◎米国は債務に上限を設定しており、上限に達するとそれ以上国債を発行できなくなる。
2023年5月16日/米ワシントンD.C.ホワイトハウス、バイデン大統領(Getty Images/AFP通信)

共和党のマッカーシー(Kevin McCarthy)下院議長は16日、債務上限の引き上げをめぐるバイデン(Joe Biden)大統領との協議後、「合意は手の届くところにある」と示唆した。

しかし、マッカーシー氏はホワイトハウスの記者団に対し、「意見の隔たりは以前大きく、合意は容易ではない」という見方も示した。

バイデン氏は財政の行き詰まりにより、アジア外遊を断念せざるを得なくなった。

上限を引き上げる法案が成立しなければ、米国は6月1日までに債務不履行に陥る可能性がある。

ホワイトハウス報道官は16日の声明で、「大統領は数日中に合意に達することができるとみている」という楽観的な見方を示した。

マッカーシー氏も「今週末までに合意に至ると信じている」と述べた。共和党は法案と引き換えに予算を削減するよう求めている。

バイデン氏はまもなく開幕するG7広島サミット後、パプアニューギニアで地域の安全保障について協議し、オーストラリアでは日印豪の首脳と会談する予定だった。

バイデン氏はサミット終了後すぐワシントンD.C.に戻り、連邦議会の指導者と再び会談する予定だ。

米国は債務に上限を設定しており、上限に達するとそれ以上国債を発行できなくなる。

共和党はバイデン氏が債務上限に関する協議の最中に外遊を予定していたことを批判している。トランプ前政権もバイデン政権と同じく、債務上限を何度も引き上げている。

下院議長選出投票で醜態をさらしたマッカーシー氏はブルームバーグのインタビューで、「財政危機中の外遊に疑問を抱いている」と述べていた。

一方、国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)戦略広報調整官は16日の会見で、「バイデン大統領にとって、デフォルトの問題は最優先事項のひとつであり、協議の結果次第で日程が変わるかもしれない」と述べた。

またカービー氏は政治対立でデフォルトに陥るという「恥ずかしい」事態は避けるべきと指摘した。「ロシアや中国などは私たちがデフォルトに陥ることを望んでいるでしょう,,,」

米国がデフォルトに陥れば建国以来初。世界の金融市場は動揺し、進行中の銀行危機等に拍車をかけ、世界経済を大混乱に陥らせる可能性がある。

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