岡県中間市大字下大隈1517-1 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→とまと屋 ②福岡空港→とまと屋 |
①アクセス | 筑紫口中央通り、福岡都市高速環状線C、九州自動車道を経由、鞍手ICで出る(約39分) ↓ 県道472号線を目的地まで進む(約9分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道45号線、県道551号線、国道201号線、福岡都市高速4号粕屋線、九州自動車道を経由、鞍手ICで出る(約40分) ↓ 県道472号線を目的地まで進む(約9分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<中間市観光案内 公式ホームページ>
モアイ像
中間市には『モアイ像』がある。「あなたが見たのはモアイ像にそっくりな御仁です」などと言わないでほしい。本当にあるのだ。チリ領イースター島に設置されたモアイ像を知らない方はいないだろう。誰がどのような理由でそれを設置したかは一切不明。「祭祀(さいし)のため」という理由が最も一般的(定説)だが、私は宇宙人の残したオブジェだったら嬉しいな(?)と勝手に思っている。
しかし、大変残念なことに、日本各地のモアイ像(東京、宮城、宮崎などにもある)は全て日本人が造ったものである。「当たり前であろう、馬鹿め」と思った方は、モアイ像の凄さをひとつも理解していない。イースター島に設置された900体以上のそれが、もし人間の手で造られたものだとしたら、恐ろしい労力、時間、手間がかかるはず。ピラミッド、万里の長城、ナスカの地上絵もビックリの凄技と言えるだろう。
前置きが長くなった。モアイ像は同市の観光スポット「屋根のない博物館」に展示されている。「筑豊本線 中間駅」から徒歩5分、線路沿いの「もやい通り」を南に進むと、謎の石像群が見えてくる。入場料無料、時間制限等もなし、深呼吸し呼吸を整えてから入場しよう。
「緑道公園(全長約400m)」に整備された同博物館は、「古代への回帰と歴史探訪」をコンセプトにした観光スポットである。信じられないことに、モアイ像だけでなく「スフィンクス」や古代ギリシャの象徴「アテネ神殿」までもが再現されているのだ。
興奮を抑えつつ緑道公園を南下し、お目当てのモアイ像へ。イースター島のそれは最大高さ約20m、重量100tを超えるものもあるのだが、同博物館のレプリカは小さくて可愛い。高さ約2m、肩に手を置いて記念撮影も可能だ。なぜ、住宅街のど真ん中に石像群を作ろうと思ったのだろう。真相を探るべく同市に問い合わせたところ、「バブル時代に整備されたものです。当時は予算が潤沢だったので、緑道公園を整備しつつ、ついでに古代の石像も立てたのでしょう」と回答をいただいた。
モアイ像の魅力を言葉で言い表すことはできない。摩訶不思議な風貌、本音を読み取らせないうつろな目。それから放たれる「人知を超えた何か」に我々は惹かれるのだろう。非日常を体験したい方は、ぜひ同博物館に足を運んでほしい。
<まとめ>
◎モアイ像(レプリカ)を見学したい方は、同市の住宅街に整備された屋根のない博物館へ。
◎モアイ像は誰が何のために造ったのだろうか。真実は誰にも分からない。私は宇宙人だと思う。
観光スポット | モアイ像 (もあいぞう) |
所在地 | 〒809-0030 福岡県中間市中央2-5 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→屋根のない博物館 ②福岡空港→屋根のない博物館 |
①アクセス | 筑紫口中央通り、福岡都市高速環状線C、九州自動車道を経由、鞍手ICで出る(約39分) ↓ 県道472号線、産業道路、県道27号線、もやい通りを経由、目的地まで進む(約13分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道45号線、県道551号線、国道201号線、福岡都市高速4号粕屋線、九州自動車道を経由、鞍手ICで出る(約40分) ↓ 県道472号線、産業道路、県道27号線、もやい通りを経由、目的地まで進む(約13分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<屋根のない博物館 公式ホームページ>
【中間市 屋根のない博物館】
— はいじ (@nkm_378) January 2, 2016
エジプトのスフィンクス、イースター島のモアイ像などレプリカが展示されています。#福おぉかー pic.twitter.com/p4YYwMYyqi
遠賀郡(目次に戻る
自治体 | 遠賀郡 (Onga county) |
市庁舎所在地 | 【芦山町】芦屋町幸町2-20 【水巻町】水巻町頃末北1-1-1 【岡垣町】岡垣町野間1-1-1 【遠賀町】遠賀町大字今古賀513 |
総人口 | 90,982人 |
代表的な名産/特産品 | イカ イワシ でかにんにく |
平成31年度当初予算 | 1011億円 |
同県最北部エリアに位置する『遠賀郡(おんがぐん)』は、玄界灘に面した漁業と農業の町。「芦屋町(あしやまち)」「水巻町(みずまきまち)」「岡垣町(おかがきまち)」「遠賀町(おんがちょう)」の4町で構成され、近年北九州市のベッドタウンとして人気を集めている。
中間市と同じく、一級河川「遠賀川(おんががわ)」が同市内を縦断しており、東と西にエリアが分断されている。一方、市内の道路網は整備されているが、鉄道の利用状況は芳しくない。南部を横断する「鹿児島本線」は、同地域の車を持たない住人や学生向け、すなわち車/レンタカー必須と考えた方が良いだろう。
代表的な名産/特産品は「イカ」「イワシ」など。玄界灘で獲れる海の幸を活かした料理(飲食店)がおすすめだ。特に新鮮なイカを調理した刺身は素晴らしい。切り身がピクピク動くプリップリの刺身を一度体験すると、スーパーのイカでは満足できない身体(?)になってしまう恐れもあるので、注意したい。
遠賀郡
北斗七星
遠賀郡岡垣町は、玄界灘の美しい景色を楽しめる観光エリアである。しかし、ただ海岸線沿いをドライブするだけでは面白くない。ここで紹介する『北斗七星』のレンタサイクルに乗り、潮風の吹く海沿いの遊歩道を散策すれば、同町の素晴らしさを満喫できるだろう。
北斗七星は同町の観光ステーション(案内所)としてオープンした観光スポットである。なお、トレミー48星座のひとつ、「おおぐま座」を象徴する七つの恒星ではなく、もちろん、某人気漫画「北斗の拳」の主人公の胸にある七つの傷でも「あたたたたたたたたた!!ほぉわたぁ!!・・・お前はもう死んでいる」でもない。
現地へのアクセスは車/レンタカー必須。「鹿児島本線 遠賀川駅」周辺から約20分、国道495号線などを経由し北西方向に進み、北斗七星と書かれた標識に従い目的地を目指す。玄界灘沿い、木造平屋の建物が見えたら、ゴールは目の前だ。
既に述べた通り、同施設は観光ステーション(案内所)として開設、観光客に同町の素晴らしさを伝えるべく活動している。ひとまず展示コーナーをチェックすると、「北斗の水くみ」と書かれた写真が目に入るはず。9月から11月頃、同施設から見える北斗七星(恒星)は水平線近くに位置する。七つの恒星が「水くみ(ひしゃく)型」を形成し、海水をくみ上げているように見えることから、この名がつけられた。なお、これは北九州地方の一部でしか見ることのできない貴重な現象である。
展示コーナーをチェックした後は、レンタサイクル(大人300円、小学生以下200円/3時間)を借りよう。準備ができたら海岸線沿いの遊歩道を疾走するだけである。家族旅行の方は会話と景色を、カップルであれば二人乗りを楽しんでも良い。ただし、歩行者とランナーも多いので、ルールを守って正しく運転しよう。
同施設にはバーベキュースペースも設けられている。3時間5,000円でセット(食料は持ち込み)を借りても良いし、機材持ち込みでもOKだ。また、その勢いで北斗の水くみを見たいという方は、同施設に隣接する「料亭旅館 大福荘」もしくは「宿膳八幡屋 満海の湯」を予約、宿泊するとなお良い。
<まとめ>
◎北斗七星は岡垣町の観光ステーション(案内所)。レンタサイクルで海沿いの遊歩道を疾走したい。
◎北斗の水くみを見たい方は、近くの旅館を予約すると良いだろう。
観光スポット | 北斗七星 (ほくとしちせい) |
所在地 | 〒811-4202 福岡県遠賀郡岡垣町大字原670-34 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→北斗七星 ②福岡空港→北斗七星 |
①アクセス | 空港通り、国道3号線、県道97号線、国道495号線を経由、目的地まで進む(約1時間12分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道574号線、国道3号線、県道97号線、国道495号線を経由、目的地まで進む(約1時間7分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<岡垣町観光協会公式 ホームページ>
八劔神社
「日本武尊」こと「ヤマトタケル」は、古代日本に存在したとされる皇族のひとり。第十二代「景行(けいこう)天皇」の皇子にして、第十四代「仲哀(ちゅうあい)天皇」の父、日本神話を代表する伝説の偉人である。
なお、ヤマトタケルが授かったとされる「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は、日本神話の神「スサノオ」から受け継がれた「三種の神器」のひとつ。これは皇居、天皇陛下の寝室横にあるとされる「剣璽(けんじ)の間」に保管されている日本を代表する神器であり、お金に変えることのできない「国宝の中の国宝」である。
遠賀郡水巻町にある『八劔(やつるぎ)神社』は、1900年近い歴史を持つ由緒正しき神社である。御祭神はヤマトタケル、妻の砧(きぬた)姫により祀られたと言い伝えられている。現地へのアクセスは車/レンタカーもしくは電車を利用しよう。「鹿児島本線 水巻駅」から徒歩20分、遠賀川の東岸を進むと、大きな「イチョウの木」が見えてくる。
鳥居前で一礼、境内に入るとまず目につくのが先述のイチョウの木であろう。推定樹齢1900年、日本神話のスーパースター、ヤマトタケルが植えたと言い伝えられており、県の天然記念物にも指定されている。古墳時代からこの地の変遷を黙って見守ってきたのだろう。なお、枝や幹の一部から伸びた「気根(きこん)」を煎じて飲むと、母乳の出が良くなる、子宝・安産に恵まれるという。
イチョウの木を愛でた後は、本堂のヤマトタケルに挨拶、願いを伝えよう。1900年近く前に建立された本堂から放たれる言い知れぬ覇気(オーラ)は、同地を訪れた者にしか理解できない。天叢雲剣を授かったヤマトタケルは、伊吹山の悪神(怨霊神)を征伐したと言い伝えられているが、もしかすると神話(作り話)ではないのかもしれない。
参拝を終えた後は、同神社の南にあるレストラン「火曜日はお休み」を利用してはいかがだろうか。なお、完全予約制なので、時間に余裕のある方向けである。また、その名の通り火曜日はお休み(定休日)なので注意しよう。
<まとめ>
◎八劔神社は日本神話のスーパースター、ヤマトタケルを祀る神社。1900年近く前に建立されたと言い伝えられている。
◎境内にある大きなイチョウの木(推定樹齢1900年)は、ヤマトタケルが植えたとされる。
観光スポット | 八劔神社 (やつるぎじんじゃ) |
所在地 | 〒807-0051 福岡県遠賀郡水巻町立屋敷3-13 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→八劔神社 ②福岡空港→八劔神社 |
①アクセス | 空港通り、国道3号線、県道73号線を経由、目的地まで進む(約1時間13分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道574号線、国道3号線、県道73号線を経由、目的地まで進む(約1時間9分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<水巻町 公式ホームページ>
今年の #こころ旅 では行くつもりの場所を小平さんに先回りされるという、珍しい体験ができました。画像は福岡県遠賀郡水巻町の立屋敷八劔神社。お参りした先週に放送したばかりで、日本武尊お手植えの大銀杏を見に沢山のこころ旅ファンが来ていました。 pic.twitter.com/RnApFDbKOZ
— 新井あずき (@busaik) December 23, 2016
行橋市(目次に戻る
自治体 | 行橋市 (Yukuhashi city) |
市庁舎所在地 | 〒824-8601 福岡県行橋市中央1-1-1 |
総人口 | 71,124人 |
代表的な名産/特産品 | イチジク 牡蠣 海老 |
平成31年度当初予算 | 622億円 |
瀬戸内海、「周防灘(すおうなだ)」に面する『行橋市(ゆくはしし)』。漁業の町として知られ、「牡蠣」「海老」の漁獲量は九州トップクラスである。また、近年大型ショッピングモールなどの出店が相次ぎ、それに伴い、市中心部エリアの開発も順調に進んでいる。
2006年、同市北部に位置する「北九州空港(北九州市)」が運開、他県から交通アクセスが大幅に改善された。ただし、「福岡空港(福岡市)」からでも、車を利用すれば1時間30分ほどでアクセス可能。どちらを利用するかは、観光の日程、混雑具合等で決めると良い。
市内の鉄道は「JR日豊本線」と「平成筑豊鉄道田川線」の2路線。どちらも運行本数は20分に1本程度なので、市内観光を予定されている方はレンタカーを用意した方が良いだろう。ちなみに、高速道路および国道網はしっかり整備されているので、それらを活用しつつ、最短ルートで目的地を目指したい。
行橋市
福丸1号墳
福岡県内には数多くの古墳が残されている。理由は諸説あるが、九州地方にあったとされる「奴国(なこく)」や「邪馬台国(やまたいこく)」の墓、流罪の身となり都から同地に追われた皇族の墓など、考えるとドキドキする伝説級の話も多い。
古墳に埋葬された者を特定する術はない。「古事記」や「日本書紀」などの書物・歴史書に記載されていたとしても、残念ながら、それが「事実」という証拠はない。もちろん「でたらめ」という証拠もない。古墳に表札(?)などなく、遺体も当然風化している。仮に風化せず残っていたとしても、今の人類の技術では、それが誰かを「100%(正確に)」特定することはできないのだ。
ここで紹介する『福丸1号墳』は、邪馬台国の女王「卑弥呼」の墓だと私は勝手に思っている。いや、現地に足を運び、そう感じたのだ。現地へのアクセルは車/レンタカーを利用しよう。「日豊本線 行橋市」周辺から約15分、直方行橋線(県道28号線)を西進、ナビに従い目的周辺を目指してほしい。
現地に駐車場はない。車を広いスペースに止めたら、徒歩で1号墳を含む「福丸古墳群」へ向かおう。なお、訪れる際の注意事項を下記に記載する。
①道が荒れている。歩きやすい靴、長袖、長ズボン、虫よけを準備したい
②朝方および夕刻以降に訪れてはならない
③霊感の強い人は近づかない方が良い。なお、私は強いが気にせず突入した
外から福丸1号墳の入り口を見ると、言い知れぬ「何か」を感じるはず。「横穴式石室」の入り口がむき出しになっており、「地獄につながる穴」もしくは「ブラックホール」にしか見えない。私は夜間ここで赤い服を着た「巫女」の霊に遭遇し、「中に入れ」と手招きされた。案内されるがまま入ると、中で金縛りにかけられ、3時間ほど動けなくなったのだ。
福丸1号墳が卑弥呼の墓であるという証拠はない。私が遭遇した霊も同じくである。しかし、卑弥呼ではないと証明できない以上、私は同地が邪馬台国の秘密基地(?)であったと考えている。赤い巫女が「初めまして、私は卑弥呼よ」と名乗ってくれれば良かったのだが、あれ以来、同地を訪れても霊には合えずじまいである。
<まとめ>
◎福丸1号墳は卑弥呼の墓かもしれない。なお、赤い服を着た巫女を見たい方は、夜間に同地を訪れると良い。
◎福丸古墳群への道および周辺は荒れている。歩きやすい靴、長袖、長ズボン、虫よけを準備したい。
観光スポット | 福丸1号墳 (ふくまる1ごうふん) |
所在地 | 〒824-0073 福岡県行橋市福丸157 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→福丸1号墳 ②福岡空港→福丸1号墳 |
①アクセス | 国道385号線、国道201号線、県道64号線を経由、目的地まで進む(約1時間29分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道551号線、県道607号線、国道201号線、県道64号線を経由、目的地まで進む(約1時間21分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<全国遺跡報告総覧 公式ホームページ>
海賊大将藤原朝臣邦吉の碑
行橋市の北東部、周防灘を望む海岸近くに『海賊大将藤原朝臣邦吉(ふじわらのあそんくによし)の碑』はある。同地は知る人ぞ知る観光スポット、日本を襲撃した世界海賊との死闘、「刀伊の入寇(といのにゅうこう)」で印象付けられた海賊のマイナスイメージを覆したとされる「藤原朝臣邦吉」を祀っている。
刀伊の入寇は、平安時代中期(1029年)に壱岐対馬および博多などを舞台にした「海賊vs日本防衛団」の戦いである。日本を襲った大陸「新羅(しらぎ)」および「高麗(こうらい)」の海賊は、農民を殺し、女を犯し、牛馬などの家畜を食い荒らし、そして数千名の捕虜を大陸に連れ去ったとされる。
当時、日本に軍隊はなく、野武士の集団が日本防衛団を構成し、海賊と死闘を繰り広げた。それから約400年後、同地を支配した海賊大将こと藤原朝臣邦吉は、朝鮮(大陸)との交易を確立し、貿易商兼日本海賊として近海の海を支配。大陸からの侵攻に目を光らせていたという。
現地へのアクセスは車/レンタカーもしくはタクシーを利用しよう。「日豊本線 行橋駅」から車で約15分、今川(いまがわ)沿いの道を東に進み、海をめざす。「蓑島海水浴場」の看板および駐車場が見えたら、ゴールは近い。広い駐車場があるので、車を止め砂浜に出よう。
砂浜のど真ん中に建つ鳥居前で一礼したのち、その奥にある「菅原神社」と海賊大将の碑へ移動。大きな一枚岩に藤原朝臣邦吉の名が記されており、一目でわかるはずだ。近海を支配していた同氏は、朝鮮や国内の商人たちと取引し、収益を上げていた。当然「海賊行為(襲撃)」も行っていたようだが、某人気漫画に出てくる悪党海賊(?)のような悪事に手を染めることはなかった。いわゆる「義賊」、「ビリー・ザ・キッド」のような男だったらしい。
海賊大将と同地で命を落とした者たちに祈りを捧げた後は、食事もしくは温泉をおすすめしたい。同地の周辺には海の幸を扱う飲食店が複数あるので、予約しておくと安心だろう。また、「岩盤浴 すおうの癒」で身体に蓄積された汚れやアカを落としても良い。
<まとめ>
◎海賊大将として活躍した藤原朝臣邦吉は、近海の海と周辺住人を守る守護者だった。
◎海賊=悪、というイメージを覆した同氏は、行橋市を代表する偉人のひとりである。
観光スポット | 海賊大将藤原朝臣邦吉の碑 (かいぞくたいしょうふじわらのあそんくによしのひ) |
所在地 | 〒824-0011 福岡県行橋市大字蓑島835-2 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→玉野井藤原朝臣邦吉発祥之地碑 ②福岡空港→玉野井藤原朝臣邦吉発祥之地碑 |
①アクセス | 筑紫口中央通り、福岡都市高速環状線C、九州自動車道、東九州自動車道を経由、苅田北九州空港ICで出る(約1時間) ↓ 県道245号線、県道25号線を経由、目的地まで進む(約20分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道574号線、ユニバ通り、県道91号線、九州自動車道、東九州自動車道を経由、苅田北九州空港ICで出る(約1時間1分) ↓ 県道245号線、県道25号線を経由、目的地まで進む(約20分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<行橋市観光ポータルサイト 公式ホームページ>
福岡県行橋市の簑島を約3年ぶりに散歩!
— さすらいのNT (@Tourist_bnn) February 18, 2018
浜辺に鎮座する菅原神社の鳥居は行橋市内で二番目に古いものなのだそうだ。この菅原神社は御祭神は勿論、菅原道真公、太宰府への左遷の途中簑島に立ち寄ったのが由来。
干潮で生まれた干潟には、潮干狩りを楽しむ方々がいました😊
干潟に残る波の模様が綺麗😆 pic.twitter.com/gXrIDV73Lb
豊前市(目次に戻る
自治体 | 豊前市 (Buzen city) |
市庁舎所在地 | 〒828-8501 福岡県豊前市大字吉木955 |
総人口 | 24,652人 |
代表的な名産/特産品 | ゆず かぼちゃ イチジク |
平成31年度当初予算 | 179億円 |
同県東部、周防灘(すおうなだ)に面した『豊前市(ぶぜんし)』は、海と山に囲まれた自然豊かな町である。南西部、大分県との県境にそびえる「犬ヶ岳(いぬがたけ)」と「求菩提山(くぼてさん)」が同市のシンボル的存在、毎年たくさんの登山客、ハイカーで賑わう。
鉄道は海沿い(北部エリア)を走る「日豊本線」のみ。観光等で訪れる際は、車/レンタカーを準備した方が良いだろう。福岡市、北九州市から離れているため「不便な地域」と思われがちだが、市内の施設は意外と充実している。また、近年、大手自動車メーカーとそれに関連する部品メーカーなどの進出が相次ぎ、結果、マンション開発が進むなど町は思いのほか盛り上がりを見せている。
代表的な名産/特産品は「ゆず」「かぼちゃ」「イチジク」など。周防灘で獲れる「牡蠣」や「ワタリガニ」も美味しい。また、同県の大人気ブランド米「豊築宝(ゆきほ)」の生産にも力を入れており、海と山に魅了され都心部から移住してきた若者が田植え農家に転身することも多いという。
豊前市
岩洞窟
『岩(がん)洞窟』は、豊前市の中央部、「求菩提山(くぼてさん)」の麓に形成された巨大な洞窟である。人間によって造られたものではなく、火山活動などの自然現象によって現在の形になったと考えられており、古墳時代から明治時代初期まで「修練の場」として利用されてきたと言い伝えられている。
現地へのアクセスは車/レンタカーを利用しよう。「同市の繁華街」から約15分、県道32号線を西進、「岩岳川(いわたけがわ)」沿いに設置され標識に従い、駐車場を目指す。車を止めたら、目的地は目の前である。
林道を少し進むと、巨大な洞窟とそこに設置された仏像群が出迎えてくれる。岩洞窟で修練に励んだとされる「修験者(しゅうけんしゃ)」たちは、同地域周辺の神社や寺院から集まった者たちと言い伝えられており、皆、食事も睡眠もとらず、ひたすら神仏を唱え、仏像作りなどに励んだという。
奥行数百メートルの巨大洞窟に入ったら、天井に描かれた「壁画」に注目してほしい。これは平安時代の僧が描いたものと伝えられており、「信仰の深さ」と信者たちの修練にかける想いを伝える貴重な遺産として認められ、県の重要文化財に指定されている。また、数百年の年月をかけて作られた仏像もあり、修験者から次の修験者へ受け継がれた「意志の証(あかし)」とも言われている。
同地を訪れた際には、ぜひ座禅を組みお経を唱えて欲しい。なお、お経は自分が信仰する宗教のものであれば何でもOKだ。ただし、意外と観光客が多い。見られると恥ずかしいもしくは不審者扱いされる可能性もあるので注意してほしい。日本は「信教の自由」を未来永劫保障しているので、イスラム教信者であれば「الله أكبر الله اكبرالله أكبر فوق كيد المعتد(アッラーフは偉大なり)」と大声で唱えると良いだろう。
お経を唱え終わったら、仏像群に別れを言い、駐車場に戻ろう。これであなたも立派な修験者だ。最後に、岩洞窟での修練を終えたら、同地域のモニュメントとして知られている「椅子のオブジェ」も見学してほしい。巨人のために作られた(?)椅子の高さは何と約10m。なお、墜落防止対策(ハーネス)および防保護具なしで昇ることは禁止されているので、足元から見学するにとどめよう。
<まとめ>
◎岩洞窟は、修験者たちの集う修練の場であった。石仏像、壁画は修験者が作ったものと伝えられている。
◎同地で座饌を組みお経を唱えれば、あなたも立派な修験者である。
観光スポット | 岩洞窟 (がんどうくつ) |
所在地 | 〒828-0083 福岡県豊前市大字岩屋99 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→岩洞窟 ②福岡空港→岩洞窟 |
①アクセス | 筑紫口中央通り、福岡都市高速環状線C、九州自動車道、東九州自動車道を経由、豊前ICで出る(約1時間25分) ↓ 県道225号線、県道32号線を経由、目的地まで進む(約13分) ↓ 到着 |
②アクセス | 県道574号線、ユニバ通り、県道91号線、九州自動車道、東九州自動車道を経由、豊前ICで出る(約1時間27分) ↓ 県道225号線、県道32号線を経由、目的地まで進む(約13分) ↓ 到着 |
外部サイトへのリンク
<豊前市観光協会 公式ホームページ>
京都郡(目次に戻る
自治体 | 京都郡 (Miyako county) |
市庁舎所在地 | 【苅田町】苅田町富久町1-19-1 【みやこ町】みやこ町勝山上田960 |
総人口 | 55,023人 |
代表的な名産/特産品 | 米 ねりちーず 地酒 |
平成31年度当初予算 | 589億円 |
『京都郡』は「きょうとぐん」ではなく「みやこぐん」と呼ぶ。地名の由来は古墳時代にまでさかのぼる。第十一代「景行(けいこう)天皇」が都(みやこ)から同地を訪れ、「仮の都」としてしばらく滞在したことから、京都郡という名になったそうだ。
同郡は「苅田町(かんだまち)」と「みやこ町」の2町で構成される。なお、両町の間には行橋市があり、南北に分断されている。北エリアの苅田町は漁業と工業の町。近年、大手企業(TOYOTA、日産などの自動車メーカー)の進出に伴い、住宅とマンション開発が急ピッチで進められている。
一方、南部エリアのみやこ町は、縦長の少しいびつな形状が特徴の自然豊かな地域である。苅田町のように開発は進んでいないものの、「平成筑豊鉄道田川線」が町を縦断し、さらに「東九州自動車道」が開通したことで、近隣地域へのアクセスも向上。知る人ず知る秘境系観光スポットを目指す「外国人バックパッカー」などから人気を集めている。
京都郡
豊前国分寺跡
京都(みやこ)郡みやこ町の北部、第十一代「景行(けいこう)天皇」から「第二の都」の称号を得た同地に『豊前(ぶぜん)国分寺跡』はある。奈良時代、第四十五代「聖武(しょうむ)天皇」の詔勅(しょうちょく)を受け、国分寺の名を持つ寺が日本各地に建立された。
同地に建立された「豊前国分寺」は、戦国時代の争乱により焼失。その後、江戸時代に復興、さらに明治28年、同寺院のシンボルとなる「三重塔」が建立され現在に至る。すなわち、同跡地は戦国時代に消失した旧国分寺の位置を示しているのだ。「それがどうした?」などと言わず、まずは現地に足を運んでほしい。
アクセスは車/レンタカーもしくはタクシーを利用しよう。「平成筑豊鉄道田川線 新豊津駅」周辺から約5分、少し道が分かりにくいので、ナビをチェックしながら慎重に進んでほしい。住宅街の中に建つ三重塔が見えたら目的地は近い。寺院入り口前に駐車場があるので、車を止め境内に入ろう。なお、同寺院の開館時間は9時から16時、入館料無料である。
まずは「案内所」に展示された同寺院に関連する貴重な品々を見学させてもらおう。分からないことがあれば、受付の方に質問しても良い。高さ23.5mの三重塔を見学したら、本堂を通過し境内奥へ。焼失したとされる旧国分寺の跡地は、現在公園として整備されている。その中心部に基礎跡が残されており、一目で寺院があったと分かるはずだ。
同地はかつて「豊前国(ぶぜんのくに)の中心地」として栄え、旧国分寺だけでなく、「政庁舎(現代でいう県庁舎)」もあったことが史跡調査で判明している。大火で焼失してしまったが、当時の痕跡が残されており、奈良時代の息吹を感じることができるはずだ。
見学および参拝を終えた後は、「みやこ観光まちづくり協会(観光案内所)」にも立ち寄ってみよう。ここでは、みやこ町のおすすめ観光スポット情報などを入手できる。せっかくなので、若いスタッフの方に京都郡の名の由来を聞いても良い。「分かりません」と答えたら、「第十一代景公天皇から第二の都として認められたためです。常識ですよ」と教えてあげるとなお良い。
<まとめ>
◎豊前国分寺跡では、焼失した同寺院および政庁舎の痕跡を見学できる。
◎奈良時代の息吹を感じると同時に、己の知見も深めることができるだろう。
観光スポット | 豊前国分寺跡 (ぶぜんこくぶんじあと) |
所在地 | 〒824-0123 福岡県京都郡みやこ町国分280-1 |
地図 ※クリックでGoogle map起動 | ①博多駅→豊前国分寺跡 ②福岡空港→豊前国分寺跡 |