◎事件は西部のブルキナファソ国境近くで10日に発生。治安部隊が武装兵26人を無力化した。
アフリカ西部・ニジェールの国境付近で正体不明の武装集団が治安部隊に攻撃を仕掛け、陸軍兵士10人が死亡、7人が負傷した。軍事政権が11日、明らかにした。
それによると、事件は西部のブルキナファソ国境近くで10日に発生。治安部隊が武装兵26人を無力化した。
軍政の報道官は声明で、「オートバイに乗った数百人の武装兵が軍の陣地を襲撃し、銃撃戦になった」と述べた。
SNS上ではブルキナ国境付近の集落でも戦闘が発生し、イスラム過激派が民間人を攻撃したという情報が拡散したものの、軍政はこれを「根拠がない」と一蹴した。
軍当局はフェイスブックに声明を投稿。「テロリストは軍の士気を下げるために偽情報を流している」と説明した。
それ以上の詳細は明らかになっておらず、犯行声明を出した組織も確認されていない
ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が追放されて以来、悪化の一途をたどっている。
軍政は旧宗主国フランスに部隊撤退を命じ、今年5月には米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。米軍は9月に撤退を終えた。
それ以来、軍政は国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による暴力の激化に直面している。
人権団体などによると、今年に入ってからの攻撃で死亡した民間人や兵士は1500人を超え、前年の650人を大幅に上回っている。