◎米国を含む西側諸国は人道的理由から120万人以上が身を寄せるガザ地区南部ラファへの侵攻に強く反対している。
パレスチナ自治政府のアッバス(Mahmoud Abbas)議長は28日、イスラエルによるガザ地区南部ラファへの侵攻を止めることができるのは米国だけであると述べ、バイデン政権に必要な措置を取るよう訴えた。
アッバス氏はサウジアラビア・リヤドの世界経済フォーラム特別会合で演説。米政府に対し、ラファ攻撃をやめるようイスラエルに命じてほしいと懇願した。
またアッバス氏は「イスラエルによる戦争犯罪を阻止できる唯一の国が米国である」と強調した。
さらに、イスラエル軍がラファに攻め込めば、「恐ろしい数のパレスチナ人が避難を余儀なくされ、パレスチナ史上最悪の大惨事に発展するだろう」と警告した。
米国を含む西側諸国は人道的理由から120万人以上が身を寄せるラファへの侵攻に強く反対している。
米ホワイトハウスは28日、バイデン(Joe Biden)大統領がイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とガザ紛争について電話会談を行い、米政府の立場を改めて伝えたと明らかにした。
アッバス氏は仮にラファへの攻撃が小規模なものであったとしても、「多くのパレスチナ人が避難を余儀なくされ、進行中の飢饉に拍車をかけることになる」と警告した。
またアッバス氏は一部の西側諸国がパレスチナ人を隣国のヨルダンやエジプトに移住させるべきと提案したことに言及。「それはあり得ないことであり、イスラエルはガザを制圧次第、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人も周辺国に移住させるようとするだろう」と主張した。
イスラエルの代表団は数日中にエジプトを訪れ、最新の提案について話し合う予定だ。エジプトの国営テレビはハマスの代表団が29日に現地入りする予定と報じた。