トランプ大統領は急停止、コロナウイルスは急加速

アメリカのコロナウイルスによる24時間あたりの死亡者数は、9.11同時多発テロで殺害された市民とほぼ同じ数まで上昇した。

しかし、トランプ大統領は11月3日の大統領選挙以来、民主党とジョー・バイデン氏への嫌がらせに固執し、コロナウイルス関連の対策会議に出席することなく共和党支持者を根拠のないツイートで煽り、アメリカの分断に拍車をかけている。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は1,420万人、累計死亡者数は27.6万人、最新の24時間あたりの新規陽性者数は217,664件、死亡者数は2,879人、コロナウイルスに関連する入院患者数は10万人を超えた。

全国の裁判所がチームトランプの陰謀説を打ち負かしている間、トランプ大統領は4年後の大統領選挙に向けて数億ドルの資金を調達した。

11月29日、ホワイトハウスコロナウイルス対策チームはレポートの中で、「国内の感染状況は歴史的な高さにある。現在の状況が改善されなければ、医療システムの崩壊もあり得る」と警告した。

また疾病予防管理センター（CDC）は12月3日の声明で、12月26日までにさらに53,000人が死亡すると予測。ロバート・レッドフィールド所長は、「公衆衛生の歴史上、最も困難な状況に直面している。医療システムにかかるストレスを低減させなければならない」と述べた。

しかし、トランプ大統領は対策チームやCDCの意見に耳を傾けることなく、今も選挙の不正を告発する準備にのみ焦点を合わせている。

トランプ大統領は選挙以来、コロナウイルスに関連する記者会見をほとんど開催していない。なお、11月13日にワクチンの開発状況を記者の前で自慢したが、質問には答えなかった。

ホワイトハウスは12月3日の定例記者会見で記者から「大統領はコロナウイルスに対処する何かをしているのか？」と質問され、無視した。

12月4日にも同じ質問をされたが、やはり無視している。

先日ホワイトハウスで行われたクリスマスイベントでトランプ大統領はコロナウイルスについて、「市民の頑張りと命を救う労働者の働き」に言及したという。

ドナルド・トランプ大統領：
「勇敢な医師、看護師、およびその他の対応者は、他人を救うために勇気を持って命を賭けている」

最近、トランプ大統領は「バイデン氏にワクチン開発の実績を横取りされた」と嘆いたという。ワクチン接種は12月11日以降に始まる可能性があるものの、全国展開はバイデン政権発足後になる見込みである。

トランプ大統領は12月3日に約46分の声明を投稿した。

ドナルド・トランプ大統領：
「これは私が今まで行った演説の中で一番重要なメッセージかもしれない」

「アメリカ人は理解しなければならない。私たちの選挙法は不正と詐欺によって破壊され、ホワイトハウスのパンデミック対応に深刻な影響を与えた」

根拠を提示することなく自信満々に述べたトランプ大統領は、27万人超の犠牲者については一切言及せず、選挙の不正と詐欺を訴え続けた。

トランプ大統領が定例ツイートで不正をしつこく訴え続ける間、多くの市民が命を落とした。

チームトランプの元マネージャー、ブラッド・パーサクル氏はフォックスニュースのインタビューの中で、「大統領は市民から共感を得られず、敗北した」と語った。

ブラッド・パーサクル氏：
「コロナウイルスに関連する決定が致命傷になった。市民は共感できる大統領を求めている」

【世界の感染状況／12月5日時点】