コロナウイルス／ヨーロッパの暗いクリスマス

コロナウイルスの第二波に直面している欧州各国の政府は無謀なクリスマス旅行に注意を促し、「計画を立てるのは時期尚早」と警告した。

これまで独自路線を貫いてきたスウェーデンも、クリスマス期間中に旅行制限を発効する可能性があると伝えられている。

一方、フランスとアイルランド政府は、旅行の手配をしてよいかどうかを判断するのは時期尚早と述べ、暗いクリスマスを示唆した。

現在、欧州のいくつかの国でロックダウンやその他の制限が発効されている。

ポルトガル政府は夜間外出禁止令のエリアを大幅に拡大すると発表。11月16日から、全国の4分の3が最も厳しい制限下に置かれる。

・第二波、封鎖されたヨーロッパの制限まとめ

スウェーデンの国家疫学者、アンダース・テグネル氏は、医療機関の負担を軽減させるための制限がクリスマス期間中に課される可能性を示唆した。

テグネル博士は声明の中で、「恐らくこの1、2週間で決定するだろう」と述べ、クリスマスの直前に何らかの発表があると市民に注意を促した。

アンダース・テグネル博士：
「新規症例の大部分は民間施設から発生している。私は22時以降のアルコール販売を禁止し、ホリデーシーズンの私的な懇親会の増加を避けたいと考えている」

スウェーデンの12日の死亡者数は過去最高を更新する40人に達し、1日あたりの新規陽性数も春のパンデミックを大幅に上回る4,000件前後で推移している。

スウェーデンの制限（11月13日時点）

・カフェやレストランで同席できる人数を1テーブルあたり8人以下。超える場合は、少なくとも1メートル離れた複数のテーブルに分割。

・集会やイベント：50人以下に制限。

・屋内施設、店舗：可能な限り利用を控える。ただし、店舗は閉鎖されない。

・旅行：可能な限り控える。

・公共交通機関：可能な限り利用を控える。第三者との社会的距離を保つ。

・運動：15歳以上のスポーツ活動は避ける。ただし、プロスポーツ、大学スポーツは許可。

・仕事：テレワークを推奨。

・第三者との接触：家族以外との接触は可能な限り避ける。

アイルランドのレオ・バラッカー副首相は海外居住のアイルランド国民に対し、「帰国便の予約はまだおすすめしない」と警告した。

フランスのジャン・カステックス首相も市民に、「クリスマス旅行用の切符を購入してよいかどうかの判断は、まだ時期尚早」と述べた。

また、現在発効中のロックダウンについては、「少なくともあと2週間は緩和されない。今、緩和するのはあまりに無責任だ」と語った。

フランスの制限（11月13日時点）

・バー、レストランは閉鎖。

・食料品店やガソリンスタンドなどの生活に欠かせない店舗以外は全て閉鎖。

・外出には許可証が必要。

・学校、公的機関、工場は営業を継続。

・集会、スポーツ、その他イベントは全て禁止。

・22：00～06：00の間は外出禁止。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、フランスの累計感染者数は190万件以上、累計死亡者は間もなく43,000人を超える。

フランスの保険当局は、12日の入院患者数が過去最高の32,638件に達したと発表した。

しかし、新規陽性者数は5日連続で減少しており、ロックダウンの効果が出ていると思われる。

同じくロックダウン中のイタリアは感染者の増加に歯止めがかからない。フランチェスコ・ボッチャ地域担当大臣は、「クリスマスは家族と自宅で静かに祝うべきだ」と述べた。

イギリス政府は11日にアイルランド、スコットランド、ウェールズの高官と「COVID-19クリスマス対策会議」を開催。暗いクリスマスに対処する方法を議論した。

【欧州の感染状況／11月13日時点】