◎ティヌブ大統領は昨年5月の就任初日にガソリン補助金を廃止。複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。
ナイジェリアの主要労働組合による無期限ストが始まり、一部地域で停電が発生。主要空港が閉鎖される事態となった。現地メディアが3日に報じた。
公務員などで構成されるナイジェリア労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)の両労組は先週末、最低賃金の引き上げに政府が応じない場合、3日から無期限ストを開始すると宣言していた。
国営送電会社によると、多くの職員が出勤を拒否、送電オペレーター業務を維持できなくなり、一部地域で停電が発生したという。
首都アブジャや最大都市ラゴスの空港でも職員が姿を見せなかったり、事務所の入り口を封鎖したりした。
その結果、数十便が欠航する事態となり、数千人が影響を受けた。
TUCは3日、「全ての航空職員は追って通知があるまで自宅にとどまり、政府に抗議の意志を示そう」と呼びかけた。
NLCの書記長はX(旧ツイッター)に声明を投稿。公務員の給与を「飢餓賃金」と表現し、ティヌブ政権を糾弾した。「大統領の政策で数十万人の公務員が瀬戸際に追い込まれています」
両労組は先月末の交渉で政府が提案した最低賃金6万ナイラ(約7000円、月収)を拒否。50万ナイラ(約5万2000円)まで引き上げるよう要求したが、政府はこれを拒絶した。
大統領府の報道官は3日、「経済を不安定化させる労組のとんでもない要求を受け入れることはできない」と批判した。
ティヌブ(Bola Tinubu)大統領は昨年5月の就任初日にガソリン補助金を廃止。複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。
その後も電気料金の補助金を廃止するなどした結果、ガソリン価格は2倍以上に。公共交通機関の運賃や日用品の価格も急騰した。
電気料金は先月、補助金廃止により2倍以上に跳ね上がった。