ウクライナ/国旗

目次

 基本情報

 政治

 渡航情報

 マスメディア

 軍隊

 歴史
  ・1700年代
  ・1800年代
  ・1900年~第一次世界大戦

  ・第一次世界大戦~第二次世界大戦
  ・終戦から現在

 文化

 スポーツ

 その他

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国名:ウクライナ(Ukraine)

首都:キエフ(Kyiv)

人口:43,922,083人(2021年推定)

面積:603,700㎢(日本の1.6倍)

気候:大陸性気候
・最も暑い時期(7月)の日中の平均気温は25~30℃。内陸部は35℃を超えることもある。
・最も寒い時季(1月)の日中の平均気温は0℃以下。マイナス20℃を下回ることも珍しくない。
・年間降水量は地域によって異なるが、1,500mmを超える地域はほとんどない。
・降水量の多い地域は黒海沿岸と高地。
・観光のベストシーズンは暖かく乾燥している夏場。

経済:
・開発途上国
GDPは1,547億ドル(2019年推定)
・2000年~2008年の経済成長率は東欧トップクラス。
・2009年の金融危機で大打撃を受けた。
・2014年のクリミア併合でGDPは大きく減少した。
・主要産業はサービス業と製造業。
・世界で最も重要な鉱物生産国のひとつ。
・国内の鉱床数約8,000。採取できる鉱物は約90種類、そのうち20種類は国の経済に欠かせない重要な資源。
・石油、石炭、天然ガスにも恵まれているが、国内のエネルギー資源を活用できていない。
・ひまわり油(ひまわりの種)の世界最大の生産国。
・砂糖、穀物、乳製品、ナッツ、ハチミツの主要生産国のひとつ。

人種:
・ウクライナ人 77.8%(2001年国勢調査)
・ロシア人 17.3%
・ルーマニア人 1.1%
・ユダヤ人 1.0%
・ベラルーシ人 0.6%
・クリミアタタール人 0.5%
・ブルガリア人 0.4%
・ハンガリー人 0.3%
・ポーランド人 0.3%
・その他多数

言語:
・ウクライナ語 67.5%(2001年国勢調査:公用語)
・ロシア語 29.6%
・クリミアタタール語 0.5%
・モルドバ語 0.4%
・ハンガリー語 0.4%
・その他多数

宗教:
・東方正教会 67.3%(2018年推定)
・ギリシャカトリック 9.4%
・ラテンカトリック 0.8%
・その他のクリスチャン 7.7%
・プロテスタント 2.2%
・無宗教 11%
・ユダヤ教 0.4%
・その他

ウクライナ

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大統領:ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)
首相:デニス・シュミハリ(Denys Shmyhal)

政治体制:共和制
・国家元首は大統領。任期は5年。
・首相は議会選挙で選出される。
・一院制。議員定数は450人だったが、クリミア併合の影響で現在は424人。
・クリミア共和国、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国(いずれも自称)の影響で政情はかなり複雑化している。

法律:ウクライナの憲法
・基本的人権と司法の独立を保障している。
・ストライキの権利を保障しているが、政治的要求のみのストは禁止している。
・宗教の自由を保障しているが、団体は政府および地方自治体に届け出をする必要がある。
・少数民族の権利を保障している。
・2001年に名誉棄損を非犯罪化したが、名誉棄損訴訟は全国で続いている。(損害賠償額を制限されている)

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渡航情報:
外務省ホームページ
・渡航中止勧告発令中(2021年2月時点)
コロナウイルス注意情報発令中(2021年2月時点)

治安:悪い
・東部クリミア自治区では武装勢力が活動しており、危険。
・東部の国境付近には近づかないこと。
・反政府勢力の活動が各地で報告されている。
・ロシアのクリミア併合以来、各地で散発的な抗議活動が確認されている。
・近年テロ事件は発生していない。
・高級腕時計や貴金属類は身につけない方がよい。
・流しのタクシーには乗車しないこと。
・繁華街では置き引きやスリに注意。

ゲッティイメージズ/ウクライナ、クリミア半島

マスメディア(目次に戻る

・新聞社は数十社。
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は50局以上。
・ラジオ局は50局以上。
・報道と言論の自由を保障しているが、政府に批判的なジャーナリストは嫌がらせを受ける。
・主要メディア媒体はテレビ。
・インターネット普及率は2014年時点で43%。
・検閲はない。

【国営メディア/設立年】
・ウクライナ国立公共放送会社 1928年

【民間メディア】
・1 + 1
・TRKウクライナ
・ICTV
・STB
・その他多数

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2021年軍事力ランキング:25位

・軍人数:1,245,000人(推定)
  即戦力 255,000人
  予備兵 900,000人
  準軍組織 90,000人

・陸海空軍を保有。

・国防予算:96億ドル(推定)

ゲッティイメージズ/ウクライナ、クリミア半島、国境に設置された柵と兵士

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1700年代

・1700年代、現在のウクライナはコサック王朝の支配下に置かれていた。

・1709年7月、ポルタヴァの戦いが始まる。ロシアはウクライナを徹底的に打ち負かし、コサック王朝は自治権を失った。

・1710年、ポーランド・リトアニア連邦に加盟。ロシアは民主的なウクライナコサック議会の設立を承認し、コサック王朝に一時的に自治権を与えた。

・1764年、コサック王朝が正式に廃止される。

・ポーランド分割(1772年、1793年、1795年)により、ウクライナの領土はロシアとオーストリアに分割分配された

・1783年、ロシアがクリミア半島の併合を宣言。ウクライナ人(コサック人)はロシアと条約を結び自治権を保障されるはずだったが、ロシア王朝は約束を破り、自治権を完全に剥奪した。ただし、優秀なウクライナ人は州の高官として採用された。

1800年代

・1800年代、ロシアはウクライナに多くの移民を受け入れ、都市の開発とインフラ整備を進めた。

・クリミアにはロシア人、ドイツ人、ブルガリア人、セルビア人、ギリシャ人などが多数移住し、野生の野原と呼ばれていた黒海北部の草原を少しずつ開拓した。

・都市開発と近代化は市民に教育と知識をもたらし、独立や民族の統一を呼びかける知識人が次々に現れた

・詩人のタラス・シェフチェンコと政治理論家のムイハーイロ・ドラホマノフは1800年代中頃から本格化するナショナリスト運動を主導した。

・1800年代中頃、多くのウクライナ人がロシアに移住した。当時の国勢調査によると、シベリアへの移住者は約22万人、現在の中央アジアには約10万人が移住したという。

・1800年代後半、ナショナリストと社会主義を推奨する政党が力をつけ、支持者たちは各地で独立を求める活動を展開した。

・ウクライナの領土を分割支配したロシアとオーストリアは、ナショナリズムの加速を危険視したが、厳しい取り締まりは行わなかったと伝えられている。

1900年~第一次世界大戦

・ロシア領ウクライナは第一次世界大戦で連合軍に加わった。一方、オーストリア領ウクライナは中央同盟国に加わり、ウクライナ人は両陣営に分かれた戦いを繰り広げることになった

・ロシアは分離主義を恐れ、ウクライナの言語と文化を成長させようとする試みに厳しい制限を課し、違反者を拘束した。これにより、ウクライナのナショナリスト運動を牽引した知識人の多くが西側に亡命した。

・1914年9月、第一次世界大戦勃発。

・1917年2月、2月革命(ロシア)

・1917年11月8日、ウクライナ独立戦争勃発(王朝vsソビエト社会主義ウクライナvsオーストリア領ウクライナ)

・1917年11月20日、議会が「ウクライナ人民共和国(UPR)」の設立を宣言。

・1918年1月25日、UPRがソビエトからの独立を宣言。

・1918年11月、第一次世界大戦終結。

<第一次世界大戦のウクライナ>
連合国参戦者:20万人(推定)
中央同盟国参戦者:350万人(推定)
負傷者:数十万人(推定)
死亡者:数万人(推定)

ウクライナ/小麦畑

第一次世界大戦~第二次世界大戦

・1919年1月22日、ウクライナ統一条約締結。

・1919年6月28日、ヴェルサイユ条約調印。

・1919年10月21日、国際連盟がヴェルサイユ条約を正式に承認。これにより、ウクライナはロシアおよびオーストラリアから領土の自治権を取り戻した。

・1921年11月17日、ウクライナ独立戦争終結。ソビエト社会主義ウクライナが決定的な勝利を収めた

・1921年11月17日、「ウクライナソビエト社会主義共和国(ウクライナSSR)」誕生。

<ウクライナ独立戦争>
参加者:30万人(推定)
負傷者:数十万人(推定)
死亡者:数万~数十万人(推定)
民間人犠牲者:不明

・1922年12月30日、ウクライナSSRがソビエトに正式に加盟。

・1932年~1933年、ソビエト大飢饉。ウクライナSSRでは330万人~500万人が餓死したと伝えられているが、ソビエトは大飢饉の発生を否定している。ソビエト連邦内の餓死者数は800万人~1,000万人以上と推定されている。

・1920年~1930年代、ウクライナ民族主義者組織(OUN)と呼ばれる組織が東部地区で力をつけ、独立を求める活動を展開した。なお、OUNはその後も成長し続け、ウクライナ軍事組織(UVO)に名を改めることになる。

・1939年9月、第二次世界大戦勃発。

・1941年、ナチスドイツがソビエトに侵攻。一部のウクライナ人はナチスとソビエト軍に攻撃を仕掛け、ウクライナ蜂起軍を形成した。

・ウクライナSSRの軍はポーランドの民間人約10万人を虐殺し、世界から非難された。

・別の民族主義運動、ウクライナ解放軍はナチスと協力してソビエト軍に襲いかかり、数万人を殺害した。

・1945年9月、第二次世界大戦終結。

<第一次世界大戦のウクライナ>
参戦者:450万人~700万人(推定)
負傷者:100万人~200万人(推定)
死亡者:140万人(推定)
民間人犠牲者:不明

終戦~現在

・1945年10月、国連に加盟。(創設メンバー)

・1946年~1947年、ウクライナ飢饉。干ばつの影響で深刻な食糧不足に陥り、さらに第二次世界大戦の影響でインフラは破壊されていたため、各地に救援物資を届けることは困難だった。餓死者は数万~数十万人と推定されている。

・1946年から1950年、ソビエトは年度予算の約20%をウクライナSSRに投資し、インフラや製造業を強化した。その結果、ウクライナSSRの労働人口は大幅に増加し、製造業は2倍以上に成長した。

・1953年、ニキータ・フルシチョフがソビエトの指導者に就任。フルシチョフは1938年から1949年までウクライナSSRの書記長を務めていた。

・1954年、ソビエトがウクライナSSRにクリミア半島を移管。

・1950年から1960年代、ウクライナSSRの工業生産はヨーロッパ随一の規模に成長し、ソビエトの武器産業とハイテク研究の中心地になった

・1964年、ウクライナSSR出身のレオニード・ブレジネフがソビエトの指導者に就任。フルシチョフは追放された。

・1972年8月、チェルノブイリ原子力発電所の建設工事が始まる。その後、1977年に最初の原子炉が完成、1978年に2号機、1981年に3号機、1983年に4号機が完成した。

・1982年9月、チェルノブイリ原子力発電所で部分的なメルトダウンが発生。死者は出なかったと伝えられている。

・1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所4号機で事故が発生。メルトダウンは致命的な爆発を引き起こし、ウクライナSSRは壊滅的な放射能汚染に直面した。なお、国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)が作成した報告書によると、爆発の影響で死亡した発電所の作業員は56人、推定4,000人が放射線を浴びた影響でその後死亡した可能性があるという。

・メルトダウン発生当時、汚染された地域で生活していた住民は約700万人。そのうち約220万人がウクライナ人だった。

・1990年7月16日、ウクライナSSR議会が主権宣言を採択。

・1991年8月24日、ウクライナSSR議会が独立法を採択。

・1991年8月24日、「ウクライナ」が独立を宣言。

・1991年12月1日、大統領選挙。有権者の90%以上が独立を指示し、レオニード・クラフチュクが初代大統領に就任した。

・1991年12月26日、ソビエト連邦崩壊。

・1996年6月28日、憲法改正。

・ウクライナのGDPは1991年から1999年の間に60%減少し、ハイパーインフレに悩まされた。また、景気が急速に悪化したことで犯罪と汚職が蔓延し、市民はストライキや抗議活動で政府に抗議した。

・2004年、大統領選挙。ヴィクトル・ヤヌコビッチ首相が勝利した。しかし、野党は選挙の不正を訴え、大規模な抗議活動に発展した。

・2004年11月、ヤヌコビッチの勝利に反対する抗議が全国各地で展開された。(オレンジ革命)

・2005年1月23日、最高裁判所が2004年大統領選挙の不正を認め、ヤヌコビッチの勝利は取り消された。

・2005年1月23日、ヴィクトル・ユシチェンコが大統領に就任。なお、ロシアは民主的なユシチェンコの勢力に圧力をかけたが、大統領就任を阻止することはできなかった。

・2008年~2009年、金融危機の影響でGDPは約15%急落した。

・2010年2月、大統領選挙。ヴィクトル・ヤヌコビッチ元首相が大統領に就任。

・2013年11月、政府はEUとの連合協定を一時停止し、ロシアおよびユーラシア経済連合とのより緊密な関係を構築すると発表した

・2013年11月21日、政府の決定に抗議する大規模集会が各地で始まる。抗議者たちはヤヌコビッチ大統領の辞任を求めた。

・2013年12月8日、抗議者たちが首都キエフのレーニン像を破壊。ロシアとの関係強化に強く反対した。

・2014年2月18日~2月20日、抗議は暴動に発展し、治安部隊が抗議者を攻撃した。一連の鎮圧戦で少なくとも98人が死亡、15,000人以上が負傷し、100人以上が行方不明になった。

・2014年2月22日、議会がヤヌコビッチ大統領の弾劾案を可決。

・2014年2月23日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がクリミア併合を開始すると宣言。その後、ロシア軍と諜報機関はウクライナ軍に武装解除を命じ、クリミア半島を強奪した。

・2014年3月16日、ロシアとの協力関係の賛否を決める国民投票。ロシア当局は、97%が賛成に投票したと発表した。

・2014年3月18日、ロシアが「クリミア共和国(自称)」「ドネツク人民共和国(自称)」「ルガンスク人民共和国(自称)」の独立を承認。

・2014年3月18日、国連総会は3月16日の不正国民投票を却下し、ウクライナの領土保全を指示する決議68/262を可決した。

・2014年4月6日、ドンバス戦争勃発。(ウクライナvsドネツク人民共和国&ルガンスク人民共和国)

・2014年5月25日、大統領選挙。ペトロ・ポロシェンコが勝利した。

・2014年9月5日、ドンバス戦争の一時停戦を求めるミンスク議定書締結。しかし、戦闘は収まらなかった。

・2015年1月、ミンスク議定書破綻。

・2015年2月12日、ドンバス戦争の一時停戦を求めるミンスクⅡ締結。

・2016年1月1日、EUの包括的自由貿易圏に正式に加盟。

・2017年5月11日、EUがウクライナの市民に対するビザ免除旅行を承認。

・2019年10月1日、ウクライナ、ロシア、クリミア共和国、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国がドンバス戦争終結に向けたロードマップに合意。

<ドンバス戦争(継続中)>
参加者:10万人~13万人(推定)
負傷者:数万人(推定)
兵士死亡者:約10,000人
民間人死亡者:数万人(推定)
国内避難民:約150万人
国外避難民:約93万人

ウクライナ/チェルノブイリ

文化(目次に戻る

・自国の文化はソビエト連邦時代に大きな影響を受け、途絶えたものも複数確認されている。

・文化の中心にあるものはキリスト教。

・クリスマスの時期に食べるクティアと呼ばれる甘いパンが有名。

・主食はパン、主菜は魚、ソーセージ、チーズを使った料理。

・アルコールとタバコが大好きで、それに伴う健康被害に悩まされている。

・伝統舞踊のヒトツ、カリナが人気。なお、コサックダンスはあまり好きではない。

スポーツ(目次に戻る

・一番人気はサッカー。

・東欧を代表するスポーツ大国のひとつ。

・その他の人気スポーツはバスケットボール、ボクシング、ラグビー、アイスホッケー、ラグビー、クリケット、新体操など。

・オリンピックの獲得メダル数は128個。(金:37個、銀:31個、銅:60個)

・世界を代表するボクシング強豪国のひとつ。

・世界を代表する新体操強豪国のひとつ。

【有名スポーツ選手】

・セルゲイ・ブブカ(Sergey Bubka)棒高跳び選手。国際陸上競技連盟殿堂入り。国際オリンピック委員会(IOC)名誉会員。

・アンドリー・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)サッカー選手。ウクライナの英雄と呼ばれている。

・ウラジミール・クリチコ(Wladimir_Klitschko)ボクシング選手。ヘビー級統一王者。オリンピック金メダリスト。史上最高のヘビー級チャンピオンのひとり。

・ワシル・ロマチェンコ(Vasyl_Lomachenko)ボクシング選手。オリンピック金メダリスト。アマチュア時代の戦績396勝1敗。

・ヤナ・クロチコワ(Yana Klochkova)水泳選手。オリンピック金メダリスト。

その他(目次に戻る

・チェルノブイリ原子力発電所の事故で大きな被害を受けた。

クリミア半島はウクライナの領土である

ウクライナ/首都キエフ
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