◎野党が独自に開設とした投票所には悪天候にもかかわらず多くの有権者が長い列をつくった。
2023年10月22日/ベネズエラ、首都カラカスの投票所、大統領予備選に立候補したマチャド氏(AP通信)

ベネズエラで22日、野党が主催する大統領予備選が行われ、数百万人が投票所に足を運んだ。

マドゥロ政権はこの予備選を「時間の無駄」と嘲笑している。

野党が独自に開設とした投票所には悪天候にもかかわらず多くの有権者が長い列をつくった。

ベネズエラで大統領予備選が行われたのは11年ぶり。野党は打倒マドゥロ政権で一致団結し、選挙管理委員会の嫌がらせに屈することなく、投票にこぎつけた。

同国史上初の女性大統領を目指すマチャド(María Corina Machado)元議員は首都カラカスの屋外投票所で記者団の取材に応じ、「あらゆる障害を乗り越える時が来た」と語った。

「体制に勝利しましょう。私たちは勝ちます...」

マチャド氏が仮に勝利したとしても、来年の大統領選に出馬できるかどうかは不透明な情勢である。マドゥロ政権は今週、野党予備選の実施に基本合意したが、マチャド氏は本選への出馬を禁じられている。

マドゥロ政権は過去の選挙でも票を好き勝手に操作したり、野党との協定を破ったりしてきた。

カラカスの投票所に集まった人々は雨にも負けず、雨合羽を着て自分の順番を待った。

選管と野党の対立によって投票所をめぐる混乱が生じたにもかかわらず、有権者はSNSなどを駆使して投票所の情報をやり取りし、1票を投じた。

ベネズエラの選管は通常、公立学校や役場に投票所を開設する。しかし、選管は野党の要請に応じなかったため、予備選の投票所は民家、教会、私立学校、その他施設に開設された。

有権者が投票場所を検索できるウェブサイトはベネズエラ国内のインターネット・サービス・プロバイダーによってブロックされた。

VPNを使って検閲を回避した人は公立学校に投票所が開設されていないことを知り、X(旧ツイッター)やフェイスブックで情報を共有。あるユーザーは投票所の住所と電話番号をまとめた一覧を作成、投稿した。

予備選の結果は数日以内に公表される見通し。大統領選は来年行われる予定である。

ベネズエラの経済はマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の不作為と米国の制裁でボロボロのスッカスカになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

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